日本株は小幅安へ、米景気悪化懸念で輸出下落-造船・重機も軟調(2

6月の月内最終受け渡しとなる東京株式 相場は、小幅安の見込み。消費関連統計を受けたきのうの米国で景気後退懸念 が高まっており、輸出数量減による業績不安からトヨタ自動車やソニーなど輸 出関連株中心に下落しそう。原材料高から三菱重工業など造船・重機株のほか、 東証2部上場の建設会社であるスルガコーポレーションの民事再生手続き開始 の申請を受け、財務基盤の弱い企業なども軟調な展開が予想される。

もっとも、インフレ抵抗力のある日本株への評価に加え、25日付の日本経 済新聞朝刊によるガラスの値上げ交渉観測から旭硝子などガラス株も上昇が見 込まれ、株価指数全体の下げは小幅にとどまるとみられる。

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は、「きょうは小安くス タートした後、もみ合い相場を想定。月末接近で売買エネルギーが減少してい る上、米国金融政策によって相場の方向感がどう変わるかを見極めたいムード もある」と話している。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物9月物の24日清算値は1万 3830円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万3890円)に比べて60円安。

米景気懸念

24日の米国では景気後退を示唆する経済指標が相次いだ。米民間調査機関 のコンファレンス・ボードが発表した6月の米消費者信頼感指数は50.4に低下 し、ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値56.0を大きく下回っ た。米20都市部を対象にした4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前 年同月比で15.3%低下した。

マリア・フィオリニ・ラミレスの米国担当エコノミスト、ジョシュア・シ ャピロ氏は「消費者信頼感指数はかなり悪い。税還付で個人消費はやや持ち直 すだろうが、その効果が終わると、急速に悪化する可能性が高まっている」と 指摘。景気の先行きに対する不透明感が強まりつつある。

きのうの米国の預託証書(ADR)市場では、24日の東京市場終値比でト ヨタ自動車が1.3%安、日産自動車が1.6%安、ソニーが1.3%安、キヤノンが

1.8%安と輸出関連株が下落した。海外市場の軟化を受け、きょうの東京市場で も業績懸念の売りが先行して始まりそうだ。

米主要株価3指数の24日終値は、S&P500種株価指数が前日比3.71ポイ ント(0.3%)安の1314.29、ダウ工業株30種平均は34.93ドル(0.3%)安の

11807.43ドル、ナスダック総合株価指数は17.46ポイント(0.7%)安の2368.28。

FOMC控え方向感出にくい

米国時間できのうから始まった米連邦公開市場委員会(FOMC)は25 日、政策金利と声明文を発表する。金利据え置きはコンセンサスだが、「声明 文でインフレと景気のどちらに重きを置くかで、株価、為替、金利、原油がど う動くかの今後の方向性がはっきりする」(日興コーデ証の西氏)とされてい る。きのうの東証1部売買代金は今年最低だったが、月末接近という面も加わ り、きょうも売買低調で明確な方向感は出にくい展開となりそうだ。

造船・重機株や財務基盤の弱い企業も軟調か

業種別では造船・重機株も安くなる公算が大きい。英豪系資源大手リオ・ ティント・グループと中国の鉄鋼最大手、宝鋼集団との鉄鉱石価格交渉を受け、 きのうは原材料高への不安から鉄鋼株の下落が目立った。きょうは鋼材を多く 使用する三菱重工業や川崎重工業、三井造船など造船・重機株などの業種にも 業績不安が波及しそうだ。

また、中高層住宅建設の開発・賃貸を手掛けるスルガコーポレーションが 24日、民事再生手続き開始を東京地方裁判所に申し立て、受理されたと発表し た。同社が発行した無担保公募普通社債(2本、残高210億円)が、マイカル 債以来の約7年ぶりの債務不履行(デフォルト)となることで、財務基盤の弱 い企業などは売りが優勢になると想定される。

東宝やしまむらが下落見込み

個別に材料が出ている銘柄では、第1四半期(3-5月)に保有有価証券 の評価損など特別損失計26億円を計上する東宝、3-5月期の連結純利益が 前年同期比53%減と落ち込んだミニストップが下落の見込み。食材の値上げや 新規出店費用が膨らみ、3-5月期の単体営業利益は前年同期比6.2%減とな ったハイデイ日高、3-5月(第1四半期)の連結純利益は前年同期比42%減 と落ち込んだ平和堂なども安くなりそう。UBS証券が「ニュートラル」へ格 下げしたしまむらも売りが増加すると見られる。

半面、自動車用ガラスを10%程度値上げする方向で自動車メーカーと交渉 を開始したと25日付の日本経済新聞朝刊が伝えた旭硝子が上昇の公算。不採 算店の撤退や新規出店などが寄与して3-5月期の連結営業利益が前年同期比

5.1倍となった鈴丹、3-5月期の連結純利益が前年同期比2.6倍だったキリン 堂、クレディ・スイス証券が格上げしたセイコーエプソンなども高くなる見通 し。

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