東京外為:円弱含み、FOMC控えた持ち高調整が主導-米指標を警戒

東京外国為替市場では円が弱含み。ドル・ 円相場は1ドル=108円台前半と、4営業日ぶりの円安値で推移した。25日に 米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果判明を控えて持ち高調整の動きが出 やすいなか、金利差を背景とした円売りの動きが広がり、ドル高・円安方向に 圧力がかかる展開となった。

バークレイズ銀行トレーディング部の小川統也ディレクターは、FOMC では、「声明文でインフレに対する米当局の姿勢と今後の利上げについてどの ようなスタンスが示されるかが焦点になる」と指摘。その上で、米当局からは ドルをサポートする発言が目立っており、大きな相場の変動要因になる内容は 見込みにくいとして、ドルの押し目買い需要も多いとみている。

そうしたなか、東京時間の取引では、「FOMCを控えた持ち高調整の動 きが相場を主導するなか、この日は国内の投資家を中心としたクロス・円(ド ル以外の通貨と円の取引)で円が売られた」(小川氏)という。

円が弱含み

23日には、ドイツのIfo経済研究所が発表した6月の企業景況感指数は 前月から低下し、2006年1月以来の低水準に落ち込んだ。また、日本でも財務 省と内閣府が発表した4-6月期の法人企業景気予測調査で、大企業・全産業 の景況判断BSIが悪化している。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の北沢純部長は、FOMCを 控えて、声明文がタカ派的な内容になる可能性も排除できないことから、イベ ントリスクを軽減するための持ち高調整に伴うドルの買い戻しに圧力がかかり やすいと指摘。さらに、「日欧で景況感の指数が悪いなか、日本は大きなイン フレ懸念もなく、利上げに追い込まれるような状況にないため、クロス・円で 円に売り圧力がかかりやすい」としている。

この日のドル・円相場は朝方の取引で一時107円79銭(ブルームバーグ・ データ参照、以下同じ)までドルが下押されたあと、じりじりと円売りの動き が波及。午前の取引で108円22銭まで円が下値を切り下げ、午後の取引も108 円台前半を維持して推移した。

また、この日は前日比で一時100円を超える下落となっていた日経平均株 価がプラス圏に浮上する場面がみられ、損失リスクを伴う投資先の代表格とさ れる株式の下値不安が緩和。外為市場でもリスク投資を敬遠する動きが鈍り、 低金利の円から高金利通貨などに資金がシフトするリスク選好的な動きが出や すい面もあった。

新光証券の林秀毅チーフエコノミストは、「前日の米国株は下げ渋りとい った感があり、この日の日本株がプラスに転じる局面があれば、金利差シナリ オを背景に円に売り圧力がかかりやすくなる」とみていた。

ユーロ・円相場は午後の取引で一時1ユーロ=168円13銭と、昨年7月 23日以来の水準までユーロ高・円安が進行。さらに、円はオーストラリア・ド ルに対して、1豪ドル=103円台まで下押されて、昨年11月以来の安値を付け ている。

米指標の弱含み警戒感も

一方で、バンク・オブ・アメリカ(BOA)は23日、米証券大手メリルリ ンチとスイスの大手銀UBSの08年4-6月(第2四半期)決算見通しを赤字 に下方修正。また、米証券大手ゴールドマン・サックス・グループが同日、米 国の金融株の投資判断を引き下げている。

さらに、債券調査会社クレジットサイツのアナリストは23日付のリポート で、米金融保証会社(モノライン)大手のMBIAとアムバック・ファイナン シャル・グループが保証する証券の格下げがまだ「氷山の一角」に過ぎないと 指摘。サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の長期化で、金 融機関を取り巻く環境が依然として不透明なことが再び意識されやすくなって いる。

こうしたなか、この日の米国時間には、全米20都市部を対象にした4月の スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数の ほか、6月の消費者信頼感指数など、経済指標の発表が控えている。

UBS銀行東京支店外国為替部FXアドバイザーの牟田誠一朗ディレクタ ーは、指標が市場予想を下回れば、「ドルにとって厳しい状況になる可能性が ある」と指摘。金融市場の不安も年内いっぱい続きそうな状況のなか、ドルの 軟調な展開を予想している。

この日からはFOMCが開始するが、「指標はいまひとつの内容が続いて いるので、声明文にどういった表現が盛り込まれるのか、バイアスがどのよう に変化していくのかが注目点」(みずほコーポレート銀行国際為替部・時田剛 調査役)になりそうだ。

--共同取材:曽宮一恵 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Norihiko Kosaka

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