日本株(終了)TOPIXが小反発、商社高い-売買代金は今年最低に

東京株式相場は様子見ムードの強い中、 TOPIXが4日ぶりに小反発。海外原油価格の上昇が材料視され、三菱商事 や三井物産など大手商社株が上昇。金融や不動産など、過去3日間の続落期間 中に下げが大きかった業種も上げた。JR東日本などの陸運株、生めん製品価 格を再値上げする東洋水産などの食品株も堅調だった。

半面、コスト増加不安が高まった新日本製鉄など鉄鋼には売りが膨らみ、 東証1部の業種別下落率で1位となった。不良債権懸念でアイフルが売られる などその他金融株も下落。ファナックや東京エレクトロンなど一部電機株の下 げが響き、日経平均株価は1月16日以来、約5カ月ぶりの4日続落。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「3月からのリバウン ドが終わり、株価がさらに本格的に上がるにはファンダメンタルズの改善が必 要。その確認にはあと1-2カ月ほどかかりそうだ」と指摘した。米国時間24 日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)についても、「当局の難しい立場 を反映した内容になりそうで、相場の売り買いの材料にはならないだろう」と の見方を示している。

TOPIXの終値は前日比1.26ポイント(0.1%)高の1349.19、日経平 均株価は7円91銭(0.1%)安の1万3849円56銭。東証1部の売買高は概算 で16億2959万株、売買代金は同1兆7292億円。売買高は5月27日以来の低 水準で、売買代金は大発会も含めて今年最低だった。値上がり銘柄数は906、 値下がり銘柄数は700。東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種20、 値下がり業種13。

様子見強い1日

25日までのFOMCや24日発表予定のS&P/ケース・シラー住宅価格指 数など重要日程を控え、様子見ムードの強い1日となった。FOMCを前にし た23日のニューヨーク原油先物相場は前週末比1%高の1バレル=136.74ド ルと続伸し、再びインフレ懸念が台頭。ちばぎんアセットマネジメントの大越 秀行運用部長は、「売り買いともに手掛かり材料に乏しく、若干こう着色の強 い展開だ」と話していた。

金利据え置きがコンセンサスとなっているFOMCでは、「インフレ最優 先からバランスをとった声明になるかどうかが注目される」(ドイツ証券の下 出衛チーフエクイティストラテジスト)。大和投信の長野氏は、「市場に早期 利上げと受け取られかねないような文言は使わないだろう」と予想するものの、 米国株は3月安値に接近しつつある状況でもあり、声明後にどう反応するか、 警戒していた。

上値が重い一方で、下値を積極的に売り込む動きも見られなかった。野村 証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストによると、「原油や米国株 に対する不透明感から上値は重い一方、日経平均1万3600円台は先月22日以 降に何度も下げ止まった水準とあって、買い戻しが入りやすい」そうだ。

相場は上にも下にも行きにくく、当面ボックス圏に入ったという佐藤氏の 見解通り、終日特徴を見出しにくい値動き。それを象徴するように、東証1部 業種別上昇率では、TOPIXが6月19日から23日まで3日続落となった期 間中、下落率が1位だった保険、2位だった証券・商品先物取引、4位だった 不動産がそろって上位を占めた。

資源関連が高い

TOPIXの上昇をけん引したのは商社株で、三菱商事や三井物産が4日 ぶりに反発した。サウジアラビアが来月増産の計画を明らかにしたものの、ナ イジェリアでの生産障害を相殺するのには十分でないとの見方から、23日のニ ューヨーク原油先物相場が続伸したことが追い風となった。

また、豪州資源大手リオ・ティントと中国の鉄鋼最大手、宝鋼集団との 2008年度鉄鉱石価格交渉は前年度比で最大97%の値上げで合意した。原油価 格の反発、鉄鉱石の価格交渉という2つの好材料が評価されたとする大和投信 の長野氏は、「中期的にも資源価格は好環境が続くことで、商社の業績にとっ てプラスになると多くの投資家が考えている」としていた。

個別銘柄では、08年5月期の連結純利益が従来計画比42%増の8億5000 万円となったもようのウェザーニューズが急騰。法人税の還付金が円安の進行 などで予想以上に膨らみ、今期に特別利益を計上する古河電気工業は急反発。 半導体素子内部の配線に使う金の使用量を約6割削減できる半導体パッケージ の新手法を開発したと、24日付の日経産業新聞で伝わったTOWAも高い。

鉄鋼やその他金融は安い

一方、鉄鋼株やその他金融株は安い。鉄鋼株では新日本製鉄が6日続落、 鉄鋼株指数は前日比1.9%安と東証1部の業種別下落率で1位だった。リオ・ ティントと宝鋼集団との鉄鉱石価格の合意により、日本の鉄鋼メーカーも同水 準の値上げを受け入れる公算が大きく、収益圧迫懸念が再燃した。鉄鋼大手は、 08年度に前年比で最大2倍の値上げを受け入れ、業界全体で1000億円規模の 追加負担が生じると24日付の日経新聞夕刊で報じられたこともマイナス材料。

その他金融株では、アイフルやアコム、武富士など消費者金融が総じて安 くなった。リーマン・ブラザーズ証券ではアイフルについて、営業貸付金残高 の4分の1近くを占める不良債権が同社の最大の問題だと指摘した。そこに含 まれる有担保ローンはしばらく回収できそうになく、無担保ローンの不良債権 は増え続けているとしていることが不安視された。

このほか、メリルリンチ日本証券が「アンダーパフォーム」へ格下げした ダイエーが急落、6月既存店売上高が2カ月連続で前年実績割れの西松屋チェ ーンがそれぞれ急落。新薬承認申請中の抗血小板治療剤「プラスグレル」の審 査期間を米国食品医薬品局が3カ月延長した第一三共、NAND需要が想定以 上に軟調としてクレディ・スイス証券が格下げした東芝がともに反落した。

新興3市場は4日続落

国内の新興3市場はそろって4日続落。ジャスダック指数の終値は前日比

0.52ポイント(0.8%)安の62.20、東証マザーズ指数は12.43ポイント (2.1%)安の582.66、大証ヘラクレス指数は13.88ポイント(1.4%)安の

959.71。

個別では、国内での風力発電の導入スピードが鈍化していると24日に報 じられたことで、業界環境の先行き不安から日本風力開発が反落。筆頭株主の 所有株式数低下が嫌気されたユビキタスは5日連続安となった。半面、ぜんそ くの急性発作治療薬のフェーズⅡ臨床試験を開始したと発表したメディシノ バ・インクが急伸。発行済株式数の1.8%にあたる自社株買いを取得するCH INTAIは大幅高となった。経済産業省が太陽光発電システムの新エネルギ ー政策を発表したことで、特殊電極や北川精機なども高い。

--共同取材:近藤 雅岐   Editor:Shintaro Inkyo

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