TOPIXが小高い、原油高で商社や鉱業株上昇-売買代金低調(2)

午前の東京株式相場は、TOPIXが4 日ぶりに小反発。原油高を背景として三菱商事や三井物産など大手商社や鉱業 株が高くなった。このほか、銀行株や証券株、不動産株など、3日間の続落期 間中に下げが大きかった業種も堅調。

半面、コスト増加不安から新日本製鉄など鉄鋼が東証1部業種別下落率2 位となったほか、不良債権懸念でアイフルが売られるなどその他金融株も下げ た。化学や海運など原油高がデメリットになる業種も安く、相場全体では高安 まちまちだった。日経平均株価は4日続落。米国の金融政策動向を見極めよう と様子見姿勢が強い中で、売買代金は低調だった。

ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部長は、「景気減速基調が 鮮明になる中、原油高は先進国ベースで見れば、ボディーブローのように効い てくる」と指摘。半面、足元で継続している日本株の相対的な強さは持続して いるとし、「売り買いともに手掛かり材料に乏しく、若干こう着色の強い展開 だ」と話していた。

TOPIXの午前終値は前日比1.79ポイント(0.1%)高の1349.72、日 経平均株価は6円43銭(0.1%)安の1万3851円4銭。東証1部の売買高は 概算で7億9904万株、売買代金は同8269億円。売買代金は3営業日ぶりに2 兆円を割り込んだきのうの午前時点(8346億円)をさらに下回る。値上がり銘 柄数は834、値下がり銘柄数は707。東証業種別33指数の騰落状況は、値上が り業種17、値下がり業種16。

方向感出ず

午前の日本株は原油価格や米国株に対する警戒から、株価指数が前日終値 を挟んで上下を繰り返す方向感に欠ける展開となった。23日のニューヨーク原 油先物相場は前週末比1%高の1バレル=136.74ドルと続伸し、再びインフレ 懸念が台頭。米国株は3月安値に接近しつつある状況で、重要日程の結果を見 極めたいとして23日のニューヨーク株式市場の出来高は、1カ月強ぶりの低 水準だった。

米国では24日のS&P/ケース・シラー住宅価格指数や、25日まで予定さ れる米連邦公開市場委員会(FOMC)などが予定されている。金利先物市場 動向によると、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標は2%で据え置かれ る確率が90%。「インフレ最優先からバランスをとった声明になるかどうかが 注目される」(ドイツ証券の下出衛チーフエクイティストラテジスト)という。

野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリストによると、「原油 や米国株に対する不透明感から上値は重い一方、日経平均1万3600円台は先 月22日以降に何度も下げ止まった水準とあって、買い戻しが入りやすい」そ うだ。相場は上にも下にも行きにくく、当面ボックス圏に入ったという佐藤氏 の見解通り、特徴のない値動きとなっている。TOPIXが6月19日から23 日まで3日続落となった期間中、下落率が2位だった証券・商品先物取引、3 位だった銀行、4位だった不動産の3業種が、午前はそろって上昇した。

ゴールドマン・サックス証券の山川哲史チーフエコノミストは23日付の リポートで、海外株に比べて日本株の足元の相対的な好パフォーマンスの要因 はインフレ許容度、アジア新興国からの投資資金の避難先にあると分析。今回 の日本株上昇が一時的な評価で終わるかどうかは、日本経済が消費主導の景気 回復局面へと移行するかどうか、日本企業の株主資本利益率(ROE)がすう 勢的な上昇傾向をたどるかどうかに大きく依存するとの見方を示している。

資源関連が高い

上昇をけん引したのは商社や鉱業など資源関連株。三菱商事や三井物産が 4日ぶりに反発し、国際石油開発帝石ホールディングスも上昇。サウジアラビ アが来月増産の計画を明らかにしたものの、ナイジェリアでの生産障害を相殺 するのには十分でないとの見方から、23日のニューヨーク原油先物相場が続伸 したことが追い風となった。

個別に材料が出た銘柄では、08年5月期の連結純利益が従来計画比42% 増の8億5000万円となったもようのウェザーニューズが急騰。法人税の還付 金が円安の進行などで予想以上に膨らみ、今期に特別利益を計上する古河電気 工業は急反発した。今年1月に続き、9月にも生めんの販売価格を値上げする 東洋水産は52週高値を更新。発行済株式総数の6.5%に相当する17万株を上 限に自己株を取得する電通も高い。

鉄鋼やその他金融は安い

一方、鉄鋼株やその他金融株は下げた。鉄鋼株は新日本製鉄が6日続落し、 東証1部業種別下落率で2位。豪州資源大手リオ・ティントと中国の鉄鋼最大 手、宝鋼集団との2008年度鉄鉱石価格交渉が前年度比で最大97%の値上げで 合意した。日本の鉄鋼メーカーも同水準の値上げを受け入れる公算が大きくな ったとして、収益圧迫懸念が再燃した格好。

その他金融株は、アイフルやアコム、武富士など消費者金融株が下げを主 導。リーマン・ブラザーズ証券ではアイフルについて、営業貸付金残高の4分 の1近くを占める不良債権が同社の最大の問題だと指摘した。そこに含まれる 有担保ローンはしばらく回収できそうになく、無担保ローンの不良債権は増え 続けているとしている。

このほか、メリルリンチ日本証券が「アンダーパフォーム」へ格下げした ダイエーが値幅制限いっぱいのストップ安まであり、午前の東証1部下落率1 位。新薬承認申請中の抗血小板治療剤「プラスグレル」の審査期間を米国食品 医薬品局が3カ月延長した第一三共は大幅安。6月既存店売上高が2カ月連続 で前年実績割れの西松屋チェーンが急落し、NAND需要が想定以上に軟調と してクレディ・スイス証券が投資判断を「ニュートラル」下げた東芝は反落。

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