東京外為:ドルもみ合い、日欧景況悪化が下支え-米指標の弱含み警戒

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=108円ちょうどを挟んでもみ合い。米金融機関の業績が悪化するとの 見通しを背景に信用不安が再び強まるなか、米経済指標の弱含みも警戒され、 ドルの上値は重い。ただ、日欧の景況感悪化を背景に円とユーロの買い意欲も 出にくく、25日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果判明を控えて、ド ル売りの動きも限定的となっている。

新光証券の林秀毅チーフエコノミストは、ドイツの指標悪化でユーロ圏景 気の不透明感が強まったうえ、国内景気の下振れリスクも徐々に意識されやす くなっており、ドル売り持ち高の調整につながっていると説明。また、「前日 の米国株は下げ渋りといった感があり、この日の日本株がプラスに転じる局面 があれば、金利差シナリオを背景に円に売り圧力がかかりやすくなる」とみて いる。

日欧の景況感悪化

ドイツのIfo経済研究所が23日発表した6月の企業景況感指数(2000年 =100)は101.3と、前月の103.5から低下し、06年1月以来の低水準に落ち込 んでいる。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の102.5も下回って おり、ユーロ圏最大の独経済の見通しに不透明感が広がっている。

また、日本でも財務省と内閣府が発表した4-6月期の法人企業景気予測 調査で、大企業・全産業の景況判断BSIはマイナス15.2と、前期比で5.9ポ イント悪化している。

日欧で景況感の悪化が示されたことで、前日の海外市場ではドルの買い戻 しが進み、ドル・円相場は一時108円07銭(ブルームバーグ・データ参照、以 下同じ)まで上昇。ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.5469ドルと、19日以 来の水準までユーロ安・ドル高が進行し、この日の東京市場では1.55ドル台前 半で推移している。

日本株がプラス圏浮上

そうしたなか、この日の東京市場では、前日比で一時100円を超える下落 となっていた日経平均株価がプラス圏に浮上する場面がみられている。損失リ スクを伴う投資先の代表格とされる株式の下値不安が和らぐと、外為市場でも リスク投資を敬遠する動きが鈍る傾向があり、低金利の円から高金利通貨など に資金がシフトするリスク選好的な動きが出やすくなる。

ドル・円相場は朝方の取引で一時107円79銭までドルが下押される場面も 見られていたが、じりじりと円売りの動きが波及して、108円04銭まで値を戻 している。また、ユーロ・円相場も一時1ユーロ=167円66銭と、前日のニュ ーヨーク時間午後遅くに付けた167円35銭からユーロ高・円安が進んでいる。

米信用不安が再燃

一方で、バンク・オブ・アメリカ(BOA)は23日、米証券大手メリルリ ンチとスイスの大手銀UBSの2008年4-6月(第2四半期)決算見通しを赤 字に下方修正した。追加評価損の計上に加えトレーディングが低迷するとの見 通しを示している。

また、米証券大手ゴールドマン・サックス・グループは同日、米国の金融 株の投資判断を「アンダーウエート」と、従来の「ニュートラル(中立)」か ら引き下げている。

さらに、債券調査会社クレジットサイツのアナリストは23日付のリポート で、米金融保証会社(モノライン)大手のMBIAとアムバック・ファイナン シャル・グループが保証する証券の格下げがまだ「氷山の一角」に過ぎないと 指摘。サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の長期化で、金 融機関を取り巻く環境が依然として不透明なことが再び意識されやすくなって いる。

こうしたなか、この日の米国時間には、全米20都市部を対象にした4月の スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数の ほか、6月の消費者信頼感指数など、経済指標の発表が控えている。

UBS銀行東京支店外国為替部FXアドバイザーの牟田誠一朗ディレクタ ーは、指標が市場予想を下回れば、「ドルにとって厳しい状況になる可能性が ある」と指摘。金融市場の不安も年内いっぱい続きそうな状況のなか、ドルの 軟調な展開を予想しており、弱い指標内容が「FOMCの外堀を埋める形にな る」と付け加えている。

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