SES株が10カ月ぶり高値、太陽電池用拡散炉を開発-事業拡大を期待

半導体製造装置メーカー大手、エス・イー・ エスの株価が続伸。前日比34円(5.2%)高の684円を付け、2007年8月9日 以来、約10カ月ぶりの高値を更新した。太陽電池の基板材料を流れ作業で加工 できる新型の拡散炉を23日に開発したと発表。太陽電池分野で先行していると 評価が高まった。

拡散炉は、単結晶や多結晶のシリコンウエハーを使う結晶型太陽電池をつ くる装置。従来のバッチ式製造法ではウエハーを設置したり移動したりする際 にいちいち作業員が必要だったが、「今回のインライン式(自動ライン)では 製造工程を無人化できるうえ、時間のロスも少なくなる」(北島文雄専務)こ とが利点。1時間あたり800枚のウエハーが加工できるといい、従来製造法よ り10%程度製造効率が高いという。

SESは、同社の九州工場(大分市)内に拡散炉のデモ機を設置、1台あ たり1億5000万円で販売営業活動を開始した。「韓国、台湾、中国、インド、 フィリピンの太陽電池パネルメーカーからすでに引き合いがある」(北島専務) そうだ。

同社は太陽電池製造装置の開発に注力、プラズマCVD(化学的気相成長 法)装置のデモ機製作に着手している。前期に30億円だった太陽電池分野の売 上高を再来期までに200億円とする目標を掲げており、結晶型太陽電池生産に 必要な装置の品ぞろえを拡げる構えだ。

野村証券金融経済研究所の和田木哲哉シニアアナリストは、今回の拡散炉 開発について、「話題性十分」とし、アジア地区では最も早くインライン式の 製造装置をつくりあげた点を評価している。和田木氏は、SESがインライン 式で先行したことから、「地のりを生かしてシェアを大きく伸ばす可能性があ る」とみている。

野村証によると、太陽電池市場は4-5年後に1兆円を超え、前年(年商 規模2000億円)の5倍に膨らむ見込み。「再来年には液晶製造装置のピークの 年商規模5500億円をも超える」(和田木氏)と試算している。

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