日本株は小幅続落へ、信用不安と原油高で輸出や金融安い-鉄鋼も軟調

東京株式相場は小幅続落する見通し。米 国の金融政策を見極めたいとして積極的な売買が手控えられる中、信用不安や 海外原油先物高の影響からトヨタ自動車や三井住友フィナンシャルグループな ど、輸出関連や金融株中心に安くなりそう。原材料高による採算悪化懸念で、 鉄鋼株や建設株も軟調となる見込み。

ドイツ証券の下出衛チーフエクイティストラテジストは、「原油価格が最 高値に接近し、米国株も3月安値にあと数%まで来ている。いずれも水準を突 破すると影響が予想され、警戒から様子見ムードが強まりそう」との見方を示 した。下出氏によると、米S&P500種株価指数が3月安値を割り込むことに なれば、「年後半からの景気回復シナリオの前提が崩れる」という。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物9月物の23日清算値は1万 3870円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万3850円)に比べて20円高。

信用不安と原油高

米国株式市場では23日、バンク・オブ・アメリカ(BOA)が証券会社 の業績見通しを引き下げた。また、ゴールドマン・サックス・グループのスト ラテジストが、信用損失は2009年まで続くとの見通しを示唆し、銀行株の売 りを助言。メリルリンチやモルガン・スタンレーなどを中心に安くなり、S& P500種金融株指数は前営業日比2.7%安と5年超ぶりの安値となった。

また、ニューヨーク原油先物相場は前週末比1.38ドル(1%)高の1バ レル=136.74ドルと続伸。サウジアラビアが来月増産の計画を明らかにしたも のの、ナイジェリアでの生産障害を相殺するのには十分でないとの見方で買い が優勢だった。信用不安と原油高によるインフレ懸念が根強いことから、きょ うの東京市場でも輸出関連株や金融株には売りが先行しそうだ。

FOMCで様子見も

米国時間24日から25日まで、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催 される。金利先物市場動向によると、フェデラルファンド(FF)金利誘導目 標は2%で据え置かれる確率が90%。金利据え置きがコンセンサスとなってい ることで、「声明でインフレリスクと経済リスクをどの程度と位置づけるかに よって、相場が反応しそう」(三菱UFJ証券ニューヨークの和田康志バイス プレジデント)との声が出ている。

米主要株価3指数の23日終値は、ダウ工業株30種平均は前週末比0.33 ドル安の11842.36ドル、ナスダック総合株価指数は20.35ポイント(0.9%) 安の2385.74。S&P500種株価指数は0.07ポイント高の1318.00とまちまち。 ニューヨーク株式市場の出来高は11億株未満と、5月12日来の薄商いだった。

鉄鋼や建設株も下落へ

このほか、新日本製鉄などの鉄鋼株、大成建設をはじめとする建設株も下 落しそうだ。英豪系資源大手リオ・ティント・グループは23日、中国の鉄鋼 メーカー最大手、宝鋼集団と行った今年度(09年3月通期)分の鉄鉱石価格交 渉が、最大97%の値上げで合意したことを明らかにした。値上げ幅は過去最大。 日本の鉄鋼メーカーも同水準を受け入れることになれば、原材料高が収益を圧 迫する可能性がある。

また、24日付の日本経済新聞朝刊によると、生コンクリートの取引価格が 約14年ぶりに上昇した。東京地区生コンクリート協同組合が打ち出した値上 げを、ゼネコン各社が受け取れたという。建築需要が低調な中でのコスト上昇 は、採算悪化懸念につながりそうだ。

東芝やダイエーなど軟調か

個別に材料が出ている銘柄では、NAND需要が想定以上に軟調としてク レディ・スイス証券が投資判断を「ニュートラル」へ引き下げた東芝、メリル リンチ日本証券が「アンダーパフォーム」へ格下げしたダイエーが安くなる見 込み。07年9月―08年5月(第3四半期)の単体純利益が前年同期比20%減 と落ち込んだライトオン、6月(20日締め)の既存店売上高が前年同月比

3.8%減と、2カ月連続で前年実績割れの西松屋チェーンも下げが予想される。

半面、08年5月期の連結純利益が従来計画比42%増の8億5000万円とな ったもようのウェザーニューズ、3―5月(第1四半期)の連結純利益は前年 同期比4.8%増と堅調だった富士エレクトロニクス、発行済株式総数の6.5% に相当する17万株を上限に自己株を取得する電通などは買いが先行する公算。

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