東京外為:ドル・円が一進一退、FOMC警戒-Ifo控えユーロは反落

週明けの東京外国為替市場では、ドル・円 相場が1ドル=107円台前半から半ばで一進一退の展開が続いた。金融機関の業 績不安や原油高による米景気の低迷長期化懸念を背景にドルは積極的に買いづ らいものの、あすから始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、ドル を売り込む動きは見られなかった。

一方、ドイツの景況感指数の発表を控え、午後の取引ではユーロの買い持 ち高を縮小する動きが活発化。フランスのPMI製造業・サービス業指数が予 想を下回ったこともあり、ユーロは対ドルで1ユーロ=1.56ドル前半から一時、

1.5558ドル(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)まで反落した。

みずほコーポレート銀行の岡田雅雄参事役は、米国からドル安懸念発言が 相次ぎ、市場がそれを先取りしてしまった形になっている一方、先週末にはダ ウが3月10日以来の安値をつけており、「通貨と株の板挟みのなかでFOMC が果たしてどこまで強いメッセージを出せるかが最大の注目点になる」と語る。 その上で、「市場が期待するような強いメッセージは出ないというのがメイン シナリオ」といい、週後半はドルが売られやすい展開になると予想している。

この日のドル・円は、早朝の時間帯に一時、1ドル=107円11銭と12日以 来の安値をつけた後、107円台半ばまでドルが反発。週末に開かれた主要産油国 と消費国の会合でサウジアラビアが原油の増産計画を発表したことを受けて、 ニューヨーク原油先物相場が反落して始まったため、ドルの買い戻しが先行し た。

しかし、同水準ではドルの戻り売りが強く、原油先物が上昇に転じるなか、 ドル・円は107円15銭付近まで値を戻した。一方、クロス円(ドル以外の通貨 の対円相場)での円売りに円の上値も重く、午後には107円54銭までドルが値 を戻す場面がみられた。

岡田氏は、「先週末の北米市場がドルにも株にも極めてネガティブな終わ り方をしていたので、きょうはこの流れが引き継がれるものと思っていたが、 アジア株全般的に比較的下げ渋っているほか、ドル・円の売りをクロス円の買 いが吸収する形になっていることから、今のところこう着相場になっている」 と説明する。

米国の政策金利見通し

フェデラルファンド(FF)金利先物相場の動向によると、24、25日のF OMC会合でFF金利誘導目標が2%で据え置かれる確率は90%となっている。 1週間前は利上げの確率が2割強となっていたが、米国の金融不安や景気後退 懸念がくすぶるなか、足元で利上げ確率は1割まで低下。8月の会合で利上げ される確率も4割弱と、1週間前の6割強から落ち込んでいる。

20日の米国市場では、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が燃料 高を理由に米自動車大手3社の格下げ方向で見直すと発表したことや金融機関 の業績に対する不安から、株式相場が反落。S&P500種株価指数やダウ工業株 30種平均は約3カ月ぶりの安値を付けた。

三菱UFJ証券クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は、FOMCについ て、「FF金利先物の居所や米2年債利回りが2.9%に近いところにあることを みると、市場は依然として若干強めの声明内容を期待しているのかなと思うが、 G8でのポールソン財務長官の発言やG8全体の発言をみても、米景気につい てそれほど強気ではなかったし、声明が若干弱めとなれば、利上げを織り込み 過ぎた分の修正局面となる可能性もある」と語る。

一方、国内外景況感の悪化や世界的なインフレに対する懸念が根強いなか、 週明けの東京株式相場は約2カ月ぶりの3日続落となったが、アジア株の下げ が限定的となったこともあり、一時前週末比270円超下げていた日経平均株価 は、同84円61銭(0.6%)安まで下げ幅を縮めて取引を終えた。

財務省と内閣府が23日発表した法人企業景気予測調査によると、4-6月 期の大企業・全産業の景況判断BSIはマイナス15.2と1-3月期(マイナス

9.3)に比べ5.9ポイント悪化。マイナスは2期連続で、製造業、非製造業の分 類を問わず2004年の調査開始以来の最低水準を更新した。

ユーロ・円は、前週末に約11カ月ぶりユーロ高値となる1ユーロ=168円 13銭を記録。週明けの取引でも167円台半ばから後半でユーロが底堅く推移し ていたが、午後にはユーロ売りが活発となり、167円07銭まで値を下げた。

原油相場は上昇

ニューヨーク原油先物相場は、アジア時間23日の時間外取引で上昇。週末 に開かれた産油国・消費国会合ではサウジアラビアが来月増産する方針を示し たことが、ナイジェリアで先週パイプラインが爆破された後で、供給懸念を抑 制するには十分でないとの見方が広がった。

シティバンク銀行個人金融部門リテール・プロダクト本部為替市場調査の 尾河真樹シニアマーケットアナリストは、「原油の増産に関しては、協調とい うかたちには至らなかったということで、どちらかというとネガティブに捉え られる可能性があり、原油相場の下落につながるとは考えにくい」と語る。

一方、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 ドイツのIfo経済研究所が23日に発表する6月のドイツの企業景況感指数は

102.5と5月の103.5から低下が見込まれている。もっとも、三菱UFJ証券の 塩入氏は、「ECB(欧州中央銀行)の利上げが見えているなか、ドルも何とな く頭が重いという感じになっているだけに、ユーロを売り込むのは難しい」と 指摘。ユーロの下落余地は限られる可能性が高いとみている。

--共同取材:曽宮一恵 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Hidenori Yamanaka

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