日本株(終了)3日続落は2カ月ぶり、内外景況悪化-輸出や金融安い

週明けの東京株式相場は約2カ月ぶりの 3日続落となり、日経平均株価は5月28日以来となる一時1万3600円台まで あった。国内外の景況感悪化や信用リスクの高まり、インフレへの懸念などか らトヨタ自動車など輸出関連株が下落。三菱UFJフィナンシャル・グループ など金融株も売られ、保険は東証1部の業種別下落率で1位だった。

住信アセットマネジメントの中谷方彦チーフファンドマネージャーは、 「3月からの戻り相場は一段落したが、為替での国際協調の有無、原油価格で の中国や規制の影響など先行きが読みづらい」と指摘。それらの動向次第で、 次の相場トレンドはどの方向へも向かう可能性があり得るとして、「見極める にはもう少し時間がかかる」と話した。

日経平均株価の終値は前週末比84円61銭(0.6%)安の1万3857円47 銭、TOPIXは8.81ポイント(0.7%)安の1347.93。東証1部の売買高は 概算で18億2671万株、売買代金は1兆9463億円と3日ぶりに2兆円を割り 込んだ。値上がり銘柄数は530、値下がり銘柄数は1069。東証1部業種別33 指数は値上がり10、値下がり23。

米ダウ指数への恐怖、法人景気予測調査

景気後退、信用不安、インフレ懸念への根強さから、日経平均の下落率は この3営業日で4.1%となった。先週末の米ダウ工業株30種平均が、信用不安 の高まった3月10日安値(1万1740ドル)水準まであと100ドル余りへ接近。 米国では今週は24-25日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、24日にはS &Pケースシラー住宅価格指数など重要日程が予定されているとあって、「日 米とも上値が重い状況が続きやすい」(みずほ総合研究所の武内浩二シニアエ コノミスト)として、売買代金も低調だった。

丸和証券の小林治重調査情報部長は、「市場には米ダウ工業株30種平均 がもう少しで3月安値を割り込むという恐怖感がある。3月にあった信用不安 と景気減速の再燃だけでなく、今回は原油高によるインフレ懸念も加わってい る」と話している。先週末の米国では、スタンダード・アンド・プアーズ(S &P)が燃料高を理由にゼネラル・モーターズなど格下げ方向で見直すと発表。 UBSのアナリストは20日付のリポートで、米銀大手シティグループの4- 6月(第2四半期)決算は赤字になるとの見方を示していた。

さらに国内では、7月1日公表予定の企業短期経済観測調査を占う点で注 目された4-6月期法人企業景気予測調査で、大企業・全産業の景況判断BS Iがマイナス15.2と、1-3月期に比べ5.9ポイント悪化した。同調査では、 通期2%減益(上期14%減益、下期10%増益)の見通しが示されており、 「エネルギーコストの高騰や穀物・飼料の価格高騰が一過性かどうかというと ころから見て、この景況感の判定は見方が甘いと思ってしまう」(ソシエテジ ェネラルアセットマネジメントの吉野晶雄チーフエコノミスト)とされた。

相対評価で下げ渋る

3日続落したとはいえ、日経平均のきょうの下落率は0.6%と先週末の米 ダウ(1.8%安)やナスダック総合指数(2.3%安)と比べて小さかった。「日 本はインフレ懸念が世界で唯一容認できる国で、それは5月の地域別海外投資 家動向で北米、欧州、アジア地域いずれの投資家もそろい踏みで買い越してい ることにも表れている」(丸和証の小林氏)。

野村証券はきょうから開始した「野村パンアジア・エクイティ・キャラバ ン」で、世界的にインフレ圧力や経済成長への下方圧力が継続する中、高エネ ルギー効率国である日本株は中期的にも主要国の株式市場をアウトパフォーム するとの予測を提示した。その上で、「エマージング・ディマンド」(注目銘 柄;東芝や日本製鋼所など)、「東京への人口流入」(同:ゴールドクレスト やJR東日本など)、「JGBポートフォリオへのヘッジ」(同:三菱UFJ など)という3つの投資視点から銘柄を選別している。

金融や不動産下げる

金融株や不動産株が安い。東証1部業種別下落率では保険がトップとなっ たほか、証券・商品先物取引、銀行、その他金融などもそろって上位となった。 三菱UFJフィナンシャル・グループは5月28日以来の1000円割れで、T& Dホールディングスや野村ホールディングスはともに5日連続安。保険をはじ めとする金融株は、「金融保証会社の格下げなど米金融機関で損失拡大の兆し が再び出ている」(住信アセットの中谷氏)ことや、国内景況感の厳しさが再 確認されたことも心理的にマイナスとなった。

また、不動産も下落率2位と下げがきつい。同じく信用不安による影響が 警戒されたほか、大京やダイア建設がマンションの完成在庫を最大10%程度値 下げする方針と22日付の日本経済新聞朝刊が報じ、販売価格低下による今期 業績への不安が高まった。三菱地所が3日続落となったほか、大京やダイア建 設なども安く、東証1部値下がり率上位にはゼファーやフージャースが並んだ。 「潜在的マンション購入者の所得は伸びていないし、長期金利も上がっている ので、ローンも組めない」と、ソシエテアセットの吉野氏は見ていた。

このほか個別に材料が出ている銘柄では、08年3-5月の単体純利益が前 年同期比56%減の西松屋チェーン、KBC証券が格下げした日本トムソンが急 落。ゴールドマン・サックス証券が構造問題は根深いとして、目標株価を引き 下げたハニーズは急反落した。

ディフェンシブや太陽電池関連は高い

半面、電気・ガスや食料品が高くなるなど、内外の景況感悪化を受けて景 気動向に左右されにくいディフェンシブ関連株が高い。中でも大阪府堺市で同 市臨海部のメガソーラー発電計画の推進について記者会見を行うと午前に発表 した関西電力、26日に株主総会を控えて株主還元期待が高まったJパワー(電 源開発)は上げが大きくなった。

太陽光発電の普及のため、経済産業省が補助金制度などを検討していると 各紙が報じ、アルバックや東京製綱、屋根材と一体となった太陽光発電システ ムを手掛ける三晃金属工業など太陽光関連銘柄も大幅高。ジーエス・ユアサ コーポレーション、古河電池など電池株も上げた。クレディ・スイス証券が格 上げしたオリンパス、生めん、業務用冷凍めん類・冷凍食品を値上げすると午 後に発表した東洋水産、半導体部品「LCDドライバー」の分野で共同出資会 社を設立するNECエレクトロニクスとエルピーダメモリもそれぞれ高い。

新興3市場は続落、特殊電極は高い

国内新興3市場はそろって3日続落。ジャスダック指数の終値は前週末比

0.24ポイント(0.4%)安の62.72、東証マザーズ指数は2.07ポイント (0.4%)安の595.09、大証ヘラクレス指数は16.52ポイント(1.7%)安の

973.59。個別銘柄では、今期業績予想を下方修正した陽光都市開発が値幅制限 いっぱいのストップ安。東証1部での不動産株安からダヴィンチ・アドバイザ ーズやアセット・マネジャーズなど不動産関連も下げた。今期営業利益が

3.5%減見込みのHuman21は8日続落。

半面、野村証券金融経済研究所が強い買いを確認したザッパラスが大幅高。 エヌ・ピー・シーやエス・イー・エスなど太陽電池関連も上げた。東邦ガスと 共同で、固体酸化物形燃料電池に使用されるインターコネクタおよびその製造 法で特許を出願したと20日に発表した特殊電極はストップ高。

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