不動産株が下落、マンション在庫の値下げ報道-値引き販売拡大を警戒

三菱地所など不動産関連株が軒並み下落。建 設資材の値上がりと土地の仕入れ価格上昇が利益を圧迫するなか、一部の不動産会 社がマンションの完成在庫物件を値下げするとの報道があり、価格引き下げ競争に よって収益が一段と悪化するとの不安が高まった。

丸和証券の小林重治・調査情報部長は「年収の5倍程度が手の届く範囲といわ れるが、それを大きく超える価格の物件が多く、不動産はバブルになっていた。マ ンション在庫は増加傾向にあり、値引き販売が広がりそうだ」とみている。野村証 券・金融経済研究所の福島大輔シニアアナリストも、一部のマンション会社は資金 繰りが悪化しており、「金融機関に資金を返済するため、値下げに踏み切る可能性 がある」との見方だ。

22日付の日本経済新聞は、大京、ダイア建設などがマンションの完成在庫物件 の値下げを始める方針を明らかにしたと伝えた。同紙によると、膨らむ在庫の早期 処分を目指すもので、値下げ幅は最大10%となる見通し。

価格を下げられず、在庫膨らむ

不動産業界では「現在販売している物件は1年半前に土地を仕入れている。建 材価格も上昇しており、マンションの販売価格は下げにくい」(不動産経済研究所・ 企画調査部の福田秋生部長)との見方が多い。こうしたマンション販売価格の高止 まりが完成在庫の増加をもたらしており、不動産経済研究所によると、5月の首都 圏のマンション在庫は1万482戸と、昨年12月以来、1万戸を上回る状態が続い ている。在庫はこの1年で54%増えた。

大京・広報部によると、同社の08年3月末の完成在庫は前の期末の2倍程度 に当たる約800戸。ベテランの販売員によるチームを構成し、完成在庫の削減を進 めている。値下げに踏み切るのは、完成在庫のうち1、2年以上過ぎた物件やモデ ルルームなどほんの一部という。

一方、ダイア建設は「一律に値下げすることはない」(同社・経営企画チーム・ 西条弘樹リーダー)と強調。三菱地所も「地方物件を増やしたため在庫は増えてい るが、一律の値下げは検討していない」(広報部・服部創一氏)と説明する。

三菱地所の終値は前週末比105円(4.0%)安の2510円、大京は同4円(2.1%) 安の185円でともに3日続落。TOPIX不動産指数は同38.42ポイント(2.8%) 安の1314.19と、東証33業種中で保険業に次いで下落率2位。

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