債券は大幅高、米債高や株安で-景況悪化受け5年は1.3%割れ(終了)

債券相場は大幅高(利回りは低下)。前週 末の米国市場で株安・債券高となった地合いを継続。4-6月期の法人企業景気 予測調査で景況感の悪化が示されたことも支援材料となり、円債市場は買い優勢 となった。先物中心限月は終値で134円を回復したほか、新発5年債利回りは一 時1.285%まで低下し、節目の1.3%を割り込んだ。

損保ジャパン・グローバル運用部債券運用第1グループリーダー、砺波政明 氏は、「海外金利動向が落ち着いてきたので買い戻しが入ってきた。朝方発表の 法人企業景気予測調査の数字も芳しくなく、来週の6月日銀短観(企業短期経済 観測調査)に向けて、景気の減速を織り込みつつある。短観でも業況判断の悪化 を織り込みに行っている状況」と述べた。

東京先物市場で中心限月9月物は、前週末比45銭高の133円95銭で寄り付 き、すぐに日中安値133円79銭をつけた。その後は、買い優勢の展開となり、 午前10時15分前後に134円25銭まで上昇、9日以来の高値をつけた。午後は、 高値圏でもみ合いとなり、50銭高の134円00銭で引けた。終値で134円台を回 復したのは9日以来。9月物の日中売買高は3兆806億円程度。

三菱UFJ証券シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏によると、「米株 安・債券高を受けて、国内株が弱く、円債は先週の買い戻しの流れを引き継ぎ、 上値を試す展開。午後は、今週、内外で材料があるので、高値圏でもみ合いとな った」という。

日経平均株価は3日続落。一時250円超の下落となり、前週末比84円61銭 安の1万3857円47銭で引けた。

新発10年債利回りは一時1.705%に低下

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前週末比4ベーシスポイン ト(bp)低い1.72%で取引開始。その後は徐々に水準を切り下げ、一時は5.5bp 低い1.705%まで低下。3日以来、約3週間ぶりの低水準をつけた。午後3時半 過ぎは、4.5bp低い1.715%で推移している。

中期債相場も堅調。新発5年債利回りは一時6.5bp低い1.285%と節目の

1.3%を割り込み、5日以来の低水準をつけた。午後3時半過ぎは6bp低い

1.29%で推移している。

リーマン・ブラザーズ証券チーフJGBストラテジストの山下周氏は、「先 週初めから中短期債が切り返してきた。国内では、過度の利上げ懸念が後退して きた流れが続いている」と語った。

あす2年債入札、クーポンは0.8%か0.9%

財務省はあす24日、2年債入札を実施する。表面利率(クーポン)は前回 5月29日入札の269回債と同じ0.9%か、0.1ポイント低い0.8%が見込まれる。 発行額は前回と同じ1兆7000億円程度。

山下氏は、「クーポンが0.8%になる可能性が高いが、相場は短いところか ら切り上がってきたので、それに歯止めがかかるかを見極める上で注目される。 直近では、米国の利上げ懸念は後退してきたと思う。海外に比べて、日銀のスタ ンスが景気後退に重きを置いていることが市場に伝わっている。2年債は0.8% 台半ばでも需要があるとみている」と説明した。

市場では、「無難な結果だろう。日本も早期利上げ懸念があったが、白川方 明日銀総裁会見で利上げ観測が後退していることが支援材料。ただ米連邦公開市 場委員会(FOMC)や消費者物価指数(CPI)といったイベントを控えてい ることが気になる」(長谷川氏)との声も聞かれた。

大企業・全産業の景況判断は3期連続悪化

財務省と内閣府が発表した4-6月期の法人企業景気予測調査によると、大 企業・全産業の景況判断BSIはマイナス15.2と1-3月期(マイナス9.3) に比べ5.9ポイント悪化し、3四半期連続の悪化となった。大企業・製造業はマ イナス15.1(1-3月期はマイナス12.9)、大企業・非製造業はマイナス15.3 (同マイナス7.2)だった。

ABNアムロ証券シニアエコノミストの西岡純子氏は、「来週発表の日銀短 観において、大企業・製造業DIが大幅低下となる可能性を強く示唆している」 と分析した。

ブルームバーグ・ニュース予測調査(中央値)では、6月日銀短観で景気が 「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた業況判断DIは、 大企業・製造業がプラス3、大企業・非製造業がプラス8と、いずれも今年3月 の前回調査の実績(プラス11、プラス12)から悪化が見込まれている。

--共同取材:宋泰允  Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 池田祐美 Yumi Ikeda +81-3-3201-2490 yikeda4@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Sandy Hendry +852-2977-6608 shendry@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE