JTが5日ぶり反発、「たばこ1箱1000円」織り込む-GS証「買い」

JT(日本たばこ産業)の株価が5営業日 ぶりに反発。たばこ税引き上げ議論が与野党間で活発化するなか、販売数量の減 少懸念から株価は下落してきたが、「1箱1000円」をすでに織り込んだとの見 方が一部アナリストから出たため、下値を拾う動きが優勢となった。午後2時 35分現在の株価は前週末比5000円(1.2%)高の43万3000円。

ゴールドマン・サックス証券の田中克典アナリストは23日付のリーポート で「増税議論は政策論議であり、現段階では議論の方向性が不透明であることは 否めない。そのため、株価の本格回復は、増税議論の方向性が明確になる年末ま で望めない可能性がある」との考えを示す。しかしその一方、「株価はすでに当 面の最悪シナリオを織り込んだと考えており、下値余地は限定的と考えている」 (田中氏)と分析、買い推奨を継続した。

与野党間で高まっている議論は、税率の高い諸外国にならって増税し、1箱 (20本)約300円のたばこ価格を3倍程度の1000円まで引き上げるというもの。 与野党の有力議員らが10日、超党派の「たばこと健康を考える議員連盟」を発 足。年末にかけての来年度税制改正の議論に合わせて考え方をまとめる予定。

GS証券では、妥当EV(企業価値)/EBITDA(利払い前・税引き 前・償却前利益)が10倍という前提のもとで、現状の株価が織り込んでいる来 期(2010年3月期)の国内たばこの販売数量減は34%と試算した。日本学術会 議は19日、「たばこと健康を考える議員連盟」の会合で「たばこ1箱1000円」 で販売数量は3割減少するとの試算を明らかにしており、「株価はすでに『1箱 1000円』のシナリオを織り込んだといえる」(田中氏)ようだ。

過去の株価推移を見ると、増税議論が本格的に持ち上がった6月以降に下落 傾向が顕著となった。この日の朝方に前週末比3.7%安の41万2000円まで下げ、 2006年7月以来、約2年ぶりの安値水準に落ち込んだ。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE