サッポロ市川常務:現状は達成困難、下期ばん回-ビール年間販売計画

ビール販売国内3位のサッポロビールが、 同4位のサントリーに猛烈な勢いで追撃され、苦しい状況に置かれている。4 月にビール系飲料(ビール、発泡酒、第3のビール)を値上げしたサッポロに 対し、サントリーは9月まで缶入りの値上げを先送りした。「万年4位」から の脱却を果たしたいサントリーをサッポロはどうかわすのか。

サッポロビールの市川淳一常務・経営戦略本部長はブルームバーグとのイ ンタビューで、現状では国内のビール系飲料の年間販売計画の達成は難しいと し、6月4日の発売以来、好調な第3のビール「麦とホップ」の販売をさらに 拡大するなどして下期にばん回する考えを示した。主なやりとりは以下の通り。

――――ビール系飲料の販売状況は。

「このままだと年間の販売計画、前期比1.7%減の6050万箱(1箱は大瓶 20本換算)の達成は厳しい。年間総需要は98%(前年比2%減)とみていた が、いまのところ96%(同4%減)になりそうだ」

「主力ビール『黒ラベル』が堅調。『麦とホップ』も好調で、年内300万 箱を目標にしているが、すでに100万箱を達成した。これからプレミアムビー ル『エビス』の中元需要も盛り上がってくる。一方で『ビアファイン』(糖質 を従来に比べて50%カットしたビール)が厳しい。後半、麦とホップでなんと かカバーしたい」

――――一般の商品値上げが相次ぐなか、割安な自主企画商品(PB)が好調 だ。ビール系飲料でPBの生産を引き受ける気はあるのか。

「PBは考えていない。昔に比べてPBのイメージが良くなっているのは 分かるが、それでもやはりビール系飲料となると販売は難しいのでは。サッポ ロブランドを貫く」

――――サントリーが追撃しており、4月以降、シェアが逆転しているようだ が。

「効率性の面からも一定の箱数は必要だが、何が何でも量、シェア重視で はやっていけない。われわれは収益を無視できない。上期、下期では条件も違 ってくるだろう。通年では負けることはないと思う」

――――原料高の影響は。今後どう吸収していくか。

「今期は30億円ほど原料高によるコスト上昇を見込んでいるが、実際ど うなるか分からない。上振れる可能性は否定できない。なかなかコスト削減の 余地もない。だからといって簡単に値上げするわけにもいかない」

――――キリンビールと北海道の一部で実施している共同配送のエリア拡大の 予定は。 今後、サントリーも加わるのか。

「キリンとの共同配送は順調で、北海道内のエリア拡大はめどが立ってい る。北海道以外での拡大もできるところはいずれやっていくことになるだろ う」

「サントリーの参加は歓迎する。ただ報道を通じて話は聞くだけで、実際 に正式な申し込みは受けていない。キリンとだけに限っているわけではない。 これからは環境や効率の面も含めて協力できるところは大手ビール4社が理想 だろう」

――――成長が見込みにくい国内ビール事業を今後、どう補っていくか。

「国内ビール市場は確実に縮小するため、将来展望は開けない。ビール製 造で培った発酵技術を利用した新エネルギー事業を第2の柱として考えている。 食品製造廃棄物をバイオ水素とバイオメタンガスに変えてエネルギーとして利 用するもので、次世代燃料として有望視されており、力を入れていく」

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