米利上げ見送り観測で103円までドル下落も-JPモルガン・佐々木氏

JPモルガン・チェース銀行為替資金本部 の佐々木融チーフFXストラテジストは23日、ブルームバーグ・テレビジョン とのインタビューで、米国の利上げが年内は見送られるとの観測が市場に浸透 した場合は、ドルが対円で1ドル=103円まで下落する可能性もあるとの見通し を示した。コメントの詳細は以下の通り。

米利上げ観測について:

「先週の頭ぐらいまでは、年内に3回で75ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%ポイント)ぐらいの利上げを織り込んでいたが、少し後退して、今 はだいたい年内に2回で25bpずつの利上げを織り込んでいるというような状 況にある」

24-25日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)について:

「政策金利が据え置かれることはほぼ確実だと思われるが、注目は声明の 内容になる。マーケットはインフレ懸念を強めるのではないかといった少しホ ーキッシュ(タカ派的)な内容を期待しているが、あまり内容に変化がないと みている」

「それほどホーキッシュにならず、それほど景気減速に対する警戒感を解 くというような形にはならないと思うので、市場は失望させられるのではない かと予想している」

米利上げ動向とドル相場について:

「通常ドルが米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げとの関連で動くと きというのは、利上げ期待が高まっていくときにドルが買われて、実際に利上 げを開始すると、ドルは下がる傾向にある」

「過去4回のFRBの利上げ開始時点をみてみると、利上げ前の20週間く らいはドルが上昇していて、利上げ開始あるいは1カ月前にピークを打って、 利上げ開始後の30週間くらいのところでドルは下落する傾向がある。今回も利 上げ前に上昇してきているところがあるので、実際に利上げ開始か利上げ開始 前のところでドルは下がる可能性があるのではないかとみている」

「また、フェデラルファンド(FF)金利先物12月限を見ると、年末まで の利上げ期待が高まるのと沿うかたちでドル・円相場は上昇してきている。こ の相関がこのまま続くとすると、年内の利上げが結局、25bpくらいに納まる との期待に後退してくると、ドル・円は105円まで落ちて、年内に利上げはな いという期待が高まってくると、103円まで落ちるという計算になる」

「JPモルガンは9月のFOMCで利上げして、そのまま1回だけという 予想で、個人的にもあって1回ではないかというふうに思っている」

「今後利上げ期待が後退するに従って、105円の方向にドルが下落していく か、実際には利上げが1回だったとしても、一時的に利上げなしの方向に期待 が後退する可能性もあるので、103円までの下落は見ておいた方がいいと思われ る」

米金融不安について:

「米国の金融システムに関しては、安定したと言うには程遠い状況にある とみており、まだこれからもマーケットの不安感が高まってくる可能性が残っ ている。7月には米国で銀行の決算発表が控えており、発表前に損失額が膨ら んだといった話が出てくると、マーケットが不安感を高めて、米国の株が下落 して、ドルが下落するというパターンが出てくるのではないかとみている」

「また、最初大手から始まって、徐々に地銀などに不安感が広がってくる という可能性があるため、地銀株の動きには今後も注目する必要がある」

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