債券は大幅高、景況感悪化や株続落で買い-10年債は一時1.705%(2)

債券相場は大幅高(利回りは低下)。前週 末の米国市場で株安・債券高となった地合いを引き継ぎ、日経平均株価が続落し、 円債市場は買い優勢となった。4-6月期の法人企業景気予測調査で、景況感の 悪化が確認されたことも支援材料となり、先物中心限月は134円台を回復。新発 10年債利回りは一時1.705%と、約3週間ぶりの水準まで低下した。

大和証券SMBCシニアJGBストラテジストの小野木啓子氏は、「米国債 に追随して堅調に始まった。その後は、現物市場で長期債に買いが入ったことに 加え、株価が下げているため、先物主導で値を上げた」と述べた。

東京先物市場で中心限月9月物は、前週末比45銭高の133円95銭で寄り付 き、いったんは133円79銭をつけた。その後は、徐々に水準を切り上げ、午前 10時15分前後には134円25銭まで上昇。134円台回復は18日以来。結局、59 銭高の134円9銭で引けた。9月物の午前売買高は1兆5946億円程度。

日経平均株価は続落。一時250円超の下落となった後、前週末比162円27 銭安の1万3779円81銭で午前の取引を終えた。

新発10年債利回りは一時1.705%に低下

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前週末比4ベーシスポイン ト(bp)低い1.72%で取引開始。その後は徐々に水準を切り下げ、一時は5.5bp 低い1.705%まで低下。3日以来の低い水準をつけた。結局は4.5bp低い

1.715%で午前の取引を終了。

中期債相場も堅調。新発2年債利回りは前日比2.5bp低い0.85%で引けた。 新発5年債利回りは5.5bp低い1.295%と、9日以来となる1.3%台割れ。

クレディ・スイス証券債券調査部アソシエイトの福永顕人氏は、「日経平均 株価が大幅下落したことで、買いが優勢となった。4月25日以降、金利上昇幅 が大きかったことが背景にある。日銀の利上げ観測が後退したことで、買い戻し の過程に入ったようだ」と指摘した。

財務省はあす24日、2年債入札を実施する。表面利率(クーポン)は前回 5月29日入札の269回債と同じ0.9%か、0.1ポイント低い0.8%が見込まれる。 発行額は前回と同じ1兆7000億円程度。

市場では、「クーポンが0.8%か0.9%になると予想されるが、いずれも水 準的には十分にリスクプレミアムが乗っている。無難に消化されると思う」(福 永氏)などの声も聞かれた。

大企業・全産業の景況判断は3期連続悪化

財務省と内閣府が発表した4-6月期の法人企業景気予測調査によると、大 企業・全産業の景況判断BSIはマイナス15.2と1-3月期(マイナス9.3) に比べ5.9ポイント悪化した。マイナスは2期連続で、2004年の調査開始以来、 最低水準。大企業・製造業はマイナス15.1(1-3月期はマイナス12.9)、大 企業・非製造業はマイナス15.3(同マイナス7.2)だった。

今週から来週にかけて、海外では、米連邦公開市場委員会(FOMC)、欧 州中央銀行(ECB)定例理事会、米雇用統計、国内では消費者物価指数(CP I)、鉱工業生産、日銀短観など、重要イベントが相次ぐ。

米国市場は金融不安で株安・債券高

20日の米国債相場は上昇。社債保有リスクが2カ月ぶりの高い水準に上昇 したことから、安全投資としての米国債に需要が集まった。一方、米株式相場は 反落。S&P500種株価指数やダウ工業株30種平均は約3カ月ぶりの安値を付 けた。

JPモルガン証券チーフエコノミストの菅野雅明氏は、今週のFOMCにつ いて、「今回は現状維持でほぼ間違いないと見られるが、焦点は声明文のニュア ンス」と指摘。「景気判断では、下方リスクがより大きいことは認めつつも、大 幅な景気後退入りの可能性が低下したことも指摘するとみられる。一方、物価判 断に関しては、期待インフレの上昇を阻止する米連邦準備制度理事会(FRB) の強い意志が示されそう。利上げを支持する委員が現れる可能性もある」という。

同証券では、ECBは7月利上げ、FRBは9月利上げ、英イングランド銀 行は8月利上げを予想している。

--共同取材:宋泰允  Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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