日本株:輸出中心に3日続落、景況感悪化やインフレ懸念-不動産急落

週明け午前の東京株式相場は3日続落と なり、日経平均株価は5月28日以来となる一時1万3600円台まで下げた。国 内外の景況感悪化や信用リスクの高まり、インフレへの懸念などからトヨタ自 動車やソニーなど輸出関連株、三菱UFJフィナンシャル・グループなど金融 株中心に幅広く売られた。三菱地所が4%超の下げとなるなど、マンション需 給の悪さを背景とした業績懸念から不動産の下げもきつい。

ソシエテジェネラルアセットマネジメントの吉野晶雄チーフエコノミスト は、「法人企業景気予測調査での今期利益計画は、本当にこの道筋をたどれる のか、そもそも論から疑問符が付く」と指摘した。同調査では、通期2%減益 (上期14%減益、下期10%増益)の見通しが示されており、吉野氏は「エネ ルギーコストの高騰や穀物・飼料の価格高騰が一過性かどうかというところか ら見て、この景況感の判定は見方が甘いと思ってしまう」という。

日経平均株価の午前終値は前週末比162円27銭(1.2%)安の1万3779 円81銭、TOPIXは15.60ポイント(1.2%)安の1341.14。東証1部の売 買高は概算で8億3463万株、売買代金は8584億円。値上がり銘柄数405に対 し、値下がり銘柄数は1224。東証1部業種別33指数は電気・ガスと食料品を 除く31業種が安い。保険、不動産、ゴム製品、卸売、輸送用機器などの下落 率が拡大した。

米ダウ指数の下値恐怖

景況感悪化や信用不安、インフレ懸念があらためて売り材料視された。先 週末の米国では、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が燃料高を理由 にゼネラル・モーターズ(GM)など格下げ方向で見直すと発表。UBSのア ナリストは20日付のリポートで、米銀大手シティグループの4-6月(第2 四半期)決算は赤字になるとの見方を示した。

米ダウ工業株30種平均は、信用不安の高まった3月10日安値(1万1740 ドル)水準まであと100ドル余りへ接近。米ダウ指数は3月安値後の上げ幅の 92%、S&P500種株価指数は同67%を失った。丸和証券の小林治重調査情報 部長は、「市場には米ダウ工業株30種平均がもう少しで3月安値を割り込む という恐怖感がある。3月にあった信用不安と景気減速の再燃だけでなく、今 回は原油高によるインフレ懸念も加わっている」と話している。

一方、国内では7月1日公表予定の企業短期経済観測調査を占う点で注目 された4-6月期法人企業景気予測調査で、大企業・全産業の景況判断BSI がマイナス15.2と、1-3月期(マイナス9.3)に比べ5.9ポイント悪化した。 全産業の設備投資(金融・保険業含む)は08年度に前年度比0.9%減少する見 通しで、企業の設備投資姿勢は消極化していることを確認した。「悪化は予想 されていたとはいえ、予想を下回ったことはマイナス要因となっている」(立 花証券の平野憲一執行役員)という。

日本株の相対評価が下支え

もっとも、先週に短期的な売買コストを示すサポートラインの25日線を 割り込んだ日経平均は、一時274円安の1万3667円まで下げたものの、取引 終了にかけては急速に下げ渋った。市場では、「日本株は海外株に比べると相 対的に下げが限定され、日経平均は75日線(1万3514円)前後までの調整で とどまるのではないか」(丸和証の小林氏)と、底堅さを予測する見方が多い。

野村証券はきょうから開始した「野村パンアジア・エクイティ・キャラバ ン」で、世界的にインフレ圧力や経済成長への下方圧力が継続する中、高エネ ルギー効率国である日本株は中期的にも主要国の株式市場をアウトパフォーム するとの予測を提示した。その上で、「エマージング・ディマンド」(注目銘 柄;東芝や日本製鋼所など)、「東京への人口流入」(同:ゴールドクレスト やJR東日本など)、「JGBポートフォリオへのヘッジ」(同:三菱UFJ など)という3つの投資視点から銘柄を選別している。

不動産など住宅関連の下げきつい

幅広い業種が下げる中で、不動産株の下げがきつくなった。不動産株指数 は先週末比3.5%安で、東証1部の業種別下落率で2位。22日付の日本経済新 聞朝刊は、大京やダイア建設がマンションの完成在庫を最大10%程度値下げす る方針と報じ、販売価格低下による今期業績への不安が高まった。「潜在的マ ンション購入者の所得は伸びていないし、長期金利も上がっているので、ロー ンも組めない」と、ソシエテアセットの吉野氏は見ていた。

三菱地所や住友不動産が3日続落し、大京や長谷工コーポレーションも下 げた。東証1部値下がり率上位にはゼファーやランドなどが並んだ。積水ハウ スや大東建託などの建設株、住友林業なども安い。

西松屋チェが値下がり1位、アルバック大幅高

個別では、08年3-5月の単体純利益が前年同期比56%減の西松屋チェ ーンが急落し、東証1部の下落率1位。KBC証券が格下げした日本トムソン、 早期退職募集で特別損失を計上する見通しとなった福田組、ドイツ証券が目標 株価を引き下げた日本板硝子なども売られた。ゴールドマン・サックス証券が 構造問題は根深いとして、目標株価を引き下げたハニーズは急反落。

半面、太陽光発電の普及のため、経済産業省が補助金制度などを検討して いると各紙が報じたことで、アルバックや東京製綱など太陽光関連銘柄が大幅 高。ジーエス・ユアサ コーポレーション、古河電池など電池株も上げた。ク レディ・スイス証券が格上げしたオリンパス、半導体部品「LCDドライバ ー」の分野で共同出資会社を設立するNECエレクトロニクスとエルピーダメ モリもそれぞれ高い。

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