東京外為:ドルの上値が重い、米景気懸念で戻り売り優勢-107円台前半

午前の東京外国為替市場では、ドルの上値 が重い展開。米国の金融機関の業績不安や景気の低迷長期化懸念がくすぶるな か、ドルの戻り売りが優勢で、ドル・円は1ドル=107円台半ばから前半まで値 を切り下げている。ただ、あすから始まる米連邦公開市場委員会(FOMC) では利下げ休止が見込まれており、一方的にドルを売り込むのも難しい状況だ。

新生銀行キャピタルマーケッツ部の政井貴子部長は、FOMCについて、 米国ではサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンの問題も残ってお り、積極的に金利を上げていくということは非常に考えにくいと指摘。「その なかで、どれだけほかの通貨とのバランスを保ちながら、金利を動かさないと のニュアンスを上手に出せるか」が焦点になるとしている。

ドル・円は早朝に一時、1ドル=107円11銭(ブルームバーグ・データ参 照、以下同じ)と12日以来の安値までドルが下落。いったん107円53銭まで 値を戻す場面もみられたが、戻り売り意欲が強く、その後はじりじりと値を切 り下げている。

米国株が3カ月ぶり安値

フェデラルファンド(FF)金利先物相場の動向によると、24、25日のF OMC会合でFF金利誘導目標が2%で据え置かれる確率は90%となっている。 1週間前は利上げの確率が2割強となっていたが、米国の金融不安や景気後退 懸念がくすぶるなか、足元で利上げ確率は1割まで低下。8月の会合で利上げ される確率も4割弱と、1週間前の6割強から落ち込んでいる。

20日の米国市場では、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が燃料 高を理由に米自動車大手3社の格下げ方向で見直すと発表したことや金融機関 の業績に対する不安から、株式相場が反落。S&P500種株価指数やダウ工業株 30種平均は約3カ月ぶりの安値を付けた。

こうしたなか、外国為替市場ではドルが上値の重い展開となり、ユーロ・ ドルは前週末に一時、1ユーロ=1.5651ドルと10日以来の水準までユーロ高・ ドル安が進行。週明けの取引でも1.56ドル台前半でユーロが底堅い展開となっ ている。

政井氏は、ユーロ圏では先週末にユーロ高を認めるような発言がユンケ ル・ルクセンブルク首相兼財務相から出ている一方、株価が軟調な米国ではそ れほど金利は上げられないとの疑念があると指摘。ユーロ・ドルには、金融政 策の「ベクトルの方向とそのベクトルの信頼性の強さに差が出ている」と語る。

原油相場の先高観変わらず

サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は22日、同国のジッダで開かれ た主要産油国と消費国の会合で、サウジは7月に20万バレル増産し日量970万 バレルとする計画を発表。また、2009年末までにサウジの生産能力を日量1250 万ドルに引き上げ、その後も必要ならば1500万バレルまで上げる可能性がある ことを明らかにした。

サウジアラビアが増産方針を示したことや、ナイジェリアの武装勢力が石 油パイプラインや輸送船への攻撃を取りやめる停戦声明を出したのを受け、ニ ューヨーク原油先物相場はアジア時間週明け23日の時間外取引で売り先行で始 まったものの、その後、反発。原油先物(8月限)は前週末比0.8%安の1バレ ル=134.31ドルまで下げた後、135ドル台へ戻している。

シティバンク銀行個人金融部門リテール・プロダクト本部為替市場調査の 尾河真樹シニアマーケットアナリストは、「原油の増産に関しては、協調とい うかたちには至らなかったということで、どちらかというとネガティブに捉え られる可能性があり、原油相場の下落につながるとは考えにくい」と語る。

また、カリヨン銀の政井氏は、原油相場について、「ユーロ・ドルと一緒 で、チャートをみる限り底堅い感じがする」とし、原油相場が再び上昇し始め れば、ユーロもつれて上昇するとみている。

--共同取材:三浦和美 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Hidenori Yamanaka

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 小宮 弘子 Hiroko Komiya

+81-3-3201-2371 hkomiya1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo

+81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 香港 Sandy Hendry

+852-2977-6608 shendry@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE