法人景気予測:大企業の業況判断が3期連続悪化-過去最低更新(3)

4-6月期の国内大企業の景気判断は、全 産業ベースで3四半期連続の悪化となり、前期(1-3月期)に続き過去最低 を更新した。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に端を 発した米国経済の減速に加え、エネルギー・原材料価格の高騰の影響で企業の 収益環境が厳しさを増す中、景況感の悪化に一段と拍車が掛かっている。

財務省と内閣府が23日発表した4-6月期の法人企業景気予測調査による と、大企業・全産業の景況判断BSIはマイナス15.2と前期(マイナス9.3) 比5.9ポイント悪化した。マイナスは2期連続で、製造業、非製造業を問わず、 2004年の調査開始以来の最低を更新した。一方、先行きは7-9月期(3.7)、 10-12月期(5.7)ともにプラスを見込んでおり、大企業は年後半の景気回復シ ナリオを描いているもようだ。

同調査は日銀が7月1日に発表する企業短期経済観測調査(日銀短観、6 月調査)を占う上での参考指標となり、6月短観でも景況感が全般に悪化する 公算が大きい。政府は今月16日発表した6月の月例経済報告で、景気の基調判 断について、前月までの「景気回復は足踏み状態にある」の後に、「このところ 一部に弱い動きがみられる」との文言を加え、3カ月ぶりに下方修正した。

三井住友アセットマネジメントの武藤弘明シニアエコノミストは発表後の リポートで、「6月短観DIが大幅に下落するであろうコンセンサスが形成され ていたが、今回調査は駄目を押した」とした上で、「交易条件の悪化によって企 業の景況判断が大きく悪化し、企業収益も減少していることから、景気後退と 言ってよい」との見方を示した。

統計発表後のドル円相場は小動きで、午後3時15分現在、1ドル=107円 45銭近辺で推移。日経平均株価は前週末比84円61銭(0.6%)安の1万3857 円47銭と続落して終了した。

中堅企業、中小企業も過去最低更新

景況判断BSIは、前期と比べた景況を「上昇」「不変」「下降」「不明」と して企業が回答、「上昇」から「下降」を引いた企業数が全体に占める比率で、 景気の方向感を示す。4-6月期の調査結果によると、大企業・製造業はマイ ナス15.1(1-3月期はマイナス12.9)、大企業・非製造業はマイナス15.3(同 マイナス7.2)。中堅企業・全産業はマイナス18.1(同マイナス14.1)、中小企 業・全産業はマイナス36.5(同マイナス30.4)といずれも過去最低を更新した。

景況判断の決定要因としては、国内需要のほか、仕入れ価格や販売価格の 動向などが大きな比重を占めており、原材料の高騰に伴うコスト高を販売価格 に十分に転嫁できない状況がうかがえる。

業種別にみると、原材料コスト上昇や円高に伴う為替差損の影響を受けて、 一般機器製造業や自動車・同付属品製造業、精密機械器具製造業などの景況判 断が低下。非製造業では、改正建築基準法による住宅着工の減少や建設資材の 上昇を反映した建設業をはじめ、情報通信、卸売業などの低下も目立った。

また、全産業の設備投資(金融・保険業含む)は08年度に前年度比0.9% 減少する見通し(前回調査は9.4%減)。経常利益は同2.0%減の見通し(同6.0% 増)となっている。売上高は全産業で同0.6%の増収(同1.4%増)を見込んで いる。

法人企業景気予測調査は、資本金1000万円以上の企業を対象に年4回実施 している。今回の回答企業数は1万1746社で、回収率は78.4%。調査時点は5 月25日。

-- Editor: Masaru Aoki,Hitoshi Ozawa

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