インド:93年以来の大幅な通貨安-インフレ加速で投資資金が流出

インド準備銀行(中央銀行)は今月11日、 1年3カ月ぶりに政策金利を引き上げたが、ルピー相場にとってはあまりにも 小幅で遅過ぎる利上げとなったようだ。

過去2年間にわたりインドへの投資を積極化してきた資産運用会社のピク テ・アセット・マネジメントやアバディーン・アセット・マネジメントは、ル ピー建て資産を売り遅れており、インフレ加速に伴う景気悪化を防ぐには11日 の0.25ポイントの利上げだけでは不十分だとの見方を示している。インフレ率 は現在、1995年以来の高水準にある。

ルピーに回復の兆しは見られない。4-6月期これまでの対ドル相場の騰 落率はマイナス6.5%と、アジア通貨のなかで最低。為替売買で世界2位の銀行、 スイスのUBSは、こうした状況を踏まえ、従来のルピー見通しを下方修正し た。

ピクテのアジア債券担当責任者ウィーミン・ティン氏は、インド中銀には 「投資家信頼感を回復させるための追加的な措置が必要だ」と指摘。「われわれ は投資対象をルピーからルピー以外の通貨に変える意向だ」と語った。

原油や食料価格の上昇を背景に、6月第1週の卸売価格指数は11.5%上昇 と、13年ぶりの高い伸びを記録した。世界銀行の推定によると、インドでは人 口11億人の約半分が1日当たり2ドル未満での生活を強いられており、インフ レ加速は購買力の低下につながっている。

インフレを過小評価

こうした状況がルピー安を加速させ、輸入物価の上昇や投資資金の国外逃 避、国際収支のさらなる悪化を招いた。インド証券取引委員会(SEBI)の 統計によると、外国のファンドマネジャーは昨年、インド株・債券を195億ド ル買い越したものの、今年これまでは53億ドル売り越している。

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスは、来年のインドの経常赤字は 対国内総生産(GDP)比が3%と、2008年の1.4%から拡大し、国際収支危 機に陥った1991年と同水準に達する可能性があるとみている。当時、ルピーは 3年間で42%下落した。

インド政府が年初から15週間にわたり、インフレ率見通しを毎週平均0.8 ポイントずつ上方修正したものの、レディ中銀総裁は今月まで1年以上にわた り利上げを見送ってきた。

ルピーの対ドル相場は、利上げが実施された11日に上昇したものの再び下 落に転じ、先週は1ドル=42.925ルピーで取引を終えた。年初からの騰落率は マイナス8.3%と、同マイナス8.75%となった93年以来最悪の滑り出しとなっ ている。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)通貨のなかで騰落率 がマイナスなのは、ルピーだけ。

-- Editor: Sam Nagarajan, Sandy Hendry

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