日本株:輸出中心に下値模索、米3月安値割れへの恐怖-不動産は急落

午前の東京株式相場は下値模索の展開と なっており、一時250円以上下げた日経平均株価は5月28日以来、1万3600 円台に入った。国内外の景況感悪化や信用リスクの高まりなどから、トヨタ自 動車やソニーなど輸出関連株、みずほフィナンシャルグループなど金融株中心 に幅広く下落。マンション需給の悪さを背景とした業績懸念の高まりで、三菱 不動産など不動産は、東証1部の業種別下落率で1位となっている。

丸和証券の小林治重調査情報部長は、「市場には米ダウ工業株30種平均 がもう少しで3月安値を割り込むという恐怖感がある。3月にあった信用不安 と景気減速の再燃だけでなく、今回は原油高によるインフレ懸念も加わってい る」と指摘した。欧州やアジアの利上げ観測や投機資金への規制という動きを から、「原油価格はいずれ落ち着きそうだが、それが目に見えてこないと株価 も落ち着きが出ない」と、同氏は見ている。

午前10時4分時点の日経平均株価は前日比266円31銭(1.9%)安の1 万3675円77銭、TOPIXは25.89ポイント(1.9%)安の1330.85。東証1 部の売買高は概算で5億1417万株。値上がり銘柄数238に対し、値下がり銘 柄数は1390。東証1部業種別33指数はすべて安く、不動産、保険、ゴム製品、 卸売、輸送用機器などの下落率が大きくなっている。

日経平均は75日線を意識

先週の米国株市場では個人消費や信用リスクに対する不安が再び高まり、 米ダウ工業株30種平均が約3カ月ぶりの安値を付けた。さらに取引開始前に 発表された国内の4-6月期法人企業景気予測調査では、大企業・全産業の景 況判断BSIがマイナス15.2と、1-3月期(マイナス9.3)に比べ5.9ポイ ント悪化した。海外や国内の景況感悪化から、輸出関連株や金融株中心に売り 圧力が高まっている。立花証券の平野憲一執行役員は、「今週の日経平均は25 日線(1万4118円)と75日線(1万3514円)との間で、もみ合う展開」を 予想している。

このほか、22日付の日本経済新聞朝刊は、大京やダイア建設がマンション の完成在庫を最大10%程度値下げする方針と報じた。販売価格低下による今期 業績への不安から、三菱地所や三井不動産など不動産株は下げが拡大。大京や 長谷工コーポレーションも安く、東証1部値下がり率上位にはランドやゼファ ーなどが並ぶ。積水ハウスや大東建託などの建設株、住友林業なども安い。

野村証が「アジアキャラバン」

なお、野村証券はきょうから「野村パンアジア・エクイティ・キャラバ ン」を開始した。同証券では、世界的なインフレ圧力やそれに伴う世界経済の 成長に対する下方圧力が継続する公算が大きくなっているとし、その中で高エ ネルギー効率国である日本株は中期的にも主要国の株式市場をアウトパフォー ムすると予想。その上で、「エマージング・ディマンド」(注目銘柄;東芝や 日本製鋼所など)、「東京への人口流入」(同:ゴールドクレストやJR東日 本など)、「JGBポートフォリオへのヘッジ」(同:三菱UFJなど)とい う3つの投資視点から銘柄を選別している。

西松屋チェが急落、ゲオは急反発

個別では、08年3-5月の単体純利益が前年同期比56%減の西松屋チェ ーンが急落。ドイツ証券が目標株価を引き下げた日本板硝子は3日続落。連結 業績予想を下方修正した大和ハウス工業は、4月以来の1000円割れとなった。

半面、今期業績予想を上方修正したゲオは急反発。クレディ・スイス証券 が格上げしたオリンパス、半導体部品「LCDドライバー」の分野でエルピー ダメモリと共同出資会社を設立するNECエレクトロニクスは高い。ジーエ ス・ユアサ コーポレーションなど電池関連の一角も高い。

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