米国債にますます弱気の日本やアジアの投資家-欧州債の方が魅力的

米国債の28%を保有するアジアの投資家が 相場にますます弱気になっている。インフレが鈍化する兆しを見せず、米金融当 局には利上げの準備が整っていないからだ。

韓国の年金基金はインフレを考慮すると、米国債利回りは「低過ぎる」と指 摘。みずほ投信投資顧問はユーロ建て債券の購入を増やす計画で、「グローバル・ ソブリン・オープン(グロソブ)」を運用する国際投信投資顧問も米国債投資を 減らす一方、過去最高規模の欧州債を保有している。

韓国の国民年金基金の運用責任者、クワ・デハン氏(ソウル在勤)は「欧州 は利下げを回避し、かなり良い状況を保っているが、米国は大胆に利下げした。 現在のインフレに対応する上で、欧州の方が良い位置にある」と語る。同基金は 約140億ドル相当の米国債を保有している。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の中央値によれば、 消費者物価指数(CPI)の上昇率見通しは今年、米国が3.8%に対し、ユー ロ圏は2.8%。米10年国債利回りは現在、この予想インフレ率とほぼ同水準。 過去10年はインフレ率を平均2.03ポイント上回っていた。ドイツでは10年 国債利回りが現在、インフレ率を1.52ポイント上回っている。

米10年国債は利回りが今月13日に昨年12月以来の高水準である4.27% に達したが、先週は9月までの米利上げを織り込む動きが後退し、弱気相場の流 れがいったん中断。利回りは9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下 げて4.16%となった。ドイツの10年国債利回りは1bp低下の4.62%で、 米国債を0.46ポイント上回っている。

取引可能な米国債のほぼ半分を保有する外国人投資家の需要が減退すれば、 価格が下がり、相場低迷の度合いが高まる可能性がある。メリルリンチの指数に よれば、米国債相場は3月以降マイナス3.1%と、1980年7-9月のマイナス

5.06%以来で最悪となっている。

ECBに対する信認

アジアの投資家による欧州債購入は欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁 に対する信認の表れとも言える。同中銀が政策金利を6年ぶり高水準の4%で据 え置くなか、米連邦公開市場委員会(FOMC)は昨年9月以降、フェデラルフ ァンド(FF)金利の誘導目標を5.25%から2%に引き下げた。ブルームバー グ・ニュース実施のエコノミスト調査では、87人全員が今月24、25両日開催 されるFOMCでの金利据え置きを予想している。

みずほ投信投資顧問の中村博正氏は欧州10年国債の利回りが年末までに約

3.9%へ低下すると予想。この予想が正しければ、同国債をきょう購入すれば運 用成績はプラス8.1%になる計算だ(ブルームバーグ調べ)。エコノミスト調査 によれば、米国債利回りは4%への低下が予想され、プラス3.5%の成績しか 見込めないことになる。

米財務省によれば、日本人投資家は米債保有を4月に5922億ドルへ減らし た。2004年には過去最高の6994億ドルを保有していた。国際投信投資顧問の グロソブも3月に米債保有を過去最低の20%に低下させた。ユーロ圏の国債保 有割合は44%で、ユーロ高と債券価格上昇を背景に購入を継続しているという。

グロソブの運用担当チームで責任者を務める堀井正孝氏は、同社としては米 利上げを見込んでいないものの、市場がそれを織り込んだため、一時的にドルを 支援していると指摘。ただ、このポジションが解消されれば、対ドルでユーロが 上昇するだろうと予想した。

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