東京外為:ドルが売り買い交錯、金融不安くすぶり上値重い-107円前半

朝方の東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=107円台前半から半ばで売り買いが交錯。早朝の取引ではサウジア ラビアの原油増産方針などを受け、ドルの買い戻しが先行したものの、米国の 金融機関の業績不安や景気の低迷長期化懸念がくすぶるなか、ドルの上値では 戻り売りが優勢となっている。

一方、あすから始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げ休止 が見込まれており、一方的にドルも売り込みにくく、日中は原油相場や前週末 の米国株安を受けた日本株・アジア株の動向をにらみながらの展開が見込まれ ている。

シティバンク銀行個人金融部門リテール・プロダクト本部為替市場調査の 尾河真樹シニアマーケットアナリストは、金融不安が再燃するなか、前週末は 米国株が下落し、ドルに対してマイナス要因が多かったと指摘する。ただ、米 国がドル安警戒スタンスを明らかにしていることから、あまり大きくドルを売 り込むことも難しいといい、「FOMCの結果が判明するまでは106円台半ば から108円くらいといったレンジ内での値動きにとどまる可能性がある」とみ ている。

早朝の取引ではドル・円相場が1ドル=107円11銭(ブルームバーグ・デ ータ参照、以下同じ)と12日以来のドル安値をつけた後、107円53銭までドル の買い戻しが進んだが、その後は戻り売りに上値を抑えられる展開となってい る。

ユーロ・ドルも一時、1ユーロ=1.5600ドルを割り込んだが、その後は1.56 ドル前半でのもみ合いに転じている。

一方、ユーロ・円は前週末に1ユーロ=168円13銭と昨年7月以来、約11 カ月ぶりユーロ高値を記録したが、週明け早朝の取引でも167円台半ばから後 半でユーロが底堅く推移している。

米国株が3カ月ぶり安値

20日の米株式相場は反落。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が 燃料高を理由に米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モ ーター、クライスラーを格下げ方向で見直すと発表したことが嫌気され、S& P500種株価指数やダウ工業株30種平均は約3カ月ぶりの安値を付けた。

また、UBSがシティの4―6月(第2四半期)決算は赤字になるとの見 方を示したため、シティ株を中心に売りが膨らみ、金融株指数は5年ぶりの低 水準となった。米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスは米住宅金融のフ ァニーメイ(米連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社) が住宅市場の悪化に伴い、4-6月(第2四半期)にさらに損失を計上すると の見方を示し、メリルリンチは地方銀の株に対し「立ち直り不可能な状況」と 述べた。

フェデラルファンド(FF)金利先物相場の動向によると、24、25日のF OMC会合でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標が2%で据え置かれる 確率は90%となっている。1週間前は利上げの確率が2割強となっていたが、 米国の金融不安や景気後退懸念がくすぶるなか、利上げの確率は1割まで低下。 8月の会合で利上げされる確率も4割弱と、1週間前の6割強から低下してい る。

尾河氏は、FOMCについては、去年からの利下げ効果と税還付の影響を 確認したいということで、今回は政策金利の据え置きが見込まれており、サプ ライズはないと予想。問題は声明文で、「グローバルにインフレ警戒的になっ ているなかで、声明文が市場の期待通りにある程度インフレに軸足を置いた内 容になるかが注目」と指摘する。

原油相場

サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は22日、同国のジッダで開かれ た主要産油国と消費国の会合で、サウジは7月の増産後も、原油市場が必要と すれば一段の供給拡大を実施する可能性があると語った。原油相場が16日にバ レル当たり139.89ドルと最高値を更新したのを受け、サウジは7月に20万バ レル増産し日量970万バレルとする計画を発表。また、ヌアイミ石油相は、2009 年末までにサウジの生産能力を日量1250万ドルに引き上げ、その後も必要なら ば1500万バレルまで上げる可能性があると述べた。

一方、石油輸出国機構(OPEC)のヘリル議長は原油高騰を引き起こし たのは供給不足ではなく、投機家とサブプライムローン(信用力の低い個人向 け住宅融資)危機、地政学によるものだと指摘し、供給不足が原因だとする消 費国側に反論した。また、サウジのアブドラ国王やクウェートのオレイム電力・ 水資源相兼石油相ら産油国の閣僚も、原油市場への投機抑制に向け規制の強化 を求めた。

サウジアラビアが増産方針を示したことや、ナイジェリアの武装勢力が石 油パイプラインや輸送船への攻撃を取りやめる停戦声明を出したのを受け、ニ ューヨーク原油先物相場は、アジア時間週明け23日の時間外取引で売りが先行。 原油先物(8月限)は一時、前週末比0.8%安の1バレル=134.31ドルまで下 落する場面も見られた。

もっとも、ただ、原油増産の是非に関しては、リビア、アルジェリア、イ ラン、ベエズエラ、カタールが反対するなど、OPEC内でも意見が分かれて おり、原油相場の高騰に歯止めが掛かるかは不透明。実際、へリル議長は今回 の会合後に「石油価格が下落するとは思えない」と述べており、原油相場は不 安定な展開が続きそうだ。

--共同取材:三浦和美 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Hidenori Yamanaka

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