債券はもみ合いか、米株安・債券高で買い先行-入札控え上値重い(2)

債券相場はもみ合いが予想される。前週末 の米国市場では、住宅・信用市場の不透明感を背景に、米国株が反落し、債券相 場は上昇した。こうした地合いを受けて、円債市場は買いが先行する見通し。も っとも、あす24日に2年債入札を控えており、買い一巡後は伸び悩みそうだ。

UBS証券チーフストラテジストの道家映二氏は、「先週末の海外市場では、 金融不安が広がり、ダウ平均株価が終値で約3カ月ぶりに1万2000ドル台を割 り込んだ。供給懸念にもかかわらず、米国債相場は堅調だった」と指摘、買い先 行後は、もみ合い推移を予想している。

東京先物市場の中心限月9月物は、前週末の通常取引終値133円50銭を上 回って始まった後、日中は133円40銭から133円80銭程度のレンジで推移しそ うだ。20日のロンドン市場で9月物は、前週末の東京終値から43銭高の133円 93銭で引けた。清算値は133円91銭。

日興シティグループ証券チーフストラテジストの佐野一彦氏によると、「先 週末の米国市場の株安・債券高を受け、きょうの相場は堅調に始まる見込み。た だ、その後は伸び悩みそうだ」という。

今週から来週にかけて、海外では、米連邦公開市場委員会(FOMC)、欧 州中央銀行(ECB)定例理事会、米雇用統計など、国内では、法人企業景気予 測調査、消費者物価指数(CPI)、鉱工業生産、日銀短観(企業短期経済観測 調査)など、重要イベントが相次ぐ。このため、「上値では戻り売りが膨らも う」(道家氏)とみられている。

20日の先物相場は反発。朝方は米国債相場の下落を受けて売りが先行した が、日経平均株価が下落に転じて、節目の1万4000円を割り込むと、先物市場 を中心に買いが優勢になり、現物債には押し目買いが入った。先物中心限月9月 物は、前日比27銭高い133円50銭で引けた。9月物の日中売買高は3兆6870 億円程度。

新発10年債利回りは1.7%台半ばから前半か

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前週末の終値1.76%を若干 下回って始まり、日中ベースでは1.7%台半ばから前半での取引が見込まれる。

みずほインベスターズ証券マーケットアナリストの井上明彦氏は、あすの2 年債入札について、「前回と同じ0.9%クーポン(表面利率)が見込まれる。3 月末以降、国債入札がイベントリスクとして意識されており、テール(最低と平 均落札価格の差)狙いの応札が増えている」と説明している。

日本相互証券によると、20日の現物債市場で新発10年物の293回債利回り は、前日比1.5ベーシスポイント(bp)高い1.795%で取引を開始した。その後 は水準を切り下げる展開で、一時は4bp低い1.74%まで低下し、9日以来の低 水準となった。午後に入ると利回りの低下幅を縮め、結局、2bp低い1.76%で 引けた。

一方、10年物国債の293回債利回りは、東京時間の前週末午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各社 の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると1.755%だ った。

米国市場は株安・債券高、金融不安で

20日の米国債相場は、上昇。週間ベースでは先週に続き上昇した。トレー ダーの間では9月前の米利上げ観測が後退した。金融市場には再び圧力がかかっ ている兆しがみられる。

社債保有リスクが2カ月ぶりの高い水準に上昇したことから、安全投資とし ての米国債に需要が集まった。米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスは米 住宅金融のファニーメイ(米連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸 付抵当公社)が住宅市場の悪化に伴い、4-6月(第2四半期)にさらに損失を 計上するとの見方を示したほか、メリルリンチは地方銀の株に対し、「立ち直り 不可能な状況」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、2年債利回りは前日比5bp 低下して2.88%付近。10年債利回りは5bp下げて4.16%付近。

一方、米株式相場は反落。S&P500種株価指数やダウ工業株30種平均は 約3カ月ぶりの安値を付けた。中東情勢の緊迫を受けて原油相場が上昇したため、 消費関連株を中心に売りが出た。電子機器の需要が弱まるとのアナリストの見方 を背景にテクノロジー株も安い。

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