6月20日の海外株式・債券・為替市場

○米国株:反落。S&P500種株価指数やダウ工業株30種平均は約3カ月ぶ りの安値を付けた。中東情勢の緊迫を受けて原油相場が上昇したため、消費 関連株を中心に売りが出た。電子機器の需要が弱まるとのアナリストの見方 を背景にテクノロジー株も安い。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が燃料高を理由にゼネラル・ モーターズ(GM)やフォード・モーターを格下げ方向で見直すと発表すると、 主な株価指数は下げ足を速めた。GM株は1982年以来の安値。フラッシュメ モリー(電気的に一括消去・再書き込み可能な読み出しメモリー)カード最大 手、サンディスクは8カ月ぶりの大幅安。シティグループが海外需要の鈍化を 理由に業績が市場予想を下回るとの見方を示したことが売りを誘った。

UBSがシティの4―6月(第2四半期)決算は赤字になるとの見方を示 したため、シティ株を中心に売りが膨らみ、金融株指数は5年ぶりの低水準。

欧州とアジアでも株価が下落、MSCI新興市場指数は3日連続で下げた。 イスラエルが攻撃した場合、イランが報復に出るとの懸念が重しとなった。S &P500種は週間ベースで3週連続で下落した。

ボストン・アドバイザーズの運用担当者、ジェームズ・ガウル氏は「景気 に対する信頼感が引き続き弱まっている。上昇して年を終えるとの見方は恐ら くなくなるだろう」と述べた。

S&P500種株価指数は前日比24.90ポイント(1.9%)下げて

1317.93。ダウ工業株30種平均は220.40ドル(1.8%)安の11842.69ド ルとなった。ナスダック総合株価指数は55.97ポイント(2.3%)下落して

2406.09で終了した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は1対 6。

週間での下げ

S&P500種は今週、3.1%下落。年初からの下げは10%を超えた。金融 機関が計上した評価損総額が4000億ドルに近づく中、金融株指数が年初から 24%安と下げの中心になっている。ダウ平均は週間ベースで3.8%安、ナスダ ックは2%下げた。

NYSEの売買高概算は20億株を超え、3月20日以来で最大。20日は 株価指数と個別株の先物およびオプションの期日が重なる「クアドループル・ ウィッチング」だったことが大商いにつながった。

20日の通常取引終了後に四半期に1度のS&P500種株価指数のリバラ ンス(見直し)が控えていることも商いを活発にした。同指数に連動したファ ンドは構成銘柄の調整に併せて株式を売買する。

GM、フォード

GMは6.8%安と、ダウ平均の構成銘柄で下落率首位。ダウ平均の構成銘 柄は30種中、29銘柄が下げた。フォードは8.1%安。S&PはGMとフォー ドに加え、クライスラーの信用格付けをいずれも格下げの可能性を示す「クレ ジット・ウォッチ・ネガティブ」に指定した。ガソリン価格の高騰が自動車業 界の「財務に打撃を与えている」との懸念を理由に挙げた。

フォードは20日、ピックアップトラックやスポーツ型多目的車(SU V)への需要は「ここ数十年での最低だ」とし、今年の自動車部門業績は前年 よりも悪化するとの見通しを明らかにした。リーマン・ブラザーズ・ホールデ ィングスのアナリスト、ブライアン・ジョンソン氏は20日付のリポートで、 GMとフォードの金融部門がそれぞれ10億ドル(約1072億円)を超える評 価損の計上を余儀なくされる可能性があると指摘した。トラック中古価格の下 落が激しいため、リース後に返却された自動車の価値が当初予想を下回ってい ることが理由。

サンディスクは9.7%安と、S&P500の構成銘柄で下落率3位となった。 シティグループのアナリスト、クレイグ・エリス氏が投資判断を「買い」から 「ホールド」へ引き下げたことが売りを誘った。2008年と09年の1株当たり 利益見通しについてはそれぞれ12%と25%下方修正した。

S&P500の情報技術(IT)株指数は2.5%安。S&P500全体へのマ イナス寄与度が最も高かった。

シティは4.3%安。UBSのアナリスト、グレン・ショアー氏は20日付 のリポートで、シティの4-6月(第2四半期)決算は赤字になるとの見方を 示した。19日にシティが追加評価損の計上を予想したことが理由。また、1株 当たり損益見通しを40セントの赤字と、従来予想の37セントの黒字から下方 修正した。

メリルリンチが1株当たり利益見通しを21%引き下げたワコビアは1.9% 下落。メリルは大手地銀の収益見通しも引き下げた。

フィデュシャリー・トラストのファンドマネジャー、マイケル・マレーニ ー氏は「収益見通しの上昇修正が出てくるまで安どできない。改善のかけらも 見えない」と述べた。

○米国債:相場は上昇。週間ベースでは先週に続き上昇した。トレーダーの間で は9月前の米利上げ観測が後退した。金融市場には再び圧力がかかっている兆し がみられる。

社債保有リスクが2カ月ぶりの高い水準に上昇したことから、安全投資とし ての米国債に需要が集まった。米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスは米 住宅金融のファニーメイ(米連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸 付抵当公社)が住宅市場の悪化に伴い、4-6月(第2四半期)にさらに損失を 計上するとの見方を示したほか、メリルリンチは地方銀の株に対し、「立ち直り 不可能な状況」と述べた。

シティグループ・グローバル・マーケッツの金利ストラテジスト、ジェーム ズ・コリンズ氏は「市場参加者は評価損計上の終わりを待ち望んでいる。住宅市 場や銀行業界、信用市場が不透明ななか、連邦公開市場委員会(FOMC)が利 上げするというのは筋が通っているようにはみえない」と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後4時 24分現在、2年債利回りは前日比5bp低下して2.88%。2年債価格(償還期 限2010年5月、表面利率2.625%)は3/32上げて99 1/2。週間ベースで利 回りは15bp下げた。10年債利回りは5bp下げて4.16%。週間では9bp 下げた。

2年債と10年債の利回り格差は、2年債が10年債を1.28ポイント下回っ ている。先週の格差は1.22ポイントだった。

先週の2年債利回りは過去26年で最大の伸びを記録。バーナンキ米連邦準 備制度理事会(FRB)議長が9日にインフレ期待の高まりを「断固阻止する」 と表明したのが材料となっていた。

根強い金融不透明感

この日の米株式相場は下落。アナリストらが信用損失の悪化は金融機関の利 益を損ねるだろうと述べたことが売り材料となった。

米MFグローバルの債券アナリスト、ジェシカ・ホバーソン氏は、「市場参 加者はようやく金融部門がまだ水面下深くにいることに気づき始めている」と述 べた。

金利先物市場動向によると、6月25日のFOMC会合でフェデラルファン ド(FF)金利誘導目標が2%で据え置かれる確率は92%となっている。1週間 前は74%だった。8月の会合で利上げされる確率は38%と、1週間前の65%か ら落ち込んだ。

米シティグループのゲーリー・クリッテンデン 最高財務責任者(CFO)は 19日、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン市場に関連する債券の 実質的な評価損を追加計上することを明らかにした。

米国債の投資リターンがマイナスに

財務省は24日に2年債(300億ドル)を、26日に5年債(200億ドル)の 入札を実施する。5年債は2003年2月以来の規模となる。

メリルリンチが算出する米国債マスター指数によると、6月に入りこれまで の米国債の投資リターンは0.7%のマイナスだった。

○NY外為:ドルがユーロに対し週間ベースでほぼ3カ月ぶりの大幅 な下げとなった。信用市場の評価損拡大を回避するため、米政策金 利引き上げが先送りされるとの観測が背景。

ドルは今週、主要通貨すべてに対し下落。米証券大手リーマン・ブ ラザーズ・ホールディングスは米2大住宅金融のファニーメイ(連邦住 宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の損失が拡大 する可能性を指摘した。ユーロは対円で週間ベースで過去1年間で最長 の6週続伸。ドイツの卸売物価指数(PPI)の加速が材料となった。

RBCキャピタル・マーケッツのシニア為替ストラテジスト、マシ ュー・ストラウス氏(トロント在勤)は「金融懸念の再燃で、米利上げ の可能性が疑問視されている」と指摘。ユーロが対ドルで「1.60ドルを 付ける可能性は残っている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時20分現在、ドルはユーロに対して前日比

0.7%下落し1ユーロ=1.5618ドル(前日は同1.5504ドル)。ドルは対 円でも0.7%下落し1ドル=107円26銭(前日は同108円)。ユーロは 対円で1ユーロ=167円55銭(前日は同167円43銭)だった。

ドルは週間ベースで対ユーロで1.6%下落と、3月28日以来の大幅 な下げとなった。先週は2.5%高と、週間ベースで05年以来の大幅高だ った。

ドルは今週、対円で0.9%下落、ユーロは円に対して0.7%上昇した。

メキシコ・ペソ

メキシコ・ペソは対ドルで週間ベースで0.8%上昇、5年ぶりの高 値となる1ドル=10.2677ペソを付けた。メキシコ中央銀行はこの日、 食品とエネルギー価格の上昇を抑制するため、政策金利を0.25ポイント 引き上げて7.75%に設定したと発表。これが買いにつながった。

オーストラリア・ドルとニュージーランド(NZ)ドルは週間ベー スで上昇。両国が利回り面で引き続き米国より優位にとどまるとの観測 が背景だった。各国の政策金利は現在、オーストラリアが7.25%、ニュ ージーランドが8.25%に対し、米国は2%。

豪ドルは対米ドルで前日比0.3%上昇。週間ベースでは同1.6%高と、 約3カ月間で最大の上げだった。NZドルは対米ドルで週間ベースで

1.6%上げた。

米金利見通し

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利 先物相場の動向によると、FOMCが25日の定例会合で0.25ポイント の利上げを実施する確率は8%とみられている。同確率は1週間前には 22%だった。8月のFOMCでの利上げ確率も低下した。

○英国債:相場は3日ぶりに上昇。イングランド銀行のジョン・ギーブ副総裁は 19日に英住宅価格はさらに下落し、消費者信頼感を下押しするとの見通しを示し た。

投資家らはイングランド銀が7-9月期に利上げするとの観測を後退させ た。金利先物9月限は5bp下げ6.28%となった。前日までの1週間では13b p上げていた。

2年債利回りは前日比13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げ

5.39%となった。同国債(償還2010年6月、表面利率4.75%)価格は0.24 ポイント上げ98.83。10年債利回りは9bp低下し5.15%。

○欧州債:相場は上昇。欧州中央銀行(ECB)が利上げに踏み切れば経済成長 が鈍化するとの懸念が広がったのに加え、株式相場の下落で国債市場へ資金が流 入した。

独10年債利回りはほぼ1年ぶりの高水準から低下した。フランス国立統計 経済研究所(INSEE)の四半期報告によれば、同国の2008年成長率は

1.6%と5年ぶりの低水準が見込まれている。アジアや欧州、米国で株式相場が 下落したことを受け、安全投資としての国債需要が高まった。

HSHノルトバンク(ハンブルグ)の債券アナリスト、サイラス・デラル ビア 氏は、「今後出てくる欧州の経済データは引き続き弱い内容となるだろ う」と述べ、「景気減速の兆候がさらに強まれば、ECBの定例政策委員会で 見解の一致を見いだすのはさらに困難となるだろう。市場関係者は利上げが一 回にとどまるとの見方を強めている」と語った。

ロンドン時間午後4時38分までに、10年債利回りは前日比6ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)下げ4.62%。週間ベースでは1bp低下した。 同国債(2018年7月償還、表面利率4.25%)価格は前日比0.49ポイント上げ

97.07。2年債利回りは10bp低下し4.59%。

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