ソニー株主総会:増配要求相次ぐ-ストリンガー氏は安定・継続を重視

家電世界2位ソニーは20日、都内のホテル で定時株主総会を開いた。株主からは業績が回復傾向にあるなかで配当性向が低 過ぎるとして、一段の増配を求める声が相次いだ。ハワード・ストリンガー最高 経営責任者(CEO)ら経営陣は、配当は安定性、継続性を重視する姿勢を強調 した。

株主からは、「低い配当にいつまでも甘んじることはできない」「もっと配 当を増やしてほしい」という声が出た。ストリンガー氏は、前期は純利益が過去 最高となったことに触れながらも、「安定的な配当を継続的に行う」と強調。 「今後も安定した収益レベルの確保に努め、将来の成長のための投資を厳選す る」と述べた。

大根田伸行最高財務責任者(CFO)も、「配当額が株主にとって大きなコ ンサーン(関心事)であることは分かっている。株主への還元は必要資金を成長 分野に投入し、会社のバリューを上げるということでやっている」と説明した。 需給面から株価上昇要因になる自社株買いも「現時点ではやらない。いろいろな 状況を勘案してフレキシブルに判断する」と答えた。

今期(2009年3月期)のソニーの年間配当は普通配を15円増配して40円 とするほか、10円の特別配当も実施する計画。しかし、連結配当性向は前期で

6.8%、増配する今期でも17%。ライバルの松下電器産業の今期予想31%や、シ ャープの29%に比べて低い水準にとどまっている。

ソニーの株価は昨年5月には7000円を突破したこともあったが、20日終値 は前日比120円(2.3%)安の5100円。株価下落をただす質問には大根田氏が 「サブプライム(信用力の低い個人向け住宅)ローンや原油の問題に、世界企業 であるソニーも引きずられるのでご容赦いただきたい」と答えた。

改革は道半ば

ストリンガー氏は経営方針について、「ソニーの改革は道半ば」と述べ、当 面エレトロニクス、ゲーム、エンターテインメントの3つの主力ビジネスを一層 強化する方針を強調、特に今期はテレビとゲームの黒字化が「最優先課題だ」と 述べた。

今期業績予想は、営業利益が前期比20%増となる見通し。懸案だったゲー ム部門が黒字転換するほか、競争の激しいテレビ事業も黒字化を見込んでいる。

今年3月に終了した3年間の前中計について、ストリンガー氏は「構造改革 は製品モデル数の削減、人員削減などの目標を計画通り達成できた」と総括、目 標に掲げた営業利益率5%は未達に終わったものの、「オペレーションベースで は5%を達成できる採算構造になっている」と説明した。同社は26日に次期中 期計画を発表する。

取締役報酬の開示は日本式で

取締役報酬の個別開示を求める提案が7年連続で提出されたが、否決された。 賛成票は39.7%と前年の44.3%から低下した。ただ株主からは、「なぜ拒むの か分からない」との声が相次いだ。ストリンガー氏は米国の報酬開示方式も理解 していると述べながらも、日本の文化からみると現方式が適切だとの見解を示し た。ソニーが開示しているストリンガー氏や中鉢良治社長を含む執行役7人の報 酬総額は約20億2900万円。

総会では、取締役選任と新株予約権発行の2議案が会社提案通り承認され た。会場出席者数は7883人で昨年より720人増えた。所要時間は2時間16分で 15分短かった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE