日本株(終了)14000円割れ、鉱業や銀行中心売り-原油安と金融不安

東京株式相場は続落。日経平均株価の終 値は13日以来、5営業日ぶりに1万4000円を割り込んだ。海外原油相場の先 行き不透明感から、国際石油開発帝石ホールディングスや新日本石油などの石 油関連株が売られた。米国を中心にした金融不安も蒸し返されており、三菱U FJフィナンシャル・グループなど金融株の一角も下落、ソニーやコマツなど 輸出関連株も安い。東証業種別33指数は31業種が下落、上昇はパルプ・紙、 空運の2業種にとどまった。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、資源株を「買える理由はインフ レ懸念がある一方、世界経済が落ち込まないという前提があるから。インフレ 懸念で世界経済が押しつぶされることになれば、買うことはできなくなる」と 指摘した。

日経平均株価の終値は、前日比188円9銭(1.3%)安の1万3942円8銭。 TOPIXは同18.86ポイント(1.4%)安の1356.74。東証1部の騰落状況 は値下がり銘柄数が1248、値上がりが357。出来高は20億2263万株。

ムーディーズがモノライン2社を格下げ

日経平均は反発して始まったものの、早々に下落転換。徐々に下げ幅を拡 大し、この日の安値圏で終えた。原油価格の急落を受けて前日の米国株は上昇 したが、米株市場の終了後に格付け会社の米ムーディーズ・インベスターズ・ サービスがモノライン(金融保証会社)大手のMBIAとアムバック・ファイ ナンシャル・グループの保険子会社を格下げしたと発表。両社の株価は時間外 取引で下落し、日本時間今夜の米株式相場への影響を見極めようと、積極的に 上値を追いづらい状況となった。徐々に先物主導でじり安となったため、日経 平均先物9月物の出来高は11万6902枚と、2日連続で11万枚超えている。 TOPIXの下落寄与度1、2位は銀行、電機指数。

日経平均の前日までの過去1カ月間の騰落率は、ドル建てでマイナス

0.6%。これに対しダウ工業株30種はマイナス7.4%、FT100指数はマイナ ス10.5%、ドイツDAXはマイナス10.7%、中国深セン総合指数はマイナス 20%となっており、日本株は相対的な強さを維持してきた。このため、「利益 確定売りが出やすい」(大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフストラテジ スト)状況でもあった。ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部長は、 「きょうは特徴なく売られた。今夜の米国市場への不安感がある。6月は海外 のファンドの決算時期でもあり、例年荒っぽい動きが多い」と話していた。

石油株に売り、アジア株で下げ渋る

業種別で下げの目立ったのが石油関連株。前日の米市場で好材料となった 原油相場の急落も、日本株相場では指数の押し下げ要因となった。TOPIX の業種別値下がり率1位は鉱業。19日のニューヨーク原油先物相場は、中国 が20日から燃料価格を引き上げると伝わり、需要の減少観測の広がりから、 売りが先行。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物7月限は前日 比3.5%安の1バレル=131.93ドルだった。

一方、軟調な展開が続いたアジア株は、この日は総じて堅調。中国深セン 総合指数、中国上海総合指数、香港ハンセン指数は軒並み上昇した。アジア株 の堅調さを午後に確認すると、日本株も下げ渋って日経平均は1万3900円台 でこう着。なお市場では、「原油価格の高騰などが政治問題化しているアジア 株の動きが気になる」(日興コーディアル証券の大西史一シニアストラテジス ト)とされた。

短期資金の回転効く、きょうは砂糖

相場の先行きに不透明感が広がる中、短期資金は値動きの軽い銘柄を求め て回転力を速めている。この日は前日まで売買を集めて急騰していた電池関連 など低位テーマ銘柄に売りが殺到。古河電池や新神戸電機、ジーエス・ユアサ コーポレーション、FDK、古河スカイなどの電池関連のほか、コープケミカ ルや井関農機などの農業関連、沖電線などの電線株が総じて売り優勢となり、 東証1部の値下がり率ランキング上位にずらり並んだ。

半面、この日短期資金が向かった先が砂糖株。東洋精糖や日本甜菜製糖、 三井製糖が東証1部の値上がり率ランキング上位に入った。出光興産と三菱商 事が非食料バイオ燃料を量産すると20日付の日本経済新聞朝刊で報道され、 直近で値上がりの目立った粗糖価格が軟化するとの思惑が台頭し、製糖メーカ ーのコスト削減につながるとの期待が高まった格好。新光証券の山内滋紀マー ケットアナリストは、個人投資家の動向について「ひところは痛手を受けてい たが、元気が出ている。先週は信用買い残が9週ぶりに2兆円を回復した。回 転が効いてくれば、良い状況になる」と話している。

IHIやふくおかFが続落、D&Mは続伸

このほか証券取引等監視委員会が有価証券報告書に虚偽記載があったとし て、約16億円の課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告したIHIが続落。 傘下の親和銀行が融資をしていた会社が銀行取引停止処分を受け、貸出金の取 り立て不能リスクが浮上したふくおかフィナンシャルグループも続落した。

一方、米投資会社ベイン・キャピタルが1株510円でTOB(株式公開買 い付け)を実施すると発表のディーアンドエムホールディングスが大幅続伸。 みずほ証券が19日付で投資判断を「5(売り)」から「3(ホールド)」に 上げた豊田合成、イオングループの施設管理の新規受託などで、第1四半期 (3-5月)の連結純利益が前年同期比32%増のイオンディライトも大幅高。

新興3市場は下落

国内の新興3市場はいずれも下落。ジャスダック指数は前日比0.8%安の

62.96、東証マザーズ指数は同1.4%安の597.16、大証ヘラクレス指数は同

0.8%安の990.11。ヒューネット、アリサカなど株価が低位の銘柄の一角が売 買を伴って大幅下落。グローバル住販など不動産関連の一角も売られた。半面、 20日付の日経新聞朝刊で特集記事が掲載されたフルスピードが上昇。

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