1箱1000円で税収4兆円増、増税議論活発でJT株は約2年ぶり安値

JTの株価が4日続落し、一時前日比2 万3000円(5.1%)安の42万8000円と2006年8月9日以来、約2年ぶりの 安値水準に沈んだ。たばこ税引き上げの議論が与野党間で活発化する中、大幅 増税でも税収が増えるとの試算が出た。たばこ増税が実施された場合、国の懐 は潤っても、販売を手掛けるJTには消費量減少のリスクがあり、業績の先行 きが不透明として売り圧力に押されている。

立花証券の平野憲一執行役員は、「たばこ増税の議論が活発化しており、 それが株価に表れている。通常の値上げであれば、減収でも利益の増加が見込 めるが、今回の場合は異なる。このため、業績の先行き不透明感が強く、投資 家は買いにくい状態」と話した。

日本学術会議は19日、超党派の国会議員で構成する「たばこと健康を考 える議員連盟」の会合で、たばこ税引き上げの試算結果を公開した。現在のた ばこ1箱の平均小売価格300円(うち税金170円)の場合、2兆2000億円の 税収が得られる。これを1箱600円(同470円)とすると、税収が4兆3000 億円に膨らむ。1000円(870円)の場合は、たばこの消費量が3割減って1439 億本となる一方、税収は6兆2000億円と現在比4兆円の増収になるという。

たばこの売上高は1位が米国、2位が日本、3位がドイツ。同会議の脱タ バコ社会の実現分科会で委員長を務める大野竜三・愛知淑徳大学医療福祉学部 教授は、個人的な意見と前置きした上で、「ドイツ並みの金額であるたばこ1 箱600円程度であれば、消費者に受け入れやすい水準ではないか」と話した。

JT株の推移を見ると、たばこ税引き上げ議論が本格的に持ち上がった6 日以降に下げが加速。13日に44万6000円まで下げ、その後上昇場面もあった が、再度下値を探る展開。「今回、直近安値を割り込んだことで、チャート的 にも崩れ始めた」(平野氏)。

「たばこと健康を考える議員連盟」は13日に設立総会を開催。自民党の 中川秀直元幹事長や尾辻秀久参院議員会長、民主党の前原誠司副代表、公明党 の北側一雄幹事長、社民、共産各党からの有志6人が共同代表で、年末にかけ ての来年度税制改正の議論に合わせて考え方をまとめる予定。1箱1000円ま で引き上げる案が出ている。

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