東京外為:ドルもみ合い、原油下落も先高警戒感くすぶる-108円挟み

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=108円ちょうどを挟んでもみ合った。原油先物相場の急落を受けて、 エネルギー価格高を背景とした景気の圧迫懸念が緩和したことから米株が上昇 し、ドル売りも鈍化。しかし、原油相場の先高警戒感がくすぶっているほか、 この日は日本株が続落し、損失リスクを伴う投資には消極的になりやすく、高 金利通貨などに向いていた資金が円に回帰する可能性が警戒された。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、原油相場の下 落は景気の支援材料になるが、今後もしっかりと落ち着いていくとは考えにく いと指摘。22日には産油国と消費国の間で会議が開かれるが、「産油国が原油 相場の上昇を投機的な動きと位置付けている一方、消費国が需給の問題と主張 している状況で、平行線のまま具体的な解決策は見込みにくい」として、前日 の下落分程度はすぐに打ち消される可能性も警戒され、ドル買い戻しの動きも 限定されるという。

原油動向を警戒

原材料高を背景として世界的にインフレが深刻化するなか、前日は中国で 燃料需要が減少するとの観測から、ニューヨーク原油先物相場が急落。米国株 式相場はコスト高を背景とした圧迫懸念が和らぎ、運輸株や消費関連に買いが 入った。

エネルギー高を背景とした景気の先行き不透明感が緩和したことから、前 日の海外市場ではドルの買い戻しが進行。東京時間に一時107円43銭(ブルー ムバーグ・データ参照、以下同じ)と、12日以来のドル安値を付けていたドル・ 円相場は108円07銭まで値を戻した。

ユーロ・ドル相場も東京時間に一時1ユーロ=1.5587ドルと、11日以来の 水準までユーロ高・ドル安が進行していたが、海外時間にかけては、対英ポン ドでのユーロ売りなども相まって、1.5467ドルまでドルが回復した。

そうしたなか、22日には産油国と消費国が原油価格について協議する。サ ウジアラビアが増産の可能性を示唆している一方で、ベネズエラは原油増産の 必要がないとみて、会合への出席を見送るとの一部報道もあり、足並みの乱れ が懸念される。

このため、この日の東京時間ではドルの買い戻しも限定的で、ユーロ・ド ル相場は1.5525ドルまでユーロ高・ドル安が進んでいる。

日本株軟調で円下げ渋り

また、この日は日本株が続落し、節目の1万4000円も割り込んで午前の取 引を終了。「円自体の買い材料に乏しく、クロス・円(ドル以外の通貨と円の 取引)が底堅い状況に変わりはないが、日本株が軟調ななかでは、リスク選好 的な高金利通貨買い・円売りの動きも盛り上がりにくい」(資産管理サービス 信託銀・野村氏)という。

ドル・円相場は早朝に付けた108円07銭をドルの上値に、その後は107円 85銭までドル安・円高が進行。107円台後半でこう着した取引が続いており、 午前の値幅は22銭にとどまった。

米指標弱含み、FOMC見極め

一方、来週は2日間の日程で米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開 市場委員会(FOMC)を開く。政策金利は据え置かれる見通しにあるものの インフレ圧力が高まるなか、景気の先行き不透明感もくすぶり続けている状況 下で、先行きの政策動向についてどのような姿勢を示すかが注目される。

そうしたなか、19日に発表された米国の経済指標はやや弱含みとなった。 労働省が発表した14日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は38万1000件と、前週から5000件の減少となったものの、ブルームバーグ・ ニュースがまとめた市場予想の37万5000件を上回った。

また、米フィラデルフィア連銀が発表した6月の同地区の製造業景況指数 はマイナス17.1と、前月マイナスの15.6から悪化。7カ月連続でマイナスに 落ち込んでいる。

市場では、「経済指標が予想よりも上振れが続いてということであれば、 ドルも上に行くのだろうが、利上げ自体は年内100%織り込んでおり、来週にF OMCを控えて、さらにどんどんドルを買うというわけにもなかなかいきそう にない」(ドイツ証券・深谷幸司シニア為替ストラテジスト)との指摘も聞か れていた。

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