6月19日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:原油先物相場が4ドルを超える下げとなったため、運輸株や消費関連 株に買いが入った。半導体大手ブロードコムの利益が増加するとの見通しを好感 し、テクノロジー株も高い。

地銀BB&Tが減配観測に反して、年内に増配するとの見通しを示すと、 株式相場は上げ幅を拡大した。ブロードコムは4月以来の大幅高となり、ハイ テク株をけん引した。リーマン・ブラザーズ・ホールディングスはブロードコ ムの利益が着実に伸びると予想した。原油安を背景に米トラックリース最大手 のライダー・システムや米格安航空大手サウスウエスト航空などが上昇。S& P500種株価指数の運輸株指数を構成する10銘柄のうち9銘柄が上げた。

S&P500種株価指数は前日比5.02ポイント(0.4%)上げて

1342.83。ダウ工業株30種平均は34.03ドル(0.3%)高の12063.09ドル となった。ナスダック総合株価指数は32.35ポイント(1.3%)上昇して

2462.06で終了した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は3対 2。

ウェルズ・キャピタルのチーフ投資ストラテジスト、ジェームズ・ポール セン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「景気が底入れし たとの認識が高まり始め、原油相場がやや下がれば、市場心理はかなり強気に 傾くと思う」と述べた。

S&P500種の10セクターのうち、エネルギー株指数のみが下落した。 BB&Tの発表を好感し、金融株指数は上げに転じた。シティグループがサブ プライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連資産でさらに評価損を計上 するとの見方を示したため、金融株指数は一時、5年ぶりの低水準に沈む場面 もあった。

ブロードコム

任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」向けの半導体を手掛けるブロードコム は7.6%高。S&P500種の構成銘柄で上昇率首位となった。リーマンのアナ リスト、ティム・ルーク氏は、ブロードコムの4―6月(第2四半期)の利益 見通しを上方修正した。需要が強まれば7―9月(第3四半期)見通しを上回 る可能性もあるとも指摘した。

S&P500の半導体指数は2.5%上げ、全18銘柄のうち17銘柄が上昇し た。インテルが高い。

原油安

中国が20日から燃料価格を引き上げることから原油需要が減少するとの 観測が広がり、ニューヨーク原油先物7月限は前日比4.75ドル(3.48%)安 の1バレル=131.93ドルで取引を終えた。これを背景に、ライダーやサウス ウェスト航空のほか、クルーズ船運営大手のカーニバルが上昇した。

S&P500のエネルギー株指数は過去1年では17%高と、全10セクター 中で上昇率トップだが、19日は2.1%下落した。エクソンモービルは2.3%安、 シェブロンは2.4%下げ、ダウ平均の構成銘柄のうち下落率で上位2銘柄とな った。

地銀

BB&Tは2セント高の24.35ドルで終了した。一時は12%下げる場面も あった。同社が「2008年中に現金配当をいくらか引き上げる」との4月17日 の声明をあらためて表明したことが買いを誘った。スターン・エージー・アン ド・リーチのアナリストがBB&Tが最大50%の減配を余儀なくされるとの見 解を示したため、朝方は売りが膨らんだ。

前日はフィフス・サード・バンコープが減配に加え、市場予想を下回る収 益見通しを発表し、地銀株に売りを誘った。

S&P500種の地銀株指数は19日、一時は5%安となったが、ほぼ変わら ずで終えた。

シティグループ株は1.1%下落。ゲーリー・クリッテンデン最高財務責任 者(CFO)がサブプライム住宅ローン証券について、実質的な評価損を追加 計上することを明らかにしたことが売りを誘った。

一方、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は4.9%高。 シティグループのアナリスト、ジョシュア・シャンカー氏が投資判断を「買 い」に引き上げたことがきっかけ。同氏は最近のAIG株の下落は「妥当では ない」と指摘した。

○米国債:相場は下落。米国株が値上がりしたほか原油相場がバレル当たりほぼ 5ドルの急落を記録、午前に発表された週間失業保険申請件数で減少が示された ことが材料となり、債券が売られた。

みずほ証券USAの米国債トレーディング責任者、セオドア・エーク氏は「債 券以外の市場の動きによって打撃を受けているだけだ」と語った。

財務省は来週に2年債(300億ドル)と5年債(200億ドル)の入札を実施 すると発表した。5年債は2003年以来の規模となる。2年債と10年債の利回 り格差は125ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)まで縮小した。6 月はじめは同利回り格差は145bpだった。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後3時 33分現在、2年債利回りは前日比12bp上昇して2.97%。2年債価格(償還 期限2010年5月、表面利率2.625%)は7/32下げて99 11/32。10年債利 回りは8bp上げて4.22%。

労働省が発表した14日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節調 整済み)は前週比5000件減の38万1000件だった。

2年債、5年債入札

財務省は24日に2年債を、26日に5年債の入札を実施する。ドイツ銀行の 富裕層向け資産運用部門で債券トレーディングの責任者を務めるゲーリー・ポー ラック氏は、「米財務省は海外からの投資家を惹きつけるのに苦労している。海 外からの応札がなければ利回りはもう少し高くならざるを得ない」と語った。

5月29日に実施した5年債入札(190億ドル)では、外国中央銀行を含む 間接応札が落札全体に占めた割合は16.5%と、2003年6月以来の低い水準だっ た。過去12回の5年債入札における同割合は22.8%だった。

バークレイズ・キャピタルの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏は米 景気減速のなかで米国債の入札規模を拡大することは利回りを押し上げることに なると語る。

同氏は年内にFOMCがフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を現在の 2%から2.5%に引き上げるとみており、10年債利回りは2009年半ばまでに

5.4%に上昇すると予想している。

米監督当局の話し合い

米監督当局は3月に緊急措置として創設されたプライマリーディーラー(米 政府証券公認ディーラー)向け連銀窓口貸し出し制度が終了した場合に備え、そ の後の対応を協議している。政府関係者2人が明らかにした。

協議では、ベアー・スターンズのように取引企業が数百社に及ぶ大手証券企 業が破たんの危機に直面した際、どのような対策を事前に取るべきかといった点 などを中心に議論が進められているという。

○NY外為:ドルがユーロに対し4日ぶりに上昇。この日発表された5月 の英小売売上高指数が予想外に上昇したことを受けて、対ドルでのユー ロ売りとポンド買いが膨らんだ。

ポンドはユーロに対し2週間ぶりの高値を付け、ドルに対しては続 伸した。スイス・フランは主要通貨すべてに対して下落。スイス国立銀 行(SNB)はこの日の金融政策決定会合で、政策金利である3カ月物 ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の誘導目標を2.75%に据え置い た。また原油相場は大幅反落し、対ユーロでドルを支えた。

英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の為替ストラテジスト、エードリアン・シュミット氏(ロンドン在勤) は「ポンドの勢いがドルに飛び火した」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時15分現在、ドルはユーロに対して0.2% 上昇し1ユーロ=1.5404ドル(前日は同1.5535ドル)。ドルは対円で は前日比ほぼ変わらずの1ドル=107円98銭(前日は同107円88銭)。 ユーロは対円で0.1%下落し1ユーロ=167円40銭(前日は同167円58 銭)だった。

ユーロ対ポンドなどのクロス取引の流動性が低下している。国際決 済銀行(BIS)によると、世界の為替取引の出来高の約86%がドルを 介した取引。

ゲイン・キャピタル傘下FOREX・ドット・コムのチーフ為替ス トラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は「クロス取引で大型の取引を 狙うならばドルを介する必要がある」と指摘。「これがドルが強い原因 だ」と付け加えた。

ポンドが上昇

ポンドはユーロに対し前日比0.9%上昇し、1ユーロ=78.57ペンス。 一時は今月2日以来の高値となる同78.53ペンスを付けた。英政府統計 局(ONS)が発表した5月の小売売上高指数(数量ベース、季節調整 済み)は前月比3.5%上昇と、この統計が始まった1986年以降で最大の 伸びとなった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査 の予想中央値は前月比0.1%低下だった。ポンドはドルに対しては0.6% 高の1ポンド=1.9722ドル。

スイス・フランは対ドルで0.9%下落し1ドル=1.0454フラン、対 ユーロでは0.7%安の1ユーロ=1.6206フランだった。スイス国立銀が 政策金利を据え置くとともにインフレは抑制されていると示唆したこと が売り材料となった。スイス・フランは対円では0.8%下げて1フラン =103円28銭。一時は91年以来の高値となる同104円28銭を付ける場 面もあった。

デイリーFXドットコムの上席通貨ストラテジスト、ボリス・シュ ロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)によると、スイス国立銀の金利据え 置きで欧州中央銀行(ECB)が7月に政策金利を4%から引き上げる との見方に疑問が生じ、一部のトレーダーがユーロに売りを出した。

シュロスバーグ氏は「やや失望感が広がった」と語る。「ECBが 次回の政策会合で利上げを見送る兆候だ」と指摘した。

○英国債:相場は続落。5月の英小売売上高指数が統計開始以来の大幅な伸びと なったことを受け、利上げ観測が高まった。

2年債利回りは一時、前日比16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上げ5.54%まで上昇した後、5.48%となった。同国債(償還2010年6月、表 面利率4.75%)価格は0.22ポイント下げ98.63。10年債利回りは9bp上昇 し5.24%。

この日発表された5月の英小売売上高指数は前月比3.5%上昇と、1986年 以来で最大の伸びとなった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト 調査では0.1%低下が見込まれていた。4月は0.3%低下だった。

○欧州債:相場は下落。英小売売上高指数が予想に反して大幅上昇したことを受 けて英国債相場が下落し、欧州債にも売りが及んだ。

独10年債利回りは昨年7月以来の高水準に上昇した。この日発表された5 月の英小売売上高指数が前月比3.5%上昇と、1986年以来で最大の伸びとなっ たことを受け、インフレ加速で各中央銀行が利上げを迫られるとの観測が強ま った。

4キャストの債券ストラテジスト、ホセ・ガルシアザラテ氏(ロンドン在 勤)は「驚異的に強かった英小売売上高指数が材料だ」と指摘。「当社は利回 りは上向きのバイアスにあるとみている。ECBの7月利上げの可能性が織り 込まれてきたが、現在はその後の追加利上げに向けて調整しているところだ」 と語った。

ロンドン時間午後5時までに、独10年債利回りは前日比7ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上げ4.68%。4.55%まで下げる場面もあった。同 国債(2018年7月償還、表面利率4.25%)価格は0.54ポイント下げ96.57。 2年債利回りは6bp上昇し4.70%。2年債に対する10年債の上乗せ利回り はマイナス2bpとなり、4日連続の長短金利逆転となった。

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