短期市場:6月末越え取引、円投ドル転需要続く-為替スワップ交錯も

短期金融市場では、6月末を越える資金調 達圧力が続いている。外国銀行の中間決済にあたり、為替スワップを使って円か らドルを調達する「円投・ドル転」の需要が根強いためだ。一方、月内に関して は余ったドルを円に戻す反対側の動きも指摘され、ドルから円を調達している銀 行にとってはコスト上昇につながっている。

無担保コール1カ月物は、外銀の調達コストが0.70-0.75%付近まで上昇 し、国内勢もつられる形で0.70%前後のコストを払っている。午後の本店共通 担保オペ2000億円(6月20日-7月18日)の最低金利は前回より1ベーシス 高い0.59%と、4月下旬以来の高水準。8倍を超える1兆7355億円の応札が集 まった。

国内大手銀行の資金担当者は、邦銀にはあまり関係ない時期だが、為替スワ ップを通じたドルの影響は避けられないと指摘する。実際、ユーロ円TIBOR (東京銀行間貸出金利)1カ月物は、期日が6月末を越えた5月29日から上昇 している。

円投圧力、反対取引で緩和も

為替スワップ取引では、早くから6月期末をにらんだ円投ドル転が行われて いた。外銀は通常の資金取引以外にも、コマーシャルペーパー(CP)や円建て 外債(サムライ債)の発行で円を調達している。流動性リスクや信用リスク、金 利水準について、円の市場が最も落ち着いているためだ。

ただ、ABNアムロバンク国際資金為替部の永井伸マネージングディレクタ ーは、「今回の期末は為替スワップの反対側の需要もあり、一時ほど円投圧力は 強くない」と言う。

円投ドル転は、為替スワップで直物のドル買い・円売り、先物のドル売り・ 円買いを行う。これは直物のドル売り・円買いを先延ばしする輸出企業の為替予 約と同じ。一方、米国の早期利上げ観測を背景としたドルの金利先高観でスプレ ッドが拡大した際、縮小を見込んだ直物のドル売り・円買い、先物のドル買い・ 円売りという反対側の取引も増え、需給がきっ抗する面もあったという。

国内銀の担当者によると、米国の利上げ観測が後退し、ドルのターム(期 日)資金も運用されやすくなってきたため、需要が期末・期初(6月30日-7 月1日)の取引に凝縮されてきた面もあるという。

国内銀行にとって四半期末決算でもあるが、20日の国債大量償還を受けて 手元資金が膨らみやすく、無担保コール1カ月物の外銀向けの運用希望は徐々に 下がっている。「余資を抱えた向きの運用で需給も緩んでくるのではないか」 (ABNアムロ・永井氏)という。

足元は円投地合い-日銀の6月末対応

為替スワップの動きは足元の取引にも影響を与えている。6月末までの月内 は調達したドルが余りやすく、外銀が直物のドル売り・円買い、先物のドル買 い・円売りを翌日物で繰り返す(ロールする)ため、足元は「円投・ドル転」の 地合いに振れやすい。

19日の無担保コール翌日物は、日銀の誘導目標0.50%を上回る0.56-

0.57%付近まで上昇する場面があった。国内大手金融機関の資金担当者による と、円投地合いになるタイミングで、利ざやを稼ごうとする外銀がコールで安い 円を調達しに来るという。

ABNアムロの永井氏によると、足元の為替スワップは、「スプレッド縮小 を見込んだ持ち高の利益確定と、月内のロールオーバーとがぶつかり合い、どち らが強いかによって地合いが振れやすくなっている」という。

日本銀行は定例調節を見送り、準備預金(除くゆうちょ銀)を2000億円増 の5兆8000億円程度まで拡大。残り必要積立額(1日平均4兆8000億円)を大 幅に上回る水準で、通常日にしてはかなり緩めの調節だ。6月末越えの調達金利 が上昇すれば、潤沢な資金を供給できる体制になっているもようだ。

国内金融機関にとって大きな要因でもなかった6月末も、外銀の円資金需要 など市場参加者が国際化するなかで、米サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン問題に端を発した信用収縮の影響を受けざるを得なくなっている。

金先が伸び悩み-戻り売り優勢

ユーロ円金利先物相場は伸び悩み。米大手証券モルガン・スタンレーの減益 決算など業績懸念と金融不安から株価が大幅に下落するなか、債券先物と金先は 早期利上げ観測の後退に伴う買い戻しが続いたが、買い一巡後は戻り売りが出て、 徐々に上値が重くなった。

中心限月2009年3月物は前日比0.025ポイント高の98.905(1.095%)まで 買われた後、戻り売り優勢の展開。午後1時すぎに0.015ポイント安の98.865 まで下落。その後は98.875-98.880で推移している。新発2年債利回りは1ベ ーシス低下の0.860%まで買われた後、3ベーシス上昇の0.900%まで売り戻さ れている。

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