証券会社や大手銀行離れの動きか-富裕層が資産を信託会社などに移動

富裕層が、保有資産を証券会社や世界的な 大手銀行から資産から、もっと小規模でより保守的な運用を手掛ける金融機関 に移している。

米ウィルミントン・トラストで投資運用グループの責任者を務めるロバー ト・バレンタイン氏は「顧客が資産の預け先を心配しているのは、私の経歴で も初めてのことだ。非常に多くの資産を持つ顧客が大挙して証券会社から資産 を引き揚げている明確な証拠を目の当たりにしている」と述べる。

ウィルミントンのような信託会社は、スイスのUBSなど富裕層向け資産 運用大手の米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)関連の損 失で恩恵を受けている。米銀JPモルガン・チェースのロンドン在勤アナリス トは、UBSが過去1年間で380億ドル(約4兆900億円)以上の評価損と信 用市場関連の損失を出したと報告した後の3カ月間で、顧客資産390億ドルの 純流出に見舞われたと試算している。

イタリアのベローナの金融サービスコンサルタント、ダビデ・マウデ氏は 「UBSが自己資金の運用ができないというのなら、私の資金はどうなってし まうのか」と顧客が言っていると話す。業界にとってUBSは高級車「ロール スロイス」のような存在だとする同氏は、同行が「確実に評判を落としている」 と指摘する。

UBSは2008年1-3月(第1四半期)決算で、115億スイス・フラン(約 1兆2000億円)の赤字を計上。同四半期に運用資産は128億スイス・フランの 純流出となったと発表した。同行は5月に富裕層を含む個人顧客250万人に連 絡を入れた。

UBSのUSウェルス・マネジメント・アドバイザリー・グループ共同責 任者、ジム・ピアス氏は電子メールでの問い合わせに対し、同行が顧客と「積 極的なコミュニケーションを進めている」との回答を寄せた。

同氏は、顧客との対話の苦労もいとわないとした上で、「UBSは米市場 に全力を尽くして取り組んでいる。世界の富の約30%は米国にあり、世界的な 資産運用会社であるUBSにとって米国は極めて重要だ」と説明した。

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