白川日銀総裁:原材料高が景気下振れもたらすリスクに注意必要(2)

(第1段落以降に発言を追加し、見出しを差し替えます)

【記者:日高正裕】

6月19日(ブルームバーグ):日本銀行の白川方明総裁は19日午後、都内 で開かれた全国信用金庫大会であいさつし、「資源の多くを輸入に頼っているわ が国にとって、エネルギー・原材料価格の上昇は所得が海外に流出することを意 味する」とした上で、「このような所得形成の弱まりが国内民間需要の下振れを もたらすリスクについて注意深くみていく必要がある」と語った。

白川総裁は景気の先行きについて「当面は減速が続くものの、その後につ いては緩やかな成長経路をたどる可能性が相対的に高い」と指摘。「企業は設 備・在庫・雇用の面で過剰を抱えておらず、金融システムも安定しているため、 日本経済はかつてに比べ、景気の下振れショックに対して頑健になっている」と 語った。

白川総裁は一方、国際金融資本市場については「米国サブプライム(信用 力が低い個人向け住宅)ローン問題に端を発した動揺が続いており、不安定な状 態にある」と指摘。米国経済は「停滞しており、金融市場・資産価格・実体経済 の負の相乗作用が、いつどのように収束に向かうのか不確実性が大きい」と述べ た。また、国際商品市況の高騰から「世界的にインフレ方向のリスクは一段と高 まっている」と語った。

国内の物価については「消費者物価(除く生鮮食品)の前年比も、価格転 嫁の動きが徐々に広がる中で、1%程度と15年振りの高い上昇率となっており、 先行きもプラスを続けていくと予想される」と指摘。「特に生活必需品の上昇が 目立つだけに、消費者のインフレ予想・企業の価格設定行動を含め、先行きの物 価動向については、より注意深くみていく必要がある」と述べた。

その上で、金融政策運営については「不確実性が極めて高い状況の下で、 日銀としては経済・物価情勢や内外の金融市場の状況などを丹念に点検し、経 済・物価の見通しとその蓋然(がいぜん)性、リスク要因を見極めた上で、それ らに応じて機動的に政策運営を行っていく」と語った。

白川総裁はまた、「日銀では、決済システムの安全性・効率性の向上を図 る観点から、本年10月に次世代RTGS(即時グロス決済)プロジェクトの実 施を予定している。私どもとしては、金融機関と緊密に連絡を取り合いながら、 円滑な実施に向けて万全の態勢で臨みたい」と述べた。

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