日本株(終了)大幅反落、輸出や金融中心8割超下げ-米金融不安残る

東京株式相場は大幅反落となった。欧米の 金融不安に対する警戒感が根強く、原油高の影響による米国の企業業績懸念も浮 上し、トヨタ自動車など輸出関連株が下落。三菱UFJフィナンシャル・グルー プやオリックスなどの金融株も安い。東証1部では全体の8割以上の銘柄が値下 がりし、東証業種別33指数は鉱業、その他製品を除く31業種が下げた。

岡三アセットマネジメントの伊藤嘉洋常務は、「信用不安の再燃やインフレ 懸念から、米景気の先行き不透明感が続いている。不透明感が強ければ、ちょっ としたきっかけで楽観的になったり、悲観的になったりし、相場は振れやすくな る」と話した。

日経平均株価の終値は、前日比322円65銭(2.2%)安の1万4130円17銭。 TOPIXは同34.04ポイント(2.4%)安の1375.60。東証1部の騰落状況は 値上がり銘柄数165、値下がり銘柄数1495。出来高は21億2494万株。

米地銀株は最大の下げ、フェデックス業績

下落して始まった日経平均は、終日じりじりと下値模索の展開。投資家の短 中期的な売買コストである25日移動平均線(1万4150円)を4日ぶりに割り込 んで終えた。今週の日本株は、米国株が大幅安となる中でも堅調に推移してきた が、この日はさすがに目先の利益を確定する売りが先行。前日の米国で、金融不 安が再燃したことと企業収益の悪化懸念が広がったことがきっかけだ。

米国では、サブプライム(信用力の低い個人向け)ローン問題の影響による 金融不安が依然くすぶる。米銀フィフス・サード・バンコープは18日、減配と 増資を発表。これを受けた同行の株価は28年ぶりの大幅安となり、S&P500 種株価指数の地銀株指数は過去最大の下げを記録した。投資家がなお金融不安に 対して敏感であることを示した。また、原油価格の上昇で企業業績の低迷が長引 くとの懸念も浮上。米小荷物輸送大手フェデックスが発表した2008年3-5月 (第4四半期)業績は、燃料コストの上昇などの影響から、11年ぶりの赤字転 落となったことが背景にある。

インフレ懸念や信用不安への警戒を背景に、前日のダウ工業株30種平均は 3月17日以来の安値に落ち込み、この流れを東京市場も受けた。午後からは中 国、香港などアジア株の大幅下落を受けて一段安となり、TOPIXの下落寄与 度上位には銀行、電気機器、輸送用機器などが並んだ。

ただ商いは低水準であり、総悲観となった印象はない。東証1部の売買代金 は2兆1737億円と、年初から前日までの1日当たり平均2兆4661億円に届かな かった。市場では、「薄商いの中、日本株は真空地帯を駆け上がってきた。先物 に一喜一憂しやすい状況」(岡三アセットの伊藤氏)との声が聞かれている。

田崎真珠や建設株が大幅安

個別では、田崎真珠が大幅続落。売上高は計画を上回るものの、粗利益率が 低下するため、08年4月中間期の連結営業利益は前年同期比17%減の5億円に とどまったもようと前日発表したことが嫌気された。主軸の旅行業が低調に推移 し、2008年6月中間期の業績予想を下方修正したKNT(近畿日本ツーリス ト)が3日続落。東証1部の下落率上位を見ると、前田建設工業や大和ハウス工 業、大成建設など。経済産業省がこの日発表した4月の全産業活動指数によると、 第3次産業活動指数が上昇する半面、建設業活動指数や鉱工業生産指数、公務等 活動指数が低下している。

電池や肥料、電線が盛り上がる

外部環境の変化に影響を受けやすい中、行き場を失った投資資金は値動きの 良い個別材料銘柄に集中した。特に売買を集めたのが、ジーエス・ユアサ コー ポレーション。電池関連として人気化し、連日で出来高が1億株を超えた。年初 からの上昇率は2倍以上。ただ、午後には下げに転じるなど、値動きは荒かった。 古河電池、新神戸電機も買われた。

肥料や飼料を中心に農業関連も盛り上がった。19日付の朝日新聞朝刊で全 国農業協同組合連合会(JA全農)が、主要な肥料の販売価格を7月から現行の

1.5-2倍程度に値上げする方向で最終調整中と報道。これを受け、コープケミ カルが急伸。関連銘柄にも波及し、片倉チッカリンなどが高い。農機関連では、 井関農機も大幅高。

また、19日付の日本経済新聞朝刊が世界の情報通信関連企業が太平洋を横 断する海底光ケーブルを増強すると報じたことを受け、東京特殊電線、沖電線、 タツタ電線、三菱電線工業など中低位の電線関連株にも買いが集まった。

このほか、繰り返し使える単3、単4型のニッケル水素充電池の生産量を 2008年度に前年度比2倍の年産5000万個に増やすと、19日付の日本経済新聞朝 刊が報道した三洋電機が上昇。また、新設バルブやメンテナンス工事需要の寄与 で08年11月期の利益予想を増額した岡野バルブ製造がストップ高となった。

新興3市場も総じて下落

国内の新興3市場も下落。いずれの指数も下落して始まった後、下げ幅を拡 大した。ジャスダック指数は前日比1%安の63.48、東証マザーズ指数は2.6% 安の605.76、大証ヘラクレス指数は1.8%安の998.36で、ヘラクレス指数は再 び1000ポイント割れ。

個別では、公正取引委員会が存在していない案件をウエブサイトで掲載して いたとして、「不動産おとり広告」などで排除命令行ったエイブルが急反落。モ ルガン・スタンレー証券が目標株価を引き下げたそーせいが3日ぶり反落。半面、 成果報酬型の営業支援サービスの売り上げが順調に拡大し、08年4月中間期が 従来予想を上回ったようだと発表したスリープログループが5日続伸となった。

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