債券は下落、5年債や先物に戻り売り-10年債利回り一時1.8%(終了)

債券相場は下落(利回りは上昇)。朝方は、 前日の米株安・債券高を引き継いで買いが先行したが、午後に入って中期債や先 物を中心に戻り売りが優勢になり、相場は下げに転じた。新発10年債利回りは 一時、1.80%に上昇する場面があった。

トヨタアセットマネジメントのチーフファンドマネジャーの深代潤氏は、 「午後に入って、利上げに敏感な欧州勢が中期債や先物に売りを出したのではな いか」と述べた。

東京先物市場で中心限月9月物は、前日比17銭高の133円81銭で寄り付い た後、133円97銭の日中高値まで上昇した。しかし、上値が重く徐々に軟化。 午後は売りが膨らみ、日中安値133円12銭まで下げた。結局、41銭安の133円 23銭で引けた。9月物の日中売買高は4兆2050億円程度。

深代氏は、先行きについて、「欧州が利上げをした後は、インフレから景気 に目が戻るだろう。米国で減税効果が一巡した後の景気の落ち込み度合いや、欧 州中央銀行(ECB)の利上げ後に金融システムがソフトランディング(軟着 陸)するのかが注目される」との見方を示した。

こうした中、日本銀行の白川方明総裁は19日午後、都内で開かれた全国信 用金庫大会であいさつし、世界経済について「下振れリスクが高い」と指摘する 一方で、「世界的なインフレ方向のリスクは一段と高まっている」と述べた。金 融政策運営については、「見通しの蓋然(がいぜん)性とリスク要因を見極めた 上で、機動的な政策運営を行う」と語った。

新発10年債利回りは一時1.80%まで上昇

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前日比1.5ベーシスポイン ト(bp)低い1.765%で寄り付いた後、いったんは1.75%に低下。9日以来の低水 準をつけた。その後は、徐々に水準を切り上げ、午後1時過ぎには2bp高い

1.80%に上昇した。3時50分前後からは1bp高い1.79%で推移している。

新発5年債利回りは朝方に1.32%まで低下したものの、次第に売りが優勢 になり、午後2時半ごろには5bp高い1.395%に上昇した。

日興シティグループ証券シニアストラテジストの山田聡氏は、「昨日まで中 期債を中心に買い戻しが入り、米国債の上昇を受けて、朝方は買い先行で始まっ た。しかし、先物で133円90銭、5年債は1.32%、10年債では1.75%程度の ところで上値が重くなり、戻り売りが出た。インフレ懸念で下げた後、金融不安 などで値を戻したが、上値を追うには材料が必要」と語った。

市場では、「しばらくは目立った材料もなく、もみ合いが続きそう」(住友 生命保険資金債券運用部の橋本孝平債券運用室長)などの声も聞かれた。

6月の日銀短観、業況判断DIが大幅悪化も

この日発表された6月のロイター短観調査によると、景気が「良い」と答え た企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた業況判断DIは製造業がマイナ ス2と、前月から横ばいとなった。製造業DIは2か月連続で約5年ぶりの低水 準にとどまった。非製造業はマイナス2と前月のゼロから低下し、2003年12月 以来の低水準。

市場では、7月1日に発表される6月の日銀短観(企業短期経済観測調査) についても、業況判断DIの大幅な悪化を見込む向きが多い。

ドイツ証券シニアエコノミストの安達誠司氏は、「原油をはじめとする資 源・食料高の影響が、輸出、消費という内外需の主要項目に大きな負のショック を与える」ことを背景に挙げ、大企業・製造業DIはプラス4と3月(プラス 11)から7ポイント悪化、非製造業DIはプラス8と3月(プラス12)から4 ポイント悪化を予想している。

一方、第一生命経済研究所の主席エコノミストの熊野英生氏は、大企業・製 造業DIが9ポイント悪化のプラス2、非製造業DIが1ポイント悪化のプラス 11を予想、「景気後退リスクが高まっていることは今さら言うまでもないが、 景気情勢の悪さがあらためて確認される」と見込んでいる。

--共同取材:日高正裕  Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 池田祐美 Yumi Ikeda +81-3-3201-2490 yikeda4@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Sandy Hendry +852-2977-6608 shendry@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE