東レ株が4日ぶり反落、戦略事業の鈍化に警戒感-アナリストら慎重視

炭素繊維最大手の東レの株価が、前日比20 円(3.1%)安の624円と4日ぶりに反落。戦略的拡大事業の1つと位置付ける 光学用フィルムやPDP材料など情報通信関連で、主力製品が値下がり傾向に あり、収益を圧迫するとの見方が一部アナリストから示された。中期経営課題 として掲げる2010年ごろの業績目標達成も難しい見通しとなっており、成長期 待の強かった事業の先行きが不安視された。

東海東京調査センターは18日付で、東レの投資判断を「4(平均以下)」 に新規格付けした。角山智信アナリストは投資家向けメモで、「原材料高と先 行投資負担の増加等の各種コストアップ要因が大きい。特に積極的に資本を投 入する情報通信関連事業は、主力製品の価格下落基調にあり、厳しい環境が続 く」との見方を示した。

もう1つの戦略的拡大事業と位置付ける炭素繊維事業でも、原材料コスト と償却負担がともに増える上、米ドルの下落によるマイナスの影響が30億円発 生すると見込む。炭素繊維は民間航空機や人工衛星などの航空宇宙、ゴルフや 自転車、自動車、船舶など幅広い分野で使用されている。

同社が06年11月に発表した中期経営課題「Innovation TORAY 2010」では、 2010年近傍には営業利益が1500億円になると予想。中間目標として09年3月 期は1200億円以上を目指すとしていた。同社が5月に発表した09年3月期予 想は950億円と、この目標を大きく下回る。角山アナリストは943億円と、会 社計画の達成は難しいと見ている。

会社側は中期経営課題の策定時からの環境変化・制度の変更として、原燃 料価格の高騰による価格転嫁の遅れや、株式相場の下落による退職給付費用の 増加、会計制度変更による減価償却費の増加などを指摘。300億円の減益効果が 生じた、と説明している。

東海東京調査センターでは、目標株価を573円と算出。先行投資負担の増 加と戦略的拡大事業の成長鈍化により、低水準のフリーキャッシュフローが続 くと分析。3年間の営業フリーキャッシュフローの予想と永久成長率1%を前 提としたディスカウントキャッシュフロー(DCF)法で株価を導いた。

KBC証券も18日付で投資判断を「ホールド」から「売り」、目標株価を 600円から500円にそれぞれ引き下げた。

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