企業年金連合会の川﨑氏:公的年金運用改革、債券市場への影響は軽微

企業年金連合会年金運用部債券グループ・ チーフファンドマネジャーの川﨑勉氏は、ブルームバーグ・ニュースとのインタ ビューで、世界最大規模となっている日本の公的年金積立金の運用改革の議論に 関して、具体化には相当時間がかかるとみられるとし、債券市場への影響はあま りないとの見方を示した。インタビューは18日に行った。

政府の経済財政諮問会議(議長・福田康夫首相)の専門調査会は5月23日、 日本の公的年金基金の運用に関する報告書を提出。現在、年金積立管理運用独立 行政法人(GPIF)が一括して運用している150兆円に上る公的年金積立金を 複数の小規模な基金に分割し、各基金が運用収益を競うべきだと提言した。

川﨑氏は、「ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)を連想して、分割し て、将来の運用収益を高める投資を提言しているが、厚生労働省は相当消極的だ と思う」と指摘。「厚労省からすると、年金積立金は、投資収益を目指すという ものではなく、安全確実に運用して将来の給付に充てるというもの。損失が生じ れば責任問題にもなるので、政府から直接指示がないと難しいと思う」と語った。

債券市場への影響については、「国債へ流入する資金が減るのかどうかによ る。現実になれば心理的な売り圧力になるのは間違いない」としながらも、「具 体化するのは相当先だろう。具体化しない可能性もあると思う」と予想。「金利 上昇は良い状況ではないので、財務省も騒ぎ出すと思う。売りの実需はそれほど 出ないのではないか。金利が上昇する状況は考えづらい」と述べた。

さらに、「規模が大きいため、株式・不動産などへ資金を投入したら、影響 が出る。巨額な資金の運用となれば、どうしても国債になってしまう」と説明し た。

長期金利1.5-2%を想定、リスク削減圧力で債券投資

長期金利の動向については、当面1.5-2%のレンジを予想、年度末は

1.8%程度を見込んでいる。「秋口ぐらいまで低下圧力がかかり、1.5%ぐらいへ の低下を見込んでいる。その後は、景気が上向くとの期待感が出て、年末ぐらい に再び2%近辺に上昇する見通し」という。

企業年金に関連しては、「公的年金の代行部分もあるが、現状で大きな変化 はない」と指摘。「むしろ、昨年度のように株価が下落すると、リスクを抑える べきとの議論が出やすく、債券に投資すべきという話に振れやすい。足元は金利 上昇圧力が強いが、企業年金にとっては、運用多様化圧力よりもリスク削減圧力 が高まる可能性の方が高い」と語った。

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