債券はもみ合い、米債高や株安支援も伸び悩み-10年は一時1.75%(2)

債券相場はもみ合い。前日の米国市場では、 大手金融機関などの決算発表を受けて、金融不安が再燃し、早期の利上げ観測が 後退し、株安・債券高となった。こうした流れを引き継いで買いが先行したが、 高値圏では戻り売りが優勢になり、伸び悩んだ。新発10年債利回りは一時、

1.75%に低下する場面があった。

大和住銀投信投資顧問国内債券運用第2グループリーダーの伊藤一弥氏は、 「株価の下落や海外市場動向のわりには相場が伸び悩んでいる。協調利上げの思 惑が崩れて、週初から買い戻しが続いているが、昨日でいったんピークをつけた 感じ」と述べた。

東京先物市場で中心限月9月物は、前日比17銭高の133円81銭で寄り付い た後、133円97銭まで上昇した。その後は上値が重く徐々に値を消し、午前の 終了にかけて4銭安い133円60銭まで下げた。結局は、前日比変わらずの133 円64銭で引けた。9月物の午前売買高は1兆8324億円程度。

日経平均株価は大幅反落。一時は300円超の大幅安となった後、前日比293 円42銭安の1万4159円40銭で午前の取引を終えた。

新発10年債利回りは一時1.75%に低下

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前日比1.5ベーシスポイン ト(bp)低い1.765%で寄り付いた後、徐々に水準を切り下げ、1.75%に低下。9 日以来の低い水準をつけた。その後は、低下幅を縮小して、0.5bp低い1.775% で引けた。

新発5年債利回りは一時1.32%に低下したものの、次第に売りが優勢にな って、結局は0.5bp高い1.35%で午前の取引を終えた。

損保ジャパン・グローバル運用部債券運用第1グループリーダーの砺波政明 氏は、「米国での過度な利上げ懸念が後退した流れが続いている。日本も、白川 方明日銀総裁会見以降は、利上げ懸念が払しょくされた。しばらく景気後退、金 融不安と、インフレ懸念との綱引きが続きそうだ」という。

伊藤氏は、「来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えてブラックア ウト期間に入り、米連邦準備制度理事会(FRB)高官からネガティブな発言も 出ないので安心感がある。5年債が安いとみられて買いが入ったが、1.3%台前 半では戻り売りも出た」と説明した。

6月の日銀短観、業況判断DIが大幅悪化も

この日発表された6月のロイター短観調査によると、景気が「良い」と答え た企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた業況判断DIは製造業がマイナ ス2と、前月から横ばいとなった。製造業DIは2か月連続で約5年ぶりの低水 準にとどまった。非製造業はマイナス2と前月のゼロから低下し、2003年12月 以来の低水準。

7月1日に発表される6月の日銀短観(企業短期経済観測調査)に関しても、 「大企業の業況判断DIが悪化する可能性は非常に高い」(みずほ証券チーフマ ーケットエコノミストの上野泰也氏)との見方が多い。

三井住友アセットマネジメントのチーフエコノミスト、宅森昭吉氏は、6月 日銀短観で、「大企業・製造業DIが3月調査のプラス11を10ポイント程度下 回り、プラス1程度とゼロ近傍まで低下する」と予想。また非製造業DIはプラ ス8と3月調査(プラス12)から4ポイント程度低下を予想している。

またJPモルガン証券シニアエコノミストの安立正道氏は、大企業・製造業 DIはプラス2に悪化を予想。「今回の変化幅でみれば景気後退を示唆すると予 想される。ただ先行き見通しが加速して悪化することはなく、景気底割れが見込 まれるわけではない」と説明した。

米国市場は、株安・債券高

18日の米国債相場は続伸。FOMCが早ければ来週にも利上げするとの観 測が弱まったほか、株式相場の下落も債券買いを支えた。銀行株を中心に下げた 米国株を受けて、比較的安全とされる米国債への需要が高まった。金利先物動向 によると来週のFOMC会合では金利据え置きが見込まれている。

一方、米株式相場は続落。ダウ工業株30種平均は3カ月ぶりの安値に沈ん だ。フェデックス決算やフィフス・サード・バンコープの減配を受け、原油高と 銀行の損失で企業業績の低迷が長引くとの懸念が強まり、売りが優勢になった。

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