欧州へ6万円のサーチャージ、KNT株が続落-中国地震響き赤字拡大

大手旅行会社の近畿日本ツーリスト(K NT)の株価が続落。原油価格の高騰で旅行代金に上乗せされる燃油特別付加 運賃(燃料サーチャージ)が長期間にわたり発生、中国・四川大地震の影響な どで海外旅行が低迷することを理由に、2008年6月中間期の業績予想を下方修 正した。原油高止まりによるサーチャージは続きそうで、旅行需要を喚起する 起爆剤も見えず、収益環境の厳しさが嫌気されている。一時、前日比7円 (3.7%)安の181円と、1月31日以来の安値水準まで下げた。

18日取引時間終了後に、中間期の連結業績予想を下方修正した。本業のも うけを示す営業損失は41億円と、従来計画と比べ20億円赤字幅が拡大。前年 同期実績は21億7300万円の赤字だった。常務執行役員の遠藤昭夫経理部長に よると、「燃料サーチャージが長期化している。ヨーロッパ路線は往復で6万 円近くかかり、国内旅行に行ける程度の金額だ。海外旅行から国内旅行へのシ フトも見えてこない」という。また遠藤氏は、中国の食の問題や中国・四川地 震の影響もあり、「中国向けが半分以上落ち込んだ」ことも明らかにした。

国土交通省が16日に発表した主要旅行業者の旅行取扱状況速報によると、 4月の主要63社の取扱総額は前年同月比3.4%減の4797億円と、2カ月連続 で前年実績割れ。このうち、パーケージ商品の海外旅行の取扱額は同15.1%減 の510億円と不振が目立つ。

頼みは夏のハワイ

一方、KNTは08年12月通期営業利益については、9億円と従来予想を 据え置いた。前期は2億9200万円。北京五輪を控えているほか、夏旅行の商 品の投入で業績の回復を見込む。遠藤氏は「付加価値の高い商品を提供するほ か、家族で楽しめる旅行企画では、米・ハワイ向けが10%伸びそうだ」と語る。

カブドットコム証券の投資情報局・山田勉マーケットアナリストは、「生 活防衛と言われている時代に海外旅行に行く人は減っている。景気モメンタム が改善して財布のひもが緩み、海外旅行客が増えることは年内いっぱい考えに くい」とし、旅行業界の厳しさを指摘した。

旅行関連銘柄では、エイチ・アイ・エスも一時64円(4.2%)安の1475 円と大幅続落し、ニッコウトラベルも1.3%安の369円、ユーラシア旅行社も

2.5%安の7万7000円と安かった。

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