東京外為:ドル軟調、金利差拡大期待から対ユーロで1週間ぶり安値

午前の東京外国為替市場では、ドルが軟調。 信用収縮の長期化や原油高で米景気の一段の悪化が懸念され、米国の早期利上 げ観測が後退するなか、7月の利上げが有力視されるユーロとの金利差拡大の 可能性が意識されやすく、ドルは対ユーロで一時、1ユーロ=1.5579ドル(ブ ルームバーグ・データ参照、以下同じ)と約1週間ぶり安値をつけた。

住友信託銀行マーケット資金事業部門の松本三郎チーム長は、米国株の下 落や米金利の急低下を背景にドル安の展開になっていると指摘。「欧州では7 月の利上げも示唆されており、金利差拡大でユーロ買いに連想になる」と語る。

ドルは対円でも一時、1ドル=107円59銭まで下落。「108円前半は200 日移動平均線のレベルであり、2月中旬の戻りで超えられなかったレベルでも あること」(松本氏)、また欧米株に続いて日本株も下落していることから、 ドルは上値の重い展開となっている。

また、ドルはスイス・フランに対しても1週間ぶり安値をつけている。こ の日のスイス国立銀行(SNB)の金融政策決定会合では、政策金利の据え置 き予想が優勢だが、一部では3%への利上げ観測が浮上している。

米利上げ観測が後退

18日の米株式相場は銀行株を中心に続落し、ダウ工業株30種平均は3カ月 ぶりの安値に沈んだ。米小荷物輸送大手フェデックスの決算や米銀フィフス・ サード・バンコープの減配を受け、原油高と銀行の損失で企業業績の低迷が長 引くとの懸念が強まり、売りが優勢になった。一方、早期利上げ観測の後退か ら米国債は続伸した。

米証券大手のモルガン・スタンレーが発表した3-5月(第2四半期)決 算は57%の減益。資産運用と投資銀行業務の減収のほか、株式・債券トレーデ ィングの減益が響いた。フィフス・サードは、減配に加えて、4-6月(第2 四半期)の実質利益がほぼ消えるとの見通しを発表。同行の株価は28年ぶり大 幅安となり、S&P500種株価指数の地銀株指数は過去最高の下げを記録した。

UBS銀行東京支店外国為替部FXアドバイザーの牟田誠一朗ディレクタ ーは、原油の先高警戒感が再び強まっている一方で、米経済指標ではよくない 内容も出てきており、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)でタカ派色がど のように出されるかに不透明感が強まっていると指摘。「米証券会社の決算が 厳しい状況に変わりなく、そんな中で積極的には利上げのムードにはなりづら くなっている」として、ドルに失望感が生じていると説明している。

18日のニューヨーク原油先物相場は4日ぶりに上昇。今月22日にサウジア ラビアのジッダで開かれる産油国と消費国の会議を控え、米政府が原油増産が 発表されるとは考えていないとの見解を示したことから、買いが膨んだ。

利上げ期待でユーロ堅調

一方、ECBの7月の利上げ期待が高まるなか、ユーロは堅調な展開が続 いている。前日にはユーロが対円で一時、1ユーロ=168円04銭まで上昇し、 2007年7月23日以来の高値を記録。ただ、168円台の滞空時間は短く、その後 は167円台でもみ合う展開が続いている。

欧州中央銀行(ECB)のシュタルク理事は18日までに、インフレリスク の高まりにより、ECBは「警戒を高めた状態になる」と述べ、インフレ期待 を押さえ込むために、「必要なあらゆる措置を取る」と表明した。

もっとも、住友信託銀の松本氏は、ドイツの長短金利のスプレッドは逆イ ールドになっており、「先行き、独景気の軟化を示唆している」と指摘。「ド イツのZEWの景況感指数などセンチメント系の指標は弱くなっており、中期 的にはユーロが軟化す可能性がある」とみている。

--共同取材:吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama, Norihiko Kosaka

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