英財務相:金融危機対応でイングランド銀行の権限を大幅強化へ

ダーリング英財務相は18日、イングラン ド銀行の金融危機対応への権限強化を目指す方針を表明した。英銀ノーザンロ ックの経営危機問題を受け、経済政策面では過去10年で最大の改革となる。

財務省はイングランド銀に対し、金融安定を監視する明確な権限を移譲す るとともに、金融システムへの脅威を定期的に協議する委員会を設置する。ダ ーリング財務相はまた、退任するイングランド銀のレイチェル・ロマックス副 総裁の後任を19日に指名する方針だ。一方、もう1人の副総裁であるジョン・ ギーブ氏(金融安定担当)は一連の改革が終了する来年に退任する考えを明ら かにした。

ダーリング財務相は18日の講演で、「われわれの課題は、金融機関を支え ることが必要な場で、当局が迅速かつ断固たる態度で対応することができるよ うにすることだ」と指摘。「これらの改革は、直面する課題に対処する備えを 与えてくれる一大改革だ」と強調した。

同財務相は19日、経済政策を扱う下院財務委員会に書簡を送付し、イング ランド銀の権限強化策を説明する。新法の制定が必要になるが、7月末までに 議会に法案を提出する考え。イングランド銀は1997年に金融政策の決定権限を 与えられたが、新たに金融安定の情勢分析を通じて、経済への脅威を判断する 特別な権限を与えられることになる。

また、新設される金融安定委員会は労働、保守、自由民主の主要3政党の 議員で構成され、下院財務委員会を通じて議会への報告義務がある。また、イ ングランド銀の金融政策委員会(MPC)のインフレ目標のような数値目標で はなく、定性的な目標が設定される。

一方、財務省に関しては、米国の規制当局並みの権限を与え、破たんの危 機にある金融機関の資産を一時的に引き取る「ブリッジバンク(つなぎ銀行)」 と管財人を指名できるようにすることになりそうだ。

英国では、ノーザンロックが昨年9月、資金繰り難に陥ってからようやく、 政府が救済に動くなど、対応の遅れが批判されており、今回の改革案はそれに 対応したもの。預金者が預金引き出しに動く取り付け騒ぎに発展したのを受け て、ブラウン英首相率いる労働党の支持率は戦後最低の水準に低落。経済政策 の運営能力に疑問符がついていた。

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