債券は小幅高か、米株安・債券高受け買い先行―米金融不安が再燃(2)

債券相場は小幅高(利回りは低下)が予 想される。前日の米国市場で、モルガン・スタンレー証券などの決算を受けて、 金融不安が再燃し、株安・債券高となった地合いを引き継ぎ、買いが先行する 見通し。もっとも、高値圏では戻り売りが増えるとみられ、上値も限定的とな りそうだ。

日興シティグループ証券チーフストラテジストの佐野一彦氏は、「きょう は米金融危機懸念の再燃などが加わったが、戻り売りに押された昨日午後の地 合いもある。相場は小幅高にとどまる一方、利回り曲線は傾斜化が継続すると 予想する」という。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日の通常取引終値133円64銭を若 干上回って始まった後、日中は133円60銭から134円00銭程度のレンジで推 移しそうだ。18日のロンドン市場で9月物は、前日の東京終値から23銭高の 133円87銭で引けた。

18日の先物相場は大幅続伸。前日の米国市場で経済指標の悪化を受けて債 券が買われた地合いを引き継ぎ、朝方から買いが優勢だった。早期の日銀利上 げ観測後退を背景に、中期債相場も堅調地合いが継続し、相場上昇をけん引し た。中心限月9月物は、前日比49銭高い133円64銭で引けた。9月物の日中 売買高は4兆7273億円程度。

一方、この日は日本銀行の白川方明総裁が全国信用金庫大会であいさつす る予定。

新発10年債利回りは1.7%台半ばから後半か

現物債市場で新発10年物の293回債利回りは、前日終値1.78%を若干下 回って始まり、日中ベースでは1.7%台半ばから後半での取引が見込まれる。

みずほインベスターズ証券マーケットアナリストの井上明彦氏は、「円債 市場は、海外動向を受けて、引き続き中期ゾーン中心に買い先行となり、5年 債利回り1.3%を試す展開」を予想している。ただし、「昨日同様、急ピッチ の戻りに対しては警戒感も強く、スピード調整も入りやすい」ともいう。

日本相互証券によると、18日の現物債市場で新発10年物の293回債利回 りは、前日比3ベーシスポイント(bp)低い1.800%で取引を開始。徐々に利 回り水準を切り下げ、午前9時半すぎには12日以来の1.8%割れとなった。そ の後も低下が進んで、一時は7.5bp低い1.755%と、9日以来の低い水準をつ けた。結局、5bp低い1.78%で引けた。

一方、10年物国債の292回債利回りは、東京時間の前日午後3時時点で、 大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三菱UFJ証券各 社の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BBYF)によると

1.766%だった。

三菱UFJ証券チーフ債券ストラテジストの石井純氏は、市場センチメン トの潮目変化を背景に、「長期金利は昨日の米株安・米債高をより所に、日経 平均の反落度合いをにらみながら恐る恐る低下余地を探る」と予想している。

また、石井氏は「原油高、インフレ懸念、利上げ、債券売り」という連想 から、「原油高、業績悪化、景気低迷による信用収縮の長期化、利上げ困難、 債券買い」へとようやく変わりつつあると説明した。

米国市場は、株安・債券高

18日の米国債相場は、続伸。米連邦公開市場委員会(FOMC)が早けれ ば来週にも利上げするとの観測が弱まったほか、株式相場の下落も債券買いを 支えた。銀行株を中心に下げた米国株を受けて、比較的安全とされる米国債へ の需要が高まった。金利先物動向によると来週のFOMC会合では金利据え置 きが見込まれている。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後3 時29分現在、2年債利回りは前日比2bp低下して2.87%付近。一時は2.82% と12日以来の低い水準を記録した。10年債利回りは5bp下げて4.14%付近。

一方、米株式市場は、続落。ダウ工業株30種平均は3カ月ぶりの安値に 沈んだ。米小荷物輸送大手フェデックスの決算や米銀フィフス・サード・バン コープの減配を受け、原油高と銀行の損失で企業業績の低迷が長引くとの懸念 が強まり、売りが優勢になった。

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