6月18日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国市場を更新します)

○米国株:続落。ダウ工業株30種平均は3カ月ぶりの安値に沈んだ。米小 荷物輸送大手フェデックスの決算や米銀フィフス・サード・バンコープの 減配を受け、原油高と銀行の損失で企業業績の低迷が長引くとの懸念が強 まり、売りが優勢になった。

フィフス・サードは28年ぶりの大幅安となり、S&P500種株価指数の 地銀株指数は過去最高の下げを記録した。フェデックスは3カ月ぶりの安値。 燃料価格の高騰を背景に11年ぶりに赤字に転じたことが売りを誘った。米自 動車販売台数が6月に15年ぶりの低水準に落ち込むとの予想を売り材料に、 ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターも安い。サンディスクも 大幅安。フラッシュメモリー(電気的に一括消去・再書き込み可能な読み出し メモリー)カードの需要が鈍化するとのアナリストの予想を嫌気し、売りが膨 らんだ。

S&P500種株価指数は前日比13.12ポイント(1%)下げて1337.81。 ダウ工業株30種平均は131.24ドル(1.1%)安の12029.06ドルと、3月 17日以来の低水準となった。ナスダック総合株価指数は28.02ポイント (1.1%)下落して2429.71で終了した。ニューヨーク証券取引所(NYS E)の騰落比率は1対3。

リバーソース・インベストメンツのチーフ市場ストラテジスト、デビッ ド・ジョイ氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「しばらく株 式相場にとっては困難な状況が続くだろう。今は企業収益の成長につながるよ うな環境ではない」と述べた。

金融株は通常取引開始前の時間外取引から売りが先行した。米ヘッジファ ンド、ポールソン(ニューヨーク)の創業者、ジョン・ポールソン氏がモナコ での会議で「評価損はまだ3分の1ほど出ただけだ」と述べたことが売り材料 視された。同氏はサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連証券 の空売りで大きな収益を上げた。

フィフス・サード株は27%安と、S&P500種の構成銘柄で下落率トッ プ。同行は18日、監督当局に提出した文書で転換優先株の発行と非中核事業 の売却で増資を実施することを明らかにした。配当を66%減らすことも発表。 4―6月(第2四半期)の1株当たり利益は追加費用を除いたベースで1-5 セントにとどまると予想した。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の平 均は40セントを超えている。

S&P500の地銀指数を構成する12銘柄中、11銘柄が下落。同指数は

6.8%下げた。17日はゴールドマン・サックス・グループが地銀に対して慎重 な見解を示したことから5.7%下落していた。

大手金融機関で構成される各種金融株指数は2.7%安となった後、0.7% 安まで下げ渋った。

モルガン・スタンレー

モルガン・スタンレーは一時、前日比3.17ドル下げたが、10セント高に 戻して終えた。継続事業ベースの純利益は10億3000万ドル(1株当たり95 セント)。前年同期は23億6000万ドル(同2.24ドル)だった。ブルーム バーグがまとめたアナリスト19人の予想平均は1株当たり利益92セントだっ た。

パーマネント・ポートフォリオ・ファミリー・オブ・ファンズで運用に携 わるマイケル・クジオ社長は「市場は現在、金融株の動向に非常に敏感になっ ている。荒い値動きになる銘柄も出てくるだろう」と述べた。

ETF(上場投資信託)ブローカー最大手のMFグローバルは41%安。 2008年4-6月(第1四半期)の純収入がアナリスト予想を下回るとの見通 しを発表。債務返済のための公募増資の計画も明らかにしたため、売りが膨ら んだ。

フェデックス

米小荷物輸送の約31%を手掛けるフェデックスも安い。18日発表した 2008年3月-5月(第4四半期)決算は2億4100万ドル(1株当たり78セ ント)の赤字だった。文書作成サービス部門キンコーズの特別支出を除くベー スでは、1株当たり1.45ドルの利益を計上したが、ブルームバーグがまとめ た11人のアナリスト予想の同1.47ドルには届かなかった。

S&P500種株価指数は5月19日に4カ月ぶりの高値で引けて以降、

6.2%下落。年初からでは8.8%安となっている。

S&P500種構成企業の第1四半期決算の利益は平均で19%減少してい る。ブルームバーグが集計したデータによると、3四半期連続の減益は2002 年以降で最長。

○米国債:相場は続伸。米連邦公開市場委員会(FOMC)が早ければ来週にも 利上げするとの観測が弱まったほか、株式相場の下落も債券買いを支えた。

銀行株を中心に下げた米国株を受けて、比較的安全とされる米国債への需要 が高まった。金利先物動向によると来週のFOMC会合では金利据え置きが見込 まれている。

AIGサンアメリカ・アセット・マネジメントの運用担当者、マイケル・チ ア氏は、利上げを見込むのは「単純に言って意味がない。一部市場参加者は金融 市場混迷の底をみてきたと信じ込もうとしているが、市場には困難な局面が終わ っていないことを示す兆候がまだ多くある」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後3時 29分現在、2年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイ ント)低下して2.87%。一時は2.82%と12日以来の低い水準を記録した。2 年債価格(償還期限2010年5月、表面利率2.625%)は1/32上昇して99 17/32。 10年債利回りは5bp下げて4.14%。

来週のFOMC会合

金利先物市場動向によると、6月25日のFOMC会合でフェデラルファン ド(FF)金利誘導目標が2%で据え置かれる確率は88%となっている。前日は 74%だった。

午前に発表された証券大手モルガン・スタンレーと小荷物輸送フェデックス の決算が不調だったことから、銀行の損失が拡大し、原油高が景気の足をさらに 引っ張るとの懸念が強まりこの日の米国株式相場は値下がりした。

FOMCは住宅不況と信用市場混迷による米リセッション(景気後退)入り を避けるため、昨年9月以降利下げを実施してきた。

インフレ期待

先週の2年債利回りは過去26年で最大の伸びを記録。バーナンキ米連邦準 備制度理事会(FRB)議長が9日にインフレ期待の高まりを「断固阻止する」 と表明したのが材料となった。

RBSグリニッチ・キャピタルの米国債戦略責任者、デービッド・アダー氏 は「今はインフレ継続と経済成長鈍化という恐ろしい交差点にいる」と語り、「市 場参加者は足場をみつけた。損失は抑えられ、債券が買われるだろう」と続けた。

労働省が6日発表した5月の雇用統計では家計調査に基づく失業率は5.5% と、前月比での上昇率が約20年ぶりの大幅な伸びだった。また13日に発表され た6月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数によると5年先のインフレ 期待指数は1995年以来の高水準だった。

10年物インフレ連動債(TIPS)は同年物米国債利回りを2.50ポイント 下回っている。4月30日時点での同差は2.28ポイントだった。同格差は今後 10年間のインフレ期待を示す。

○NY外為:ドルがユーロに対し3日続落。信用市場の損失と原油 高騰で米景気低迷が長引き、利上げが先送りされるとの見方が広が ったことが背景。

スイス・フランは主要通貨全てに対し上昇。株価の下落でスイス・ フランを調達資金とする高利回り資産買いが縮小した。中国の人民元も 上昇し、2005年のドル連動制廃止以来の高値を付けた。中国人民銀行の 周小川総裁がドル安が商品価格を押し上げることから、元は「上昇する 必要がある」と述べたことに反応した。

ワコビアのシニア為替トレーダー、アラン・カッバーニ氏は「評価 損拡大の新たな予想が出た。原油相場も上昇した。こうしたことがやや ドル安に働いている」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時20分現在、ドルはユーロに対して0.1% 下げて1ユーロ=1.5532ドル(前日は同1.5511ドル)。スイス・フラ ンは対ドルで0.5%高の1ドル=1.0361フラン(前日は同1.0416フラ ン)。円は対ドルで1ドル=107円85銭(前日は同107円93銭)。円 は対ユーロでは前日比ほぼ変わらずの1ユーロ=167円49銭(前日は同 167円41銭)だった。一時は昨年7月23日以来の安値となる同168円 4銭を付けた。

人民元は対ドルで0.1%上昇し1ドル=6.8822元となった。米メリ ーランド州アナポリスで開かれた米中戦略経済対話に出席した中国人民 銀行の周小川総裁はドル下落の影響で、「新興諸国の経済が厳しい状況 に立たされている」と語った。ブルームバーグ・ニュースがまとめた23 人のエコノミスト調査によると、人民元は年末までに1ドル=6.65元に 上昇する見通し(中央値)。

スイス・フラン

スイス・フランは韓国ウォンに対し1.3%上昇、南アフリカ・ラン ドに対しても0.6%上げた。スイス・フランを調達資金とするキャリー トレードが解消されるとの見通しが材料だった。スイスの政策金利は現 在2.75%、一方の南アは12%、韓国は5%に設定されている。

TDセキュリティーズのチーフ通貨ストラテジスト、ショーン・オ ズボーン氏(トロント在勤)は「リスク回避の姿勢が市場で再び強まっ ている。全般的に安全な投資先に資金を戻す動きが見られる」と述べた。

米証券大手のモルガン・スタンレーがこの日発表した3-5月(第 2四半期)決算は57%の減益だった。これを受けて信用市場での損失拡 大懸念が再燃し、S&P500種株価指数は前日比1%下げて取引を終え た。

信用市場の損失

米ヘッジファンド、ポールソン(ニューヨーク)の創業者、ジョ ン・ポールソン氏はこの日、ヘッジファンド業界の会議で講演し、今回 の信用危機による評価損や損失は総額で1兆3000億ドルに達する公算が あるとの見方を示した。国際通貨基金(IMF)は損失の総額を9450億 ドルと見積もっている。昨年、サブプライム(信用力の低い個人向け) 市場に端を発した金融危機が生じて以来、世界の大手銀行や証券はこれ までに合計3950億ドルを超える損失ならびに評価損を計上している。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は3日連続で低下。前日比では0.1%低下し73.443。

○英国債:相場は下落。2年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上げ5.37%となった。

同国債(償還2010年6月、表面利率4.75%)価格は0.07ポイント下げ

98.85。10年債利回りは2bp上昇し5.15%。

イングランド銀行は今月5日に開いた金融政策委員会(MPC)で、8対1 で政策金利を5%に据え置くことを決めた。デービッド・ブランチフラワー氏は

0.25ポイントの利下げを主張した。同行が18日公表した議事録で明らかになっ た。キング総裁は17日、金利政策の道筋は「不透明だ」との認識を示した。

○欧州債:相場は下落。欧州中央銀行(ECB)のシュタルク理事が、ECBは インフレ抑制に向けて「必要なあらゆる措置を取る」と表明したことが背景。

同理事が「物価安定に対するリスクは高まった」との認識を示したことを 受けて独10年債利回りは上昇、ほぼ1年ぶりの高水準まで5ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)未満となった。この日の独5年債入札への応札倍 率が前回を下回ったことも、国債需要を後退させる要因だった。

ウニクレディト・マーケッツ・アンド・インベストメント・バンキングの 債券ストラテジスト、コーネリアス・パープス氏(ミュンヘン在勤)は「シュ タルク理事はインフレリスクとインフレ期待の抑制が重要であることをあらた めて強調した」と指摘し、「利上げ観測を後退させる根拠は見当たらない」と 語った。

ロンドン時間午後3時36分までに、10年債利回りは前日比2bp上げ

4.61%。同国債(2018年7月償還、表面利率4.25%)価格は0.12ポイン ト下げ97.15。2年債利回りは1bp上昇し4.63%。

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