米国債:続伸、米利上げ観測弱まる-株式相場下落も支援材料に(2)

米国債相場は続伸。米連邦公開市場委員会 (FOMC)が早ければ来週にも利上げするとの観測が弱まったほか、株式相 場の下落も債券買いを支えた。

銀行株を中心に下げた米国株を受けて、比較的安全とされる米国債への需要 が高まった。金利先物動向によると来週のFOMC会合では金利据え置きが見 込まれている。

AIGサンアメリカ・アセット・マネジメントの運用担当者、マイケル・チ ア氏は、利上げを見込むのは「単純に言って意味がない。一部市場参加者は金 融市場混迷の底をみてきたと信じ込もうとしているが、市場には困難な局面が 終わっていないことを示す兆候がまだ多くある」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間午後3時 29分現在、2年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイン ト)低下して2.87%。一時は2.82%と12日以来の低い水準を記録した。2年 債価格(償還期限2010年5月、表面利率2.625%)は1/32上昇して99 17/32。 10年債利回りは5bp下げて4.14%。

来週のFOMC会合

金利先物市場動向によると、6月25日のFOMC会合でフェデラルファン ド(FF)金利誘導目標が2%で据え置かれる確率は88%となっている。前日 は74%だった。

午前に発表された証券大手モルガン・スタンレーと小荷物輸送フェデックス の決算が不調だったことから、銀行の損失が拡大し、原油高が景気の足をさら に引っ張るとの懸念が強まりこの日の米国株式相場は値下がりした。

FOMCは住宅不況と信用市場混迷による米リセッション(景気後退)入り を避けるため、昨年9月以降利下げを実施してきた。

インフレ期待

先週の2年債利回りは過去26年で最大の伸びを記録。バーナンキ米連邦準 備制度理事会(FRB)議長が9日にインフレ期待の高まりを「断固阻止す る」と表明したのが材料となった。

RBSグリニッチ・キャピタルの米国債戦略責任者、デービッド・アダー氏 は「今はインフレ継続と経済成長鈍化という恐ろしい交差点にいる」と語り、 「市場参加者は足場をみつけた。損失は抑えられ、債券が買われるだろう」と 続けた。

労働省が6日発表した5月の雇用統計では家計調査に基づく失業率は5.5% と、前月比での上昇率が約20年ぶりの大幅な伸びだった。また13日に発表さ れた6月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数によると5年先のイン フレ期待指数は1995年以来の高水準だった。

10年物インフレ連動債(TIPS)は同年物米国債利回りを2.50ポイント下 回っている。4月30日時点での同差は2.28ポイントだった。同格差は今後10 年間のインフレ期待を示す。

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