米モルガンS:3-5月期57%減益-トレーディングと投資銀低迷

米証券大手のモルガン・スタンレーが 18日発表した3-5月(第2四半期)決算は57%の減益になった。資産運用 と投資銀行業務の減収のほか、株式・債券トレーディングの減益が響いた。

株価は一時、7.8%安となった。継続事業ベースの純利益は10億3000 万ドル(1株当たり95セント)。前年同期は23億6000万ドル(同2.24ド ル)だった。スペインの富裕層向け資産運用部門の売却と米株価指数サービス 会社MSCIの株式売り出しが業績を下支えた。

ジョン・マック最高経営責任者(CEO)は発表文で、業績不振について 「困難な市場環境と顧客の投資活動低下」を原因に挙げた。同社は不動産やレ バレッジド(高リスク・高利回り)融資債権を担保にした証券で評価損を計上 した上、自己勘定トレーディングも低迷した。

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスのアナリスト、ロジャー・フリ ーマン氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、「モルガン・スタンレ ーが抱える問題の1つはここ数四半期の不安定なトレーディング成績だ。原因 を解明するのは少し難しいが、3-5月期ではプラスよりもマイナスに作用し たようだ」と指摘した。

モルガン・スタンレー株はニューヨーク時間午前10時6分現在、前日比

2.14ドル(5.3%)安の38.45ドルで推移している。一時は37.42ドルま で下落した。年初来から前日までに24%下げていた。AMEX証券株指数 (11構成銘柄)は同23%安。ゴールドマン・サックス・グループは17%下げ、 リーマン・ブラザーズ・ホールディングスは62%下げていた。

純利益は10億3000万ドル(1株当たり95セント)と、前年同期の25 億8000万ドル(同2.45ドル)から減少した。純収入は前年同期比38%減の 65億1000万ドル。株主資本利益率(ROE)は12.3%と、前年同期の

29.4%から低下した。ゴールドマンは20.4%だった。

債券収入

モルガン・スタンレーの債券収入は85%減の4億1400万ドル。住宅ロー ン関連証券のトレーディングで4億3600万ドル、レバレッジド融資債権と関 連ヘッジで5億1900万ドルの損失を計上したことが響いた。リーマンの債券 収入はマイナス30億ドル、ゴールドマンは29%減の23億8000万ドルだっ た。

モルガン・スタンレーのコルム・ケラハー最高財務責任者(CFO)は18 日のインタビューで、持ち高を適正に評価していなかったとして、ロンドンの 債券トレーダー1人を停職処分にしたことを明らかにした。5月に不正を発見 した後、同トレーダーの取引を1億2000万ドル下方修正したという。

商品

モルガン・スタンレーの商品トレーディングの収入は減少した。北米の電 力取引で損失を出し、石油関連商品で減益になったことが影響した。同社はゴ ールドマンと同様、個別の商品トレーディングの収入は明らかにしていない。

ケルハーCFOは「エネルギー市場の一部で逆張りの持ち高を組んだが、 それが裏目に出た。この分野の当社のトレーダーはこれまで成績は良かったが、 今回はタイミングの計り方が悪かった」と指摘した。

株式トレーディングでも自己勘定取引が不振で、同部門の収入は前年同期 比11%減の21億ドル。2007年12月-08年2月(第1四半期)には過去最 高の33億ドルを記録していた。S&P500種株価指数は3-5月期に5%上 昇した。

投資銀行業務

企業の合併・買収(M&A)助言や証券引き受けなど投資銀行業務の収入 は49%減の8億7500万ドル。ブルームバーグが集計したデータによると、モ ルガン・スタンレーが助言したM&Aの総額は1910億ドルと、前年同期の 2870億ドルから減少した。

資産運用収入は68%減の4億8800万ドル。運用資産総額は8%増の 6050億ドル。富裕層向け資産運用の収入は48%増の24億3000万ドル。ス ペイン部門の売却が押し上げた。売却(6億9800万ドル)の影響を除くと、 増収率は4%にとどまる。

モルガン・スタンレーはMSCI株の売り出しにより、7億3200万ドル を得た。

ケルハーCFOによると、同社が保有する流動性総額は3-5月期末時点 で1690億ドルと、12-2月期の1250億ドルから増加した。中核自己資本の ティア1比率は11.5-12%。ゴールドマンが17日に発表したティア1比率 は10.8%だった。

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