日本株(終了)輸出や環境中心に上昇、代金2兆円割れ-景況感不透明

東京株式相場は上昇。ドル・円相場の安定 を背景に、トヨタ自動車やコマツなど輸出関連株が取引終了にかけて買い優勢と なった。米国で原子力発電所1基を受注する見通しになった日立製作所を中心に 環境関連株への投資が活発化。東証1部の上昇率上位には、古河電池や新神戸電 機など電池関連銘柄が並んだ。全般的には東証1部の売買代金が2兆円を割れる 中、個別選別の色彩が強い。

富国生命保険の桜井祐記取締役財務企画部長は、「株価が安くなると買いが 入ってくるため、下値は限定的だと思っている。あえて悲観的に見る材料はない。 楽観か悲観的かと言われれば、楽観的になって良いと思うが、もう少し時間はか かりそう」と見ていた。

日経平均株価の終値は、前日比104円45銭(0.7%)高の1万4452円82銭。 TOPIXは同7.66ポイント(0.6%)高の1409.64。東証業種別33指数は24 業種が上昇、9業種が安い。東証1部の騰落状況は、値上がり銘柄数892、値下 がり銘柄数664。

輸出株がじり高

日経平均は小幅下落して始まったが、すぐに切り返した。午後に入るとじり じりと値を上げ、この日の高値圏で終了。前日の米市場でダウ工業株30種が 100ドル以上下げていただけに、日本株の底堅さを印象付けた。後半にかけて 徐々に上げ幅を拡大したのは日立製作所やNEC、トヨタ自動車、コマツといっ た外需依存度の高い業種だ。午後の東京為替市場でドル・円相場が1ドル=108 円台を回復するなど、円安傾向となったことが買い安心感を誘った。結局、TO PIXの上昇寄与度上位は、電気機器、輸送用機器、機械が占めた。

もっとも、売買は低調。東証1部の売買代金は1兆9889億円と、5月27日 以来、約3週間ぶりに2兆円を下回り、投資家のリスク許容度の低さを物語る。 前日までの過去1年間の1日当たり平均の2兆5997億円を大きく下回り、薄商 いの中、先物相場が影響する場面もあった。

テーマ株買いは活発

主力銘柄中心に盛り上がりに欠ける中、投資資金はテーマや材料などに着目、 値動きの良い銘柄に向かった。この日上げが目立ったのが原子力関連など環境関 連銘柄で、日立製作所による米国での原子力発電所の受注が材料視された。同社 は17日、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と共同で、米電力会社のデトロ イト・エジソン(ミシガン州)から原子力発電所1基を受注する見通しになった と発表。これを受けて日立は4日続伸、酉島製作所、木村化工機、日本製鋼所な どの関連銘柄も上げた。

また、ジーエス・ユアサ コーポレーションや古河電池、古河スカイなど電 池関連銘柄の上昇も目立った。みずほ証券の大森郷志産業アナリストは、「2010 年以降の電気自動車の立ち上げに向け、今年は準備の年に当たる。設備投資や提 携などが具体化しやすいことから、普及への現実感が出てきた」と指摘していた。

東海東京調査センターの中井裕幸常務取締役によると、「世界的なインフレ 期待がどうすれば止まるかがポイント。積極的に上値を追えない中、あくまで個 別材料の物色になっている」という。

金融一角は弱い

半面、TOPIXの下落寄与度上位は、ミレアホールディングスなどの保険 や野村ホールディングスなど証券といった金融株の一角、新日本製鉄などの鉄鋼 株などが下落した。鋼材価格が収益に負担になるとの見方が広がった川崎重工業 や三井造船など造船・重機株の一部も弱い。個別銘柄では、未払い賃金などで労 働組合の執行役員から訴訟を提起されたテクモのほか、ガソリン価格の高騰など で駐車場の利用台数が減少したため、2008年10月期の業績予想を下方修正した パーク24などが大幅安。

新興3市場もじり高

国内新興3市場もそろって高く、ジャスダック指数は0.63ポイント (1%)高の64.14と4日続伸。東証マザーズ指数は4.24ポイント(0.7%)高 の621.78と続伸、大証ヘラクレス指数は3.65ポイント(0.4%)高の1016.35 と3日続伸。いずれも小幅高で始まった後、じり高となった。

企業間電子データ交換(EDI)サービスの利用データ拡大で採算性が向上 しており、08年7月期の期末配当を3500円から4000円に引き上げたプラネッ トが急伸。18日付の日経新聞朝刊で、太陽電池で第2の創業と企業紹介記事が 掲載されたフェローテックも大幅高。グローバル住販が一時ストップ高となるな ど新興不動産の一角も買われ、電話による音声認識サーバを開発したと発表した アドバンスト・メディアも一時ストップ高となった。半面、自社株買いを発表し て前日急騰したスタイライフは急反落し、資金の逃げ足の早さもうかがえた。 ネット複合カフェの「自遊空間」を展開するランシステムも安い。カジュアルウ エア事業の廃止に伴う特別損失計上で、今期は最終赤字、無配転落となることが 嫌気された。GDH、トーシンなどが安い。

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