債券は大幅高、米債高好感や中期債買い継続-10年は一時1.755%(終了)

債券相場は大幅高(利回りは低下)。前 日の米国市場では経済指標の悪化を受けて債券が買われており、こうした地合 いを引き継ぎ、朝方から買いが優勢だった。早期の日銀利上げ観測後退を背景 に、中期債相場も堅調推移が継続し、相場上昇をけん引した。新発10年債利 回りは一時1.755%まで低下し、節目の1.8%を大きく割り込んだ。

岡三証券経済調査部の坂東明継シニアエコノミストは、「金利先高観がや や後退したため、これまで売られすぎの揺り戻しとなっている。日銀の金利政 策の影響をもっとも受けやすい中短期債や、先物を中心に買いが入り、相場全 体が押し上げられた」と説明した。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日比36銭高の133円51銭で寄り付 いた。その後も買い優勢の展開で水準を切り上げ、午前10時40分すぎに90 銭高い134円5銭まで上昇。中心限月としては10日以来となる134円台乗せ となった。午後は上げ幅を縮め、いったんは133円47銭をつけた。取引終了 間際に再び買われ、結局は49銭高い133円64銭で引けた。9月物の日中売買 高は4兆7273億円。

UBS証券ストラテジストの清水麻希氏は、「朝方はショートカバー(売 り建ての買い戻し)がけん引したのが、午後は一巡した」という。

三菱東京UFJ銀行円貨資金証券部の峯島泰樹副部長は、「米ウォール・ ストリート・ジャーナル(WSJ)紙や英フィナンシャル・タイムズ紙(F T)などの報道を受けて、欧米債券相場が落ち着いてきたことが支援材料とな った」と指摘した。

米WSJ紙のオンライン版は17日、米連邦準備制度理事会(FRB)が 6月24、25日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くこと がほぼ確実だと報じた。また、金融当局はインフレ見通しが著しく悪化しない 限り、今秋以前の利上げが不可欠とは考えていないようだとも伝えた。英紙F Tも匿名の米金融政策当局関係者を引用し、市場参加者は利上げの可能性を織 り込み過ぎていたと伝えた。

日経平均株価は反発。前日比104円45銭高の1万4452円82銭で終了し た。続落で始まったが、次第に買いが優勢になり、一時は121円高となった。

新発10年債利回りは一時1.755%

新発10年物の293回債利回りは、前日比3ベーシスポイント(bp)低い

1.800%で取引を開始。徐々に利回り水準を切り下げ、午前9時半すぎには12 日以来の1.8%割れとなった。その後も低下が進んで、一時は7.5bp低い

1.755%と、9日以来の低い水準をつけた。午後3時すぎからは1.77-1.78%で 取引されている。

中期債相場は堅調ぶりが目立った。新発5年債利回りは一時前日比10.5bp 低い1.32%まで低下。9日以来の低い水準をつけた。新発2年債利回りは

5.5bp低い0.86%まで下げた。

みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は、日本・米国・ ユーロ圏・英国について、原油や食品などを除いたコアベースの消費者物価指 数(CPI)の直近値をみる限り、物価のベースライン部分は低位安定状態を 継続しているという。このことは、「内外の債券にとって大きな安心材料であ り、先行きで徐々に効いてくる。買い戻しの材料だろう」と予想している。

一方、カリヨン証券マネジング・ディレクターの加藤進氏は、金利は調整 を繰り返しながら、今後もじりじり上がると予想。「インフレが加速すること に対して固定資産である債券を保有するのはリスクがある」とみている。

米国市場は、株安・債券高-指標落ち込みで

17日の米国債相場は上昇。2年債利回りが低下した。米景気の一段の悪化 が示されたことから、米利上げ観測が後退している。

BGキャンター・マーケット・データによると、2年債利回りは前日比 12bp低下して2.92%。一時は12日以来で最低の2.87%に下げた。10年債利 回りは6bp下げて4.21%。

一方、米株式相場は下落。ゴールドマン・サックス・グループが金融機関 は損失補てんのため、650億ドルの追加増資を余儀なくされると予想したこと が売りを誘った。住宅着工統計と鉱工業生産指数がともに市場予想を下回った ことも売り材料。

リーマン・ブラザーズ証券チーフJGBストラテジストの山下周氏は、米 国の景気減速は間違いないとの見方をしている。「利上げをかなり積極的に織 り込んできたが、景気減速というのがあるので、これから少し織り込み方が後 退するだろう。基本的に金利は低下の方向でみている」という。

--共同取材:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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