短期市場:日銀オペ金利上昇、6月末の資金繰り意識-コール運用増も

短期金融市場では、日本銀行が実施した資 金供給オペの落札金利が上昇した。四半期末にあたる6月末の資金繰りが意識さ れるなか、レポ(現金担保付債券貸借)も強含み、資金需要がしっかりしていた。 ただ、20日に国債が大量償還を迎えるため、コールの運用も徐々に増加してい るもようだ。

午後の本店共通担保オペ7000億円(6月19日-7月11日)では、最低落 札金利が前回の月内オペ(6月17日-25日)より3ベーシス高い0.58%と、5 月14日以来の高水準。平均金利も2.1ベーシス上昇の0.585%になった。通知 額の4倍を超える2兆9765億円の応札が集まった。

インターバンクの市場関係者によると、落札金利の水準は予想範囲内だった という。無担保コールで20日の償還資金の運用が見え始め、3週間物は0.70% を割り込んでいく展開。ただ、運用側が調達側の金融機関を選別することで金利 格差も生じ、調達が進んでいない向きには妥当な水準だったという。

20日は国債の償還・利払いで6兆円程度の資金余剰が見込まれるが、決済 が膨らむ上、資金がどこに流れるか不透明感も残る。東京レポ・レートは20日 スタート分が0.60%と、約1カ月超ぶりの高水準。月内物の国債買い現先オペ 8000億円(6月20日-26日)の最低金利も5ベーシス上昇の0.57%だった。

6月末は外国銀行の中間決算で資金需要が高まる一方、国内銀行は四半期末 の決算で新BIS(自己資本比率)規制も意識される。地方銀行の資金担当者に よると、欧米金融機関の損失懸念がくすぶるなか、外銀には無担保資金が貸し出 せないと言う向きも多いという。

欧米金融機関はコマーシャルペーパー(CP)や円建て外債(サムライ債) の発行など、資金調達手段を多様化している。国内大手銀行のトレーダーによる と、流動性リスク、信用リスクともに最も落ち着いており、金利水準も低い円資 金の市場は世界から需要が集まっているという。

金先続伸-欧米も過度の利上げはく落

ユーロ円金利先物相場は続伸(金利は低下)。前週末の日銀総裁会見を受け た買い戻しの流れに加え、欧米の中央銀行から過度に利上げを織り込んだ市場を 冷やす動きも見られ、中期債も含めて買い戻しが進んだ。

中心限月2009年3月物は一時0.075ポイント高の98.915(1.085%)まで上 昇。前週10日は0.200ポイント超下落する場面もあったが、急落前の水準まで 戻した。ただ、午後は徐々に上値が重くなり、98.870まで上げ幅縮小。新発2 年債利回りは0.860%と、前週末の1.025%から16.5ベーシス買い戻された。

国内大手銀行の先物トレーダーは、中央銀行は景気下振れとインフレの両方 を抑えないといけないが、取れる手段は為替政策と金融政策の口先介入だと指摘。 アクセルを踏んだりブレーキを踏んだりの繰り返しで、金利上昇ヘッジに動いた 金融機関は、完全には戻りきれない面もあるという。

米国では、各新聞を通じて米連邦準備制度理事会(FRB)に利上げの計画 はないとのバーナンキ議長の発言や利上げの可能性を織り込み過ぎとの発言が伝 わっている。7月の利上げが確実視される欧州中央銀行(ECB)でさえ、連続 利上げの可能性を否定する発言を繰り返している。

欧米では年内に0.25ポイントの利上げを数回織り込んでいたほか、日本で も1回の利上げを完全に織り込んでいた。利上げを織り込み過ぎた反動の買い戻 しが大きくなっているが、金利先物の水準を見ると、利上げ警戒感が完全にはく 落したわけではないという。

5月19、20日の日銀金融政策決定会合の議事要旨によると、ある委員は一 次産品価格の上昇という供給ショックがインフレ予想の変化を通じた2次的な影 響を生じなくても、持続的で複合的なショックが生じるなかで、必ずしも金融政 策で対応する必要はないということにはならないとの見解を示している。

大手銀のトレーダーは、消費者物価(生鮮食品を除く、コアCPI)の上昇 率が日銀の中長期的な物価安定の上限である2%に近付けば、市場の利上げ警戒 感も再び強まるとみていた。

翌日物は午後に外銀強含み-日銀緩め調節

無担保コール翌日物は外銀、国内銀とも0.50-0.505%の落ち着いた調達。 ただ、午後の外為円決済に絡んで一部外銀が0.52-0.525%まで調達する場面も あった。6月末を控えて日銀は緩めの金融調節で金利上昇を抑えている。市場で は、日銀はかなり気を使った調節を続けているとの声が聞かれた。

日銀は朝の定例調節を見送り、準備預金(除くゆうちょ銀)は横ばいの5兆 6000億円程度。残り要積立額(1日平均4兆8300億円)と積み終了先から推計 した中立水準は5兆円程度で、十分な積み上幅があった。

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