中央大の田中教授:アイルランドに再投票迫る可能性-基本条約批准で

中央大学の田中素香教授は18日、ブルーム バーグテレビジョンとのインタビューで、13日の国民投票でアイルランドが、欧 州連合(EU)の基本条約(リスボン条約)を否決したことについて、他の加盟 国はアイルランドに再投票を迫るか、脱退を迫るのではないかとの見方を示した。 主なコメントは次の通り。

アイルランドが批准しなかったことの意味:

「27カ国すべてが批准しないと公式には発効しないので6年間の苦労が水の 泡になる可能性がある。18カ国はすでに批准。残りの国も議会で批准するので多 分大丈夫だが、アイルランドだけが国民投票だった」

なぜ否決されたのか:

「EUの規制が税制にも及ぶこと、集団的自衛権を定めていて、EUの一国 への攻撃を全体への攻撃とみなすので、アイルランドの中立主義と抵触するとこ ろもある。アイルランドは去年末から経済状態が悪くなっていて、失業者も増え ていることも影響したのではないか」

EUの対応:

「19日から首脳会議が開かれ、アイルランドが国民投票をもう一度やりたい と言えばその準備が始まる。アイルランドはニース条約をいったん否決して、再 投票で可決したことがある。しかし再度国民投票をして否決されれば、アイルラ ンドがEUから離脱という可能性も出てきて、今度はアイルランドにとって非常 に深刻なことになる」

基本条約の意味:

「EUの大統領を設置してEUの顔を世界に印象づける。また外相も設置し てEUのプレゼンスを高める。気候変動などでEUはプレゼンスを高めようとし ている。中国やインドが台頭してくる中、この条約で欧州のプレゼンスを高めよ うとしている」

欧州経済の現況:

「サブプライム問題で英国が下がり始めている。しかし中東欧は力強い成長 を続けており、ドイツもまだ強いので、米国の影響をはね返しながら何とか2% の成長を、今年、来年維持できるかなというところだ」

経済統合の進展でマイナス面もある:

「憲法条約のときにはポーランドなどからの移民の問題が取り上げられた。 また先進国からみると、法人税が低いので引き下げ競争になり、福祉が悪くなる というようなことがあった。しかし全体としてみればキャッチアップを実現して おり、競争力も高めている」

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