午前の日本株は小高い、環境関連やディフェンシブ上昇-景況感重し

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午前の東京株式相場は小幅高。米国景気の スタグフレーション(景気後退期の物価上昇)懸念が高まる中、個別に材料の出 た銘柄を中心に買いが先行した。米国で原子力発電所1基を受注する見通しにな った日立製作所を中心に環境関連株が上昇。東証1部の上昇率上位には古河電池 や新神戸電機など電池関連銘柄が並んだ。このほか業種別では、東京電力などの 電気・ガス、陸運といった景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ業種の堅 調さが目立つ。

午前の日経平均株価終値は、前日比57円40銭(0.4%)高の1万4405円 77銭。TOPIXは同2.01ポイント(0.1%)高の1403.99。東証1部の騰落状 況は、値上がり銘柄数904、値下がり銘柄644。

独アリアンツの資産運用部門であるRCMジャパンの寺尾和之取締役は、 「消去法的に日本は買われてきている。日本は相対的にはインフレに対する悪影 響は小さいためだ。しかし国内景気は良くなく、これ以上の上値を追う材料がな い」と話している。

一方、ミレアホールディングスなどの保険、野村ホールディングスなどの証 券といった金融株の一角が下落。新日本製鉄などの鉄鋼、三井造船などの造船株 も売られた。東証業種別33指数は25業種が上昇、8業種が下落。

窓突破への勢い欠ける

日経平均は小幅下落して始まったが、すぐに切り返した。もっとも、米国を 中心にした世界景気の動向に不透明感が漂う中、6月5日と6日の間に空けた窓 の上限(1万4489円)を上抜ける勢いはなく、上値の重い印象となった。手詰 まり感を背景に、短期資金が向かった先が個別に材料の出た銘柄だ。午前は原子 力関連を中心に環境関連銘柄などの上げが目立った。

日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック(GE)は17日、米電力会社の デトロイト・エジソン(ミシガン州)から原子力発電所1基を受注する見通しに なったと発表。これを受けて日立が4日続伸、酉島製作所などの関連銘柄も高い。

また、大田弘子経済財政政策担当相は17日夕の経済財政諮問会議に、経済 財政運営の指針となる「骨太の方針2008」の素案を提示。その中で、地球温暖 化ガスの排出抑制を図るため、環境税の導入を検討することを初めて明記した。 東証1部の上昇率上位には古河電池、新神戸電機、オルガノ、FDKなど、電池 や水といった環境に絡んだテーマ銘柄が並んでいる。

東海東京調査センターの中井裕幸常務取締役によると、「世界的なインフレ 期待がどうすれば止まるかがポイント。日本株は世界で珍しく物価上昇率の低い 国ではあるが、積極的に上値を追えない。こうした中、あくまで個別材料の物色 になっている」という。

このほか、個別では、18日付の日刊工業新聞で、大分県宇佐市でプリンタ ー部品の新工場を8月に稼働すると報じられたアドバネクスが急騰。ゴールドマ ン・サックス証券が17日付で、投資判断を「中立」から「買い」に引き上げた NECエレクトロニクスは年初来高値を更新した。改正建築基準法による賃貸住 宅の施工延期の悪影響が一巡し、2009年4月期の業績が急回復の見通しとなっ た東建コーポレーションは続伸した。

これに対し、TOPIXの下落寄与度上位は保険や証券、鉄鋼が並んだ。東 証1部の売買代金は9011億円にとどまっており、年初から前日までの1日平均 2兆4703億円に届かない勢いで、市場エネルギーの乏しさがうかがえる。

ガソリン高でパーク24安い

安かった個別銘柄では、ガソリン価格の高騰などで駐車場の利用台数が減少 し、2008年10月期の業績予想を下方修正したパーク24のほか、スポット事業 の売却に伴い、5月の連結売上高が前年同月比6.2%減となったフルキャストな ど。また、証券取引等監視委員会が17日、REITの運用会社に、不動産取得 に関連した不正行為があったとして金融庁に行政処分を行うよう勧告したプロス ペクト・レジデンシャル投資法人が急落した。

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