日本株は輸出や小売中心下落へ、米金融不安の再燃と消費税引き上げ論

東京株式相場は下落する見通し。前日の米 国株式市場では金融不安が再燃し、米景気のスタグフレーション(景気後退期の 物価上昇)懸念も強まった。為替相場の円安一服感も重なり、トヨタ自動車など の輸出関連株には売りが先行しそう。また福田康夫首相が、消費税率引き上げの 決断時期が迫っているとの認識を示したことを受け、小売りなど消費関連株も安 くなる可能性がある。

大和投資信託投資調査部の長野吉納シニア・ストラテジストは、「為替相場 が1ドル=107円台に入ってきており、やや弱含みの動きは避けられない。ただ 米国株の下げを織り込んだ後は、これといった材料もないため、小動きにとどま るだろう」と予想した。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物9月物の17日清算値は1万4385 円で、大阪証券取引所の終値(1万4390円)に比べて5円安だった。前日の日 経平均株価の終値は前日比6円(0.04%)安の1万4348円37銭。

金融不安拭えず、インフレ懸念も

米金融機関の決算発表が本格化している。サブプライム(信用力の低い個人 向け)ローン問題の影響による損失拡大規模が注目されているが、これまで発表 されたリーマン・ブラザーズやゴールドマン・サックスなどの決算内容は事前予 想通り。しかしゴールドマンのアナリストは17日、「米銀の貸倒損失や資産評 価損は2009年1-3月(第1四半期)まで続くため、今後さらに650億ドル (約7兆340億円)の増資が必要となる可能性がある」としたリポートを発表。 これを受け、金融不安が再燃した。

また、景気減速下での物価上昇懸念も強まっている。5月の住宅着工件数 (季節調整済み、年率換算、以下同じ)は、前月比3.3%減の97万5000戸と、 過去17年間で最低水準に落ち込んだ。ブルームバーグ・ニュースの予想中央値 (98万戸)も下回った。一方、5月の生産者物価指数(PPI)全完成品は、 前月比1.4%上昇と、昨年11月以来で最大の伸びを記録。ブルームバーグ・ニ ュースの予想中央値(1%上昇)も上回った。前月は0.2%の上昇。

金融不安の再燃とスタグフレーション懸念から、前日の米市場では、金融株 中心に売りが先行。主要株価指数の終値は、S&P500種株価指数が前日比9.21 ポイント(0.7%)安の1350.93。ダウ工業株30種平均は同108.78ドル (0.9%)安の12160.30ドル。ナスダック総合株価指数は同17.05ポイント (0.7%)安の2457.73。

消費税論議

一方、国内消費動向の先行き懸念も浮上しそうだ。福田康夫首相は17日午 後、消費税率の引き上げ論について、「決断しなければならないとても大事な時 期だ。国民世論がどう反応するかを考えている時だ」と言明。「高齢化社会を考 えると、かなり道は狭くなってきている」と述べ、引き上げざるを得ない時期が 近づいているとの認識を示唆した。これを受け、小売りや住宅関連銘柄には売り が先行する可能性がある。

パーク24、Jフロンが軟調公算

個別では、交通量の減少やガソリン価格の高騰などで駐車場の利用台数が減 少し、08年10月期通期業績予想を下方修正したパーク24のほか、ショッピン グセンターの増加でオーバーストア状態が一段と深刻化して08年3-5月期 (第1四半期)の既存店売上高が前年同期比10.7%減と苦戦したパレモ、天候 不順などから5月の連結売上高が前年同月比1.6%減となったJ.フロント リ テイリングが軟調に推移しそうだ。

半面、マレーシア国営のペトロナス社から同国沖合の石油採掘権を取得した 三菱商事や、三菱UFJフィナンシャル・グループと準備を進めていた携帯電話 サービス特化型の新銀行が、金融庁から免許を取得したKDDIは買われそうだ。

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